空間データ(*1)活用プラットフォーム「スペースリー」を提供する株式会社スペースリーは、業界初(*2)となる、360°VR画像(パノラマ画像)を自動で3D化したリッチなオンライン内見コンテンツの制作を可能とした「パノラマ変換3Dプレイヤー」をリリースした。
2022年6月22日にβ版として提供開始した時点から事業者の声も反映し改善を重ね、正式なリリースとなった。
3D化された内見コンテンツでは、自動推定されたサイズ測定や、市販の家具を配置するなど、消費者が家探しをする上で知りたい情報が把握でき、また、新生活をイメージしながら家探しがよりワクワクするような体験を提供する。
このようなオンラインでもリアルな内見に近い体験、また、リアルな内見ではできないような家具置きなどの機能が活用されることで、不動産事業者にとってはこれまで以上にオーナー獲得、集客力のアップ、成約率アップといった効果に繋がることが期待される。
今後、同社では、「空間データ活用で”伝わる”をスマートに」というビジョンのもと、同プレイヤーを全事業者で活用してもらえるよう積極的に推進していく。
そして、3D化自動変換の精度向上などによる制作プロセスの一層の運用コスト削減、また、より物件の魅力が伝わりやすく、また軽量化されたコンテンツで消費者の家探し体験がより快適となる再生プレイヤーへと改善を続け、不動産業界の新たなスタンダードとなるべく事業開発を進めていくという。
(*1) 空間データとは、空間表現に関わるデータ、写真などの2D画像から動画、360°パノラマコンテンツから3D画像までを含む言葉
(*2) 日本国内における「360°VRコンテンツ管理サービス」として 2023年2月 自社調べ(特許出願中)
■ 背景
「スペースリー」は、ブラウザやVRデバイスで再生可能な360°VRコンテンツを誰でも手軽に、簡単に制作・編集、活用ができるクラウドソフトウェア。
単にコンテンツを簡単に制作することを実現するだけではなく、活用し効果を実感できることに重点を置いている。その結果、不動産売買・賃貸・住宅分野・製造分野における工場研修等で活用が進み、2016年11月のサービス提供開始から6年で7,200以上の事業者ユーザーに活用されている。
スペースリーは、市販される様々な360°カメラで取得された360°VR写真の編集・活用が可能なプラットフォームだが、近年、3D化の技術開発は急速に活性化し、その取得方法も、360°カメラでの撮影、今後拡大するLidarセンサーを搭載したiPhoneでの撮影、スマートフォンでの動画撮影からの3Dデータ化など一層手軽に、そして多岐化していくことが見込まれる。
また、VRゴーグルのMeta Questの一般市場への普及など今後のデータの活用方法においても拡大が見込まれ、多様な方法で取り込まれた3D空間データをどう産業活用するかの過渡期にある。
空間データの産業利用の裾野・応用が豊富に広がっていくことを見込まれる中、空間データ活用プラットフォームとして、新たな技術変化に対応し、また、よりリッチなコンテンツを求めるユーザーの要望に対応していくために、数年前からAIによる画像からの部屋構造の推定などの研究開発を進め、今回の「パノラマ変換3Dプレイヤー」をリリースするに至った。
これまでの同社の再生プレイヤーはパノラマ画像を表示しぐるりと見渡すことができるコンテンツだった。今回リリースするプレイヤーでは、ドールハウスと言われるような物件全体が直感的に把握できるような完全な3D化が実現され、室内を歩いて移動することも可能な再生プレイヤーへと大きく進化した。
■ パノラマ変換3Dプレイヤーの概要・特徴

同プレイヤーは、既存の360°VR画像があれば、事業者が自らリッチな3Dコンテンツを作れるようにしたことが大きな特徴。特許出願中である研究開発成果の360°VR画像から3次元モデルを生成する技術、画像認識技術を用いてドアが移動時に透明になりドアを開けた感覚で移動するなどのスムーズな内見体験を実現する技術が中心にある。
また、3D化されたことで、そのままコンテンツ内で消費者がサイズを測定したり、家具を置くことなどが可能となっていることも大きな特徴。具体的には以下のようなことがあげられる。
【制作プロセスにおける特徴】
・アップロードされた360°VR画像が自動で3D化された部屋に、またその画像上に表示される家具を自動で3D化。今後、コンテンツの数が増えていく中で更なる精度向上が行われる。
・同一部屋で撮影した360°VR画像からより綺麗な部屋の3Dモデルが生成される。
・3D化されたコンテンツをすぐに出力・確認可能です。
【再生プレイヤーにおける特徴】
・埋め込み動画など3Dコンテンツ内で様々なインタラクションが再生される。
・一つのコンテンツURLの中で、より直感的な操作で、事業者がAI空間設計で市販の家具を置いてレイアウト保存、また、消費者は事業者のレイアウトをそのまま確認、追加で家具を置くことが可能。また、スマホでも使いやすく、消費者のスマホの閲覧環境にも対応している。
・一つのコンテンツURLの中で、事業者がAIサイズ推定でサイズを保存、消費者もそのまま閲覧や測定もでき、それがスマホでも可能になっている。
また、コンテンツの公開設定(共通)やURL/QR発行、追客URLの発行など、業務管理上や成約率アップのために必要な機能もこれまで通り利用可能になっている。
■ β版モニター事業者の声
2022年6月22日にβ版として提供開始以降、以下のように事業者から好評の声が集まっている。
・新築一戸建てや中古マンション販売を展開する不動産事業者(東京都)
”引き渡し前にモデルハウスとしての物件を撮影して、お客さんに見せて確度高く意思決定してもらえる”
・複数店舗を展開する地方の不動産賃貸管理会社(富山県)
“3D化して俯瞰で見るのは現地でもできないので、お客さんから導線や部屋の配置などで質問が来ることも多い中、物件を見せる上での有効な営業ツールになる”
・空き家対策を推進する地方自治体(広島県)
“3DスキャンカメラではなくTHETAカメラで撮影できて手軽。撮影時間を短く、今までのパノラマコンテンツを3D化して見せることができるのは魅力的”
健美家編集部