三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社は関係当局の承認が完了し、5月22日より新しい個人向け資産運用サービス「ALTERNA(オルタナ)」の提供を開始する。
ALTERNAは都心の大型不動産や物流施設、発電所といったインフラなど安定的な賃料等収入が期待できる実物資産に、スマートフォンで簡単に、利回りを目的に投資できる個人向けの資産運用サービス。デジタル証券(ST)を活用することで、今まで機関投資家に投資機会が限られていた様々な安定資産(※)へ、10万円からの小口単位で個別投資を実現、個人投資家に新たな投資の選択肢を提供し、「貯蓄から投資へ」を後押しする。
第1号となる投資案件は日本橋エリアの1棟レジデンス「ステージグランデ日本橋人形町」で、6月2日より投資申込を開始している。
■「ALTERNA(オルタナ)」で実現したいこと
サービス名の「ALTERNA」には預金・上場株式・投資信託の代替資産(オルナタティブ資産)となるものを提供したい、加えて、お金の預け先として新しい選択肢を提示したいとの想いを込めているという。
オルタナティブ資産は、伝統的な投資対象である上場株式、債券とは異なるリスク・リターン特性を有している。安定したキャッシュフローを有する実物資産への投資をポートフォリオに組み入れることにより、運用効率の向上に寄与する効果が期待できるとされており、世界の機関投資家のオルタナティブ資産の保有額は拡大し続けている。
日本においても、例えば世界最大の機関投資家でもある年金積立金管理運用独立行政法人(通称:GPIF)が、2014年にオルタナティブ資産を投資対象として位置付けて以降、利回りを求めて特に不動産やインフラなどの実物資産への投資を拡大している。
一方で、大型不動産・インフラを始めとしたオルタナティブ資産への投資は、大口投資が可能な大手機関投資家のみにアクセスが限られている状態だった。
同社では、ALTERNAの提供を通じて、デジタル証券の活用により、より多くの人々がスマートフォンから簡単にオルタナティブ資産へ投資できる環境をつくり、将来のために安定した資産形成をしたい人に、新たな選択肢を提供したいと考えている。
■デジタル証券について
ALTERNAで提供する商品は、主に不動産やインフラなどを裏付けとした、デジタル技術を用いて電子的に発行されるデジタル証券(ST:セキュリティ・トークン)。
2020年施行の改正金融商品取引法で解禁され、新たな投資カテゴリーとして注目されている。同社ではこれまで4件の運用実績(※1)があり、小口化された受益証券を公募で個人の顧客に提供した。総合課税(雑所得)ではなく申告分離課税(※2)の対象になるなど、税制面でも特徴がある。
※1現在運用中のためALTERNA上で申込みはできない。
※2現在の税法を前提として、受益証券発行信託を使用した証券化スキームが特定受益証券発行信託の要件を充足しており、その上で受益者の選択により申告分離課税の対象となる。
■「ALTERNA(オルタナ)」の特長
ALTERNAはデジタル証券の提供に特化した日本初の資産運用サービスで、主な特長は以下の通り。
○三井物産グループが提供
ALTERNAは三井物産グループの資産運用会社である同社が始める新しい資産運用サービス。今後順次デジタル証券ファンド「三井物産のデジタル証券(※)」を提供していく。
○機関投資家と同等品質の安定資産
一般に上場株式などに比べて価格変動しにくい、既に安定稼働していて賃料など安定的なキャッシュフローの裏付けがある大型不動産やインフラなどが投資対象。これらは、従前より運用を委託された機関投資家が投資を行っていたものだが、ALTERNAのリリースにより、個人投資家もアクセスできるようになる。国内外に広がる三井物産グループならではのネットワークを活用し、投資機会を選定する。
○デジタル証券で可能になる小口投資、運用コストも最低限に
ALTERNAではブロックチェーン等の技術を用いて発行される”デジタル証券ファンド”を提供。これにより今まで投資機会が限られていた様々な安定資産に個人投資家が10万円から小口で投資可能に。自社の運用業務を徹底的にデジタル化し、自社の運用に最適化されたシステムの自社開発を進め、相対的に低い運用コストを実現している。
○スマートフォンで完結
スマートフォンさえあれば、口座開設から投資まで全ての手続きを全てペーパーレスで完結できる。
※同証券の組成・販売は、三井物産株式会社の子会社である三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社によるもの。
■1号案件について

<投資対象不動産について>
・日本橋人形町という中央区のプライムエリアに位置する築1年の築浅マンション(2023年4月末時点)
・徒歩5分以内の地下鉄駅に3路線が乗り入れ。大手町や渋谷といったオフィス街・ショッピング街へ容易にアクセスが可能
・2023年3月末日時点で稼働率100%(面積ベース)の稼働実績あり
■今後について
同社が運用を行う不動産の総額は2,300億円(※)にのぼる。そのうち今後、デジタル証券として提供するために同社が有している商品化予定案件は既に2,200億円(※)以上あり、準備が整い次第、順次案内していくという。
都内の不動産に加え、オフィス、物流施設、発電所、データセンター、通信ケーブルなど多様なリアルアセットの提供。新しい資産分散の形を提案していく。
※2023年4月末時点、クロージング中のものも含む
健美家編集部