毎年7月1日時点における基準地の正常な価格を9月に公表する基準地価。平成28年の結果が発表された。商業地の上昇率は都道府県別で大阪府が2年連続のトップ。中でも大阪市浪速区は市内24区中トップとなる14.3%の上昇率であった。
浪速区の地価が急上昇には様々な要素があるが、まず考えられるのはホテル開発に伴う用地取得が活発に行われたことだ。浪速区内で「東横INN大阪なんば日本橋」など複数のホテルが開業しホテル立地としての評価は高まっている。
ではなぜホテル開発が、他の区ではなく浪速区の地価を押し上げたのか?答えは割安感だ。浪速区は、交通利便性が高いにもかかわらず地価が低いエリアとなっている。
浪速区があるのは大阪市のほぼ中心部。各線難波駅の南側に位置する区だ。駅の北側は中央区であり、難波駅最寄りの施設はこのどちらかの区にあることになる。住所の持つイメージは、大阪を知る人ならば肌感覚で分かるであろうが、住宅にしても事務所にしても浪速区よりも中央区の方が住所としての響きが良い。
中古マンション市場をみても、中央区は浪速区の倍程度の面積なのに流通量は数倍以上の規模。地価が高いのにこれだけストックが多いとい
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