• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

1,589アクセス

不動産市場の透明度「日本14位」にアップも、実力以上の評価≠ヘミスリードの危険性もはらむ

調査/都市・マーケット ニュース

健美家不動産投資ニュース

DSCN4236
JLLは、7月25日に不動産透明度調査に関する説明会を実施した

外国人の投資家は、日本の不動産投資市場への参入をためらう理由として、前々から情報開示の不十分さを挙げてきた。特に成約取引(価格・賃料)の結果や履歴をデータで追えない閉鎖されたマーケットだとの指摘は未だに多い。

米不動産サービスのJLLとラサール インベストメント マネジメントが7月25日に発表した「2018年版グローバル不動産透明度インデックス」によると、日本の不動産市場の透明度ランキングは総合14位となり、16年の19位、14年の26位から順調にランクを上げているものの、総合1位のイギリス、2位オーストラリア、3位アメリカになお大きく水をあけられているのが現状だ。

JLL総合ランキング

今回の同調査では、前回までの検討項目になかったサステナビリティ(環境不動産ストックの形成における要素)を加えた。これにより、建築物の省エネルギー性能表示制度などが以前から評価されていた日本が、総合ランキングを引き上げている。ただし、前回同様の項目で判断すると日本は総合ランキングを下げている。

その項目別のランキングを見ると、サステナビリティは3位となりアジア太平洋で最も透明度が高く、パフォーマンスも5位と高評価を受けている。その一方で、上場法人のガバナンス(31位)や取引プロセス(35位)、市場ファンダメンタルズ(36位)に対する評価が大きく落ち込んでいる。特に市場ファンダメンタルズは、情報が圧倒的に取れないことが全体評価の足を強く引っ張っている。

都市別に透明度ランキングを見ると、上位5都市は、ロンドン、ロサンゼルス、シドニー、サンフランシスコ、ニューヨークの順番だった。イギリスやドイツ、オーストリア、カナダなど透明度が高い国々では、主要都市以外でも一貫して高い透明度を維持しているのが特徴である。翻って日本では、東京(26位)・大阪(30位)とも日本の総合ランキングよりも低く格差が出ている。

JLLでは、この差は市場データの開示度合の差から生じているとして、都市間の情報のバラツキを是正することが国と都市、日本で言えば日本と東京、東京と国内その他都市の透明度の格差も縮めると指摘する。

JLLアジア太平洋ランキング

また、昔の不動産市場とは違い、Jリート市場の拡大などによって徐々に取引の透明度が上がってきたとは言え、各国の透明度向上のスピードはそれ以上で、日本だけが取り残されかねない。

特に売買価格・賃料の成約価格データを収集するのは未だに難しく、そのため統計データの蓄積ができていない。JLLでは、土地・建物の売却価格の情報開示が欠如しているのが日本の透明度の妨げになっていると強調している。

足元では、台湾やマレーシア、韓国、中国、タイ、インドなどアジア勢が猛追する。台湾は、2018年に売却価格を含む不動産登記のオンラインデータ化に向けて法律を改正した。デベロッパーの売却価格の登記を義務化、売り主・買い主には、権利移転の際に共同で売買価格の登記をすることを義務化した。

日本は、売買価格と賃料のデータに加えて、共益費などマネジメントコストが分かりづらいことも透明度を上げる上での足かせとなっている。「欧米など透明度の高い国は、その内訳が細かく明示され、入居者・テナントがオーナーと交渉しやすい環境が整っている」(JLL日本の大東雄人氏)という。

先述の通り、今回のランキング調査では、日本の透明度がアップして、透明度が最も高いカテゴリーへのランクインを目前とするが、環境対応やサステナビリティといった調査項目の加味が実力以上の評価に繋がっているとも言える。

そうした点から、本当の意味で不動産市場の透明性が高まったと言うには、不動産業界の意識改革による情報開示の進展が欠かせない。もし仮に、今後も改善がないのならば、こうした総合ランキングの上昇のみを強調することは、投資家のみならず、不動産業に携わる者全体をミスリードする危険性をはらんでいる。

健美家編集部

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ