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リーマン・ショックから10年を検証。喉元過ぎて……再び強まる品不足感、そしてバブル崩壊懸念?

調査/都市・マーケット ニュース

信用力の低い個人向け住宅ローンの不良債権化(いわゆるサブプライムローン問題)を発端に、米大手投資銀行のリーマン・ブラザーズが2008年9月15日に経営破綻して発生した世界金融危機。

リーマン破綻直後の9月18日の不動産協会の記者懇談会で岩理弘道理事長(当時)は、「この問題で、世界の金融市場の信用収縮が長期化する懸念がある。信用収縮が長期化した場合、特に収益不動産市場において影響がでるかなと思う。世界第4位の投資銀行リーマンの破綻により、外資がデット資金を引き揚げて新興不動産市場が厳しくなったものの、これから新たにリーマンの影響が顕著に出てくることはないと思う」などと語っていた。

しかし振り返ってみると、バブル経済の崩壊から立ち直りかけていた日本経済を直撃。不動産市場も混乱して不動産価格はつるべ落とし。リーマン・ショックとして語り継がれるようになった。その世界金融危機の発生から10年が経過した。その後の巨大地震も市況回復に水を差したものの、足もとでは2020年東京オリンピック・パラリンピックを控えて地価は上昇。局所的にはバブルの臭気も漂わせている。

そうした中、日本不動産研究所はこのほど、不動産取引市場調査(2001年上期〜2018年下期)の結果を公表した。Jリートや東京証券取引所、不動産媒体などのオープンソースをもとに約2万5400件を独自に集計した。

日本不動産研究所グラフ
出所:日本不動産研究所

それによると、サブプライム問題とリーマン・ショック前の2007年上期の取引金額は3兆円超、このうち外資系プレーヤーの不動産取得金額が約8000億円に達してピークを迎え、当時の日本国内の取引市場を席巻。リーマン危機直前は不動産ファンドバブルとも呼ばれた。

リーマンショックが生じた2008年下期には、取引金額が約1兆円と市場が縮小し、ピーク時の3分の1にまで落ち込んだ。その後、政権交代を経た2013年上期以降は2兆円超まで盛り返し、2018年上期は約2.3兆円であった。ただ、同下期には1.6兆円と大幅に減少している。

信託銀行で債権処理を担当したA氏は、「ありとあらゆる不動産を手掛け、そのファンドバブルがはじけ飛んだことで債権回収に奔走したものだ。おカネ返すには不動産を売るしかないでしょ。当事者に売る気がなくても売ってもらわないと困ります!=Bという感じ。張り込みまでして債権回収をやった」と自嘲気味に話す。バルク売りの中には数万円、数千円、500円といった値付けの不動産も存在し、1990年初頭のバブル経済崩壊時と同様、不動産鑑定士の存在価値と鑑定理論が破綻していた状態だったと明かしている。

2016 年下期のトランプ政権誕生以降、円安トレンドへのシフトとともに外資系プレーヤーの取得金額が増加。今回の調査結果によると、2017年下期の外資系の取得金額は過去2番目に多い約7300 億円に達した。2018 年に突入すると一転、外資系の取得金額は減少傾向に転じ、2018 年下期は約1200 億円に落ち込んだ。

一方でJリートは、2017年の買越が大幅に減少したものの、2018 年に入ると、資産構成の見直しなどで買越額が大幅に増加。強気姿勢が外資と入れ替わった格好となった。

地域別の取引金額割合では、2016年上期以降に都心5区・東京23 区内の割合が減少。地方でもモノ不足が進行するなか、2017年は、上期・下期とも相対的にリスクが高い首都圏の案件を取引対象とする割合が増えた。高値圏が続くなか、Jリートや機関投資家は、市況悪化時でも安定的なキャッシュフローを維持できる都心の優良物件への選別投資を進めており、都心5区の割合は安定している。

不動産の買越・売越の状況を投資主体別に見ると、2001年以降、Jリートの買越しが目立っている。特にリーマン・ショック以降は、Jリートが唯一買越しを続けるプレーヤーとして存在感を増してきた。

同研究所は、調査の中で「Jリートが不動産をいったん取得すると、売却を行うケースは限定されることから、Jリートへの物件集約が、昨今の不動産市場でのモノ不足感を生み出す要因の一つになっている」と分析している。

外資勢が鳴りを潜めているが、「金利水準や賃料、空室率などから見て不動産のファンダメンタルズは強い。目線にあった投資適格物件が不足していたため昨年は後半に失速しただけであり、日本の不動産に対する買い意欲は強い」(ある外資系プレーヤー)。優良物件が市場に出てきたとしても直ぐに蒸発してしまい、品不足感の解消は難しそうである。

実体経済の状況も注視しておく必要がある。最近の企業業績から発せられるメッセージを見逃してはいけない。過去10年スパンで訪れたバブルの崩壊(21世紀初めにはITバブルが崩壊した)、その直前になにかを感じられたか、気付くことができたか。リーマン・ショックやサブプライムローン問題を教訓に、適切な収益評価、担保評価の重要性を、投資家や金融機関は再認識した。現状の不動産価格はハブルなのか。崩壊の懸念はあるのか。リーマンショックから10年、想定外のリスクが消えているわけではない。

健美家編集部

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