平成30年版の首都圏白書(平成29年度首都圏整備に関する年次報告)が6月8日に閣議決定された。首都圏白書とは、首都圏整備法(昭和31年法律第83号)第30条の2の規定に基づき、首都圏整備計画の策定及び実施に関する状況について、毎年国会に報告しているもの。
今年の白書では、「首都圏をめぐる最近の動向」として、首都圏における「都市のスポンジ化」について分析している。
「都市のスポンジ化」とは、都市自体の大きさは変わらないのに、空家・空き地等が小さな穴が開くように生じ、都市の密度が下がっていく(スポンジのようにスカスカになっていく)事象ことで、都市の活力の低下や居住環境の悪化をもたらす。このスポンジ化の実態を、人口動態と空家等の動向から分析している。
まず、首都圏における人口の推移をみると、東京都、近隣3県(神奈川、埼玉、千葉)はなお増加の傾向にあるが、周辺4県(茨城、栃木、群馬、山梨)は平成10年代以降、既に減少局面を迎えている。東京都も将来的には減少に転じるが、その時期は2035年までと遅くなっている。
また、首都圏の人口増減の推移を距離圏別(旧東京都庁・現東京国際フォーラムを中心として半径10
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