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収益性を地域別にランキング。首都圏1位は溜池山王、近畿1位が大阪に。

調査/ランキング ニュース

2020/07/21 配信

コロナ禍で資産デフレに再び戻るのか。日銀が7月7日に発表した6月の生活意識調査によれば、景況感が大幅に悪化している。景況感が「良くなった」との回答から「悪くなった」とする回答を引いた指数(DI)はマイナス71.2となった。前回の3月調査から大幅に34.9ポイント低下した。約11年ぶりの低い水準に沈んだ。新型コロナウイルスの影響で収入が落ち込んだなどの影響が出ている。

不景気に備えて企業の資金需要は増加傾向にある。同じく日銀が7月17日に主要銀行の貸し出し動向を調べたところ、4〜6月期の資金需要を判断する指数(DI)が企業向けでプラス59と統計を始めた2000年1〜3月期以来の過去最大となった。一方で個人の資金需要は大幅に落ち込んでおり、個人向け指数はマイナス24とこちらか過去最低水準である。住宅ローンや消費者ローンも急落している。

健美家用首都圏の収益力ランキング
出所:東京カンテイ

◎資産デフレの懸念は杞憂か?

こうした指標から『消費意欲の減退⇒デフレ経済へ』と向かい不動産市場に与える影響も懸念されている。だが、足もとの不動産市況は面白い動きをしている。緊急事態宣言で休業要請のあった4〜5月について、不動産取引の成約件数は大きく落ち込んだが価格自体は上昇トレンドを描いている。

不動産経済研究所の発表では、2020年上半期(1〜6月)の首都圏の新築マンションの平均価格は6668万円と前年同期比で8.7%上昇して過去最高値を更新している。6月単月の平均価格を見ても、6389万円と前年同月比7.1%上昇した。中古マンションでも同様で、東日本レインズのデータでは、6月の成約価格は3541万円(同5.3%上昇)となった。

こうした価格の底堅さを受けて安心感を持つ不動産投資家も出始めた。東京五輪・パラリンピックが決まった後に東京湾岸や都心などでマンションを買い付けて新たな不動産の買い手として注目を浴びたアジア系の個人投資家たちである。

日本居住の台湾人の一人は次のように話す。「2002年のSARS(サーズ)のときに台湾の不動産価格は3割ほど下落した。今回の新型コロナウイルスにより、日本の不動産価格も同じように価格が落ち込むと思っていたが、ふたを開けると価格を維持、むしろ上昇している」と述べ、日本の不動産の資産性に着目している。現在、来日できないのでリモートでの物件見学や日本在住の知り合いを代理人に立てて購入している投資家を散見する。

もっとも、大規模金融緩和でじゃぶじゃぶ状態の日本にとどまらず、世界中で財政出動しており、市中にあふれたマネーが株や不動産に流れやすくなっている。現在の株式市場が良い例である。失業者が増えて企業業績が落ち込んでいるにもかかわらず株式市場が崩れ落ちない。実体経済と投資マネーの乖離が鮮明である。

◎10年賃貸運用+売却益=坪400万円弱の差益

そうした中で、マンションの資産性について、不動産調査を手掛ける東京カンテイが「分譲マンションの収益ランキング2019(首都圏)」として今月まとめている。2009年に竣工したマンションを10年間賃貸運用した上で、2019年に売却した場合の差益を試算しているもので、お買い得感のある駅として順位付けしている。

トップは東京メトロ南北線「溜池山王」だった。その差益は1坪当たり392.1万円となり、70u換算で8309万円となる。差益の内訳を見ると、賃貸としての運用益が坪199.6万円、売却益が坪192.5万円となっている。年利回りにすると9.38%で上位30駅の平均値(7.23%)と比較しても高い水準を示している。

2位「麻布十番」の差益は坪365.1万円で、内訳を見ると、運用益が坪205.2万円、売却益が159.9万円だった。3位は「半蔵門」で差益が坪350.4万円となり、運用益が坪198.2万円、売却益が152.2万円という内訳である。

上位30駅のすべてがJR山手線の内側やその周辺エリアに位置しているのが特徴で、都心の千代田区、港区といったアドレスの多さが際立ち、また、「八丁堀」や「人形町」といった都心部までアクセス時間の短い職住近接に対応できている駅も上位にランクイン。なお、同社によると、運用益のみの1位は「六本木」(ランク外)の坪246.5万円で、年利回りのトップは「秋葉原」の12.54%となっている。

健美家用近畿圏の収益力ランキング
出所:東京カンテイ

近畿圏版のランキングは、JR環状線「大阪」が1位となり、その差益は坪297.5万円(70u換算6300万円)となった。差益の内訳は、運用益が坪135.3万円、売却益が162.2万円で、年利回りは13.64%だった。利回りは、首都圏首位の「秋葉原」(12.54%)を上回った。大阪について同社は、売却益・年利回り共に近畿圏トップだったことから極めて高い投資効率なっていると評価している。

2位は「京都市役所前」、3位が「三条京阪」となった。上位30の特徴は、いずれも京阪神エリアに位置し、大阪エリアで16駅、京都エリアで6駅、神戸エリアで8駅と、大阪エリアの駅数が突出している。

2008年ごろまで大阪市中心部の新築価格は割安に設定されていたが、大規模な再開発プロジェクトが相次ぎ、街の利便性や魅力が地価を押し上げて潤沢な売却益を生み出す地域が増えてきたことと、賃料の設定水準が切り上がってきたことにより、運用・売却の面からお買い得感が強い駅が増えている。

◎投資エリアの安易な変更は避けよ!

収益ランキングを見ると、首都圏と近畿圏ともに収益性は職住近接の立地が有利となっている。だが、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークの普及が各段に進んできたことで、この在宅勤務が定着すると、郊外が人気化するとの報道も相次ぐ。今後郊外の資産価値が上昇するのではないかとの見方が少なくない。

ただ、そうした報道に飛び付いて投資戦略を立てるのは避けたいところだ。みずほ総合研究所では、実際にテレワークが可能なのは全産業のうち3割程度だと試算している。通勤から解放される割合としては限定的であるし、機密性の高い業務など企業の中核を担う職務が在宅化されることは情報漏洩などのリスクからも考えにくい。

大東建託が実施した「新型コロナウイルスによる住まいの意識変化やテレワーク実施状況」調査では、「郊外の人気が上がると思う」(49.8%)と約半数を占めるものの、「コロナ禍をきっかけにした郊外への引っ越し意向」は5.3%に過ぎない。

マインドと実際に行動に移すかのギャップが浮き彫りとなっているだけに、マスコミ大手を含めてアフターコロナの生活環境の観測が相次ぐが、それらを鵜呑みにしての安易な投資エリアの変更だけは避けておくべきだろう。

(取材・文、鹿嶋淳一)

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