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はじめての確定申告 サラリーマン大家さんはどうする?はじめてじゃない人も必見!【前編】

不動産の税金/申告 ニュース

2022/02/05 配信

令和3年(昨年)に賃貸物件を初めて取得したサラリーマン大家さんは、今回初めて確定申告をすることになる。初めて確定申告する人だけでなく、以前から確定申告している人も年に一度のことだから再確認しておこう。今回は確定申告の概要について簡単に説明する。

確定申告前編

1 確定申告とは

確定申告とは、個人が1年間(暦年、つまりその年の1月1日から12月31日まで)に得た所得を税務署へ申告して、その所得に対する所得税額と復興特別所得税額(以下、所得税額等)を納税、もしくは還付を受ける手続である。

普通のサラリーマンは、毎月の給料から所得税額等を勤務先が源泉徴収し、さらに年末調整を勤務先が行って1年間の所得税額等を計算している。

ところが、サラリーマン大家さんとなると事業をしている人と同じように原則として確定申告が必要だ。

ただ、給与を1か所からだけ受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超えなければ確定申告をする必要はない。

大家さん、地主さんなど不動産を他の人に貸して収入を得たことによる所得を不動産所得といい、不動産所得など給与以外の所得が20万円を超えなければ申告しなくても良いのだが、不動産所得が赤字の場合には、源泉徴収で納税した給与所得に対する所得税等が戻ってくる(還付となる)場合があり、確定申告をしておく方が良い。

2 申告書の提出期限と提出先

確定申告の期間は、通常であれば所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日までであるが、昨年、一昨年は一律4月15日まで延長となっていた。

本年は「新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から新型コロナウイルス感染症の影響により申告期限までの申告等が困難な人」のみ、4月15日まで延長となった。

なお、確定申告の受付期間は納付する所得税額等のある場合で、還付の申告は2月15日以前でも受け付けている。

また、令和3年分の確定申告から提出する申告書に押印をする必要がなくなった。

確定申告書の提出期限に遅れた場合、青色申告特別控除のうち55万円(電子申告を行う場合、もしくは一定の帳票を電子帳簿保存している場合は65万円)控除は無効となり、10万円控除となってしまう。確定申告で納付すべき税額があると無申告加算税や延滞税が課税される場合があるから注意が必要だ。

確定申告書は、原則として住所地を所轄する税務署に提出することになっており、国税庁のホームページで確認しよう。

所得税の確定申告書は国税庁ホームページの「確定申告書作成コーナー」で申告書を作成・印刷したものや手書きで作成した紙の申告書を提出しても良いが、e-Taxと呼ばれるインターネットでの申告だと税務署に出向く必要がなく便利だ。

先にも書いているが、前年である令和2年分の確定申告からe-Tax(電子申告)は青色申告特別控除のうち65万円控除の要件となっている。まだ電子申告をしていない人は、次に詳しい説明があるからこの機会に電子申告を始めよう。
etax

なお、マイナンバーカードを持っている人は簡単に電子申告できるようになっている。

また、所轄税務署への申告書を郵送も可能で、郵便局の消印で期限内提出か否かを判断される。さらに税務署には「夜間文書収受箱」が設置されており、ここに投函する方法で提出することもできる。

3 所得税等の納付期限と納付方法

今年の所得税等を払う期限は申告書の提出期限と同じ3月15日である。納付書に税額を記入して税務署や金融機関で3月15日までに納税する方法の他に、振替納税、クレジットカード納付などがあるので都合の良い方法を選ぼう。

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この先、新型コロナウィルスの感染状況によって、申告期限が延長されると納付期限も同じ日に延長される。

筆者が一番お勧めする納付の方法は振替納税だ。振替納税は所得税等を納税する人の預金口座からの引落しによる納税方法で、今年は4月21日に引落しとなる。少しでも納税時期が後になるから資金的にも有利だし普通預金通帳などにも記録が残るので便利だ。

こちらも、新型コロナウィルスの感染状況により申告期限が延長されると引落日が後日に変更となる可能性が高い。(昨年、一昨年は後日に変更となっている。)

また、確定申告で納めるべき所得税額等の金額が多くなると年2回予定納税が必要となるが、振替納税にすると同じ預金口座から引き落とされ手間が要らない。

ただ、振替納税で注意しなければならないのは振替される日に残高が不足すると未納付となり、本来の納期限(今年なら3月15日)から実際に納税した日までの延滞税を払うことになる。延滞税は納付期限が令和4年中の場合、年率2.4%(納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については8.7%)で計算されるから気をつけよう。

なお、確定申告で還付となる場合、還付金は銀行や郵便局振込となるので、申告書に申告する本人名義の金融機関名、口座番号等を記入しておこう。

4 不動産所得の計算方法と所得税額等の計算方法

サラリーマン大家さんの場合、給与所得と不動産所得を合算して所得税額を計算する。

まず、不動産所得は「(不動産の)収入-必要経費」で計算する。具体的にどのようなものが収入、必要経費となるかは、次回に説明する。収入も必要経費も令和3年1月1日から令和3年12月31日までの間に生じたものが不動産所得の計算対象となる。

つまり、令和3年1月1日から令和3年12月31日までの間に、実際に動いたお金の金額で計算するのではなく、家賃として受け取れる権利があるものがこの期間の収入となり、支払うべき義務が確定しているものが同じくこの期間の必要経費となる。

例えば、令和3年12月に振り込まれた令和4年1月分の家賃は令和3年分の収入にならないが、令和3年12月末日時点でまだ受け取っていない家賃でも令和3年に物件を貸しているなら令和3年分の収入としなければならない。

次に所得税額の計算は、{(不動産所得+給与所得)-所得控除}×所得税率=所得税額の計算式で計算する。ここで税率は累進税率が適用され、所得金額が増えた部分に対して順次高い税率が適用される仕組みになっている。これに復興特別所得税2.1%を加えたものが1年間の所得税等の金額となる。

この後、勤務先で源泉徴収され年末調整を受けた納付済み所得税等の金額を差し引き計算し、確定申告で納付すべき金額、もしくは還付される金額が決まる。こちらも次回に詳しく説明する。

5 申告書作成のために必要な書類

収入
・賃貸借契約書(賃貸期間、賃料、礼金などの確認)
・管理会社からの報告書(賃貸期間、賃料、礼金などの確認)
(この二つは同じことが確認出来るが、収入となるか否かの判断は賃貸借契約書の文言で判断する)
・賃料が入金された預金通帳など

必要経費(支出)
・経費関係の領収証(書)やその請求書・見積書
・ローン返済予定表、新規に借入した場合には借入に係る手数料の請求書など
・これらの支払いのある預金通帳、支払の記録をした現金出納帳など
・物件を取得した場合は、不動産売買契約書、諸費用(仲介料、登記費用)等の請求書、領収証(書)等

その他
・勤務先から受けた給与所得の源泉徴収票
・医療費控除を受ける場合には、医療費の領収証(書)
・ふるさと納税をした場合には、寄附をした自治体からの寄附金受領証明書
(確定申告する場合には、ワンストップ特例は申請して無効となり、ふるさと納税としての寄附金控除を申告書に記載する必要あり)

6 青色申告とは

青色申告とは、一定の帳簿を作成・記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする制度だ。昔、申告書の用紙が青色だったことから青色申告と言っている。

青色申告にすると様々な特典があり、所得税等の節税ができる。青色申告の主な特典には青色申告特別控除という一定レベルの記帳をすることで所得金額からの控除が認められるほか、不動産賃貸業を事業的規模(概ね5棟、もしくは10室以上の賃貸)で行う場合には、青色事業専従者給与を支払うことができる。これにより同一生計の者に給与を支払うことができるようになり、必要経費を増やし節税することができるようになる。

また、事業的規模で不動産賃貸業を行う場合には事業税も課税されることになっているから、青色申告の特典を有効に活用しよう。事業税は事業的規模の不動産所得と事業所得の合計額から年間290万円(事業を行った月数で月割)を控除した金額に不動産貸付業では5%を乗じた金額が課税されることになっている。

「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出して承認を受けることにより、「青色申告」ができるようになる。

通常、承認申請を提出すれば却下事由がない限り承認されることになっており、却下の通知はあっても承認の通知は届かない。

「青色申告承認申請書」の提出期限は、適用を受けようとする年の3月15日、もしくは1月16日以降に業務を開始した場合には、その開始した日から2ヶ月以内となっているつまり、今から提出すると令和3年分の申告では青色申告として申告することはできず、令和4年分から青色申告できることになる。

次回、後編では、収入、必要経費と税額計算について少し詳しく説明する。

執筆:公認会計士・税理士 伊藤誠一

プロフィール
銀行、国税局勤務を経て、公認会計士・税理士となる。中堅クラスの企業の税務顧問を中心に、これらの企業の事業承継プランニングやオーナーの相続税対策など多数の案件に関与している。また、公認会計士としての知見を生かし、複数社の社外監査役として企業経営に関わっている。

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