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不動産投資家の「節税のキモ」。家事関連費の按分はどのようにするのか? 会計実務で採用されている方法

税金/税金対策・節税 ニュース

2021/05/05 配信

家事関連費は、必要経費に算入できないのが原則だが、主に業務遂行上必要か、必要な部分を明確に区分すれば算入できる。
家事関連費は、必要経費に算入できないのが原則だが、主に業務遂行上必要か、必要な部分を明確に区分すれば算入できる。

賃貸経営では、数%の利回りの家賃収入をもとに収益を上げていくことが求められる。手元にキャッシュを積み上げていくには、毎年支払う所得税、住民税は少しでも抑えたいところだ。

これらの税金の課税対象となる不動産所得を圧縮して節税するには、必要経費をできる限り漏らさずに計上していくことが大切である。

その必要経費計上の際、しばしば問題となるのが、家事関連費の計上方法である。家事関連費は、業務の遂行上必要で、その部分を明らかに区分できることを条件に必要経費に算入することが認められるが、その立証責任は納税者にある。

家事関連費を不動産所得の必要経費として認められるようにするためには、どのようにすればよいのだろうか。判例や会計実務をもとに考察してみる。

家事関連費とは

原則として、家計費、生活費などの日常生活に関わる費用(家事関連費)は、必要経費に算入できない。しかし、所得税法施行令96条によって、「主に業務遂行上必要で、必要部分を明らかに区分できる費用」と「青色申告の取引の記録上、業務遂行上直接必要であったことが明らかにされる費用」については、必要経費に算入することが認められている。

「主に業務遂行上必要」であるかどうかは、全額のうち必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定される。ただし、その50%以下であっても、必要な部分を明らかに区分できる場合は、必要経費に算入できるとされている(所得税法基本通達45−2)。

家事関連費と業務上必要となる経費が混合した費用を必要経費に計上するには、納税者側でこの必要な部分を明らかに区分しなければならず、その区分方法が問題となる。

家事関連費の按分が検討された判例と会計実務の取り扱い

家事関連費と必要経費の按分については、法的に決まった方法はないが、その方法が検討された判例はある。

東京地判平成11年1月22日は、建物を賃借して質屋業を営み、住宅としても利用しているケースで、事業所得上、その家賃を必要経費として計上できる部分は、事業遂行上明らかに必要な部分(ショーウィンドー、事務所・応接室、倉庫)の面積按分によるものと認めた。

大阪地判昭和61年11月25日においても、店舗併用住宅における事業専用部分の地代家賃は、事業専用部分と家事専用部分との面積比によって按分して算出するべき、としている。

このように、面積按分は、家事関連費と必要経費の按分方法として、定着した取り扱いといえるだろう。

会計実務でみられる家事関連費の按分方法

判例の取り扱いを踏まえて、会計実務では、業務に利用されている固定資産に紐づく費用について、利用面積によって按分する傾向がみられる。具体的には、建物に関連する費用である、減価償却費、固定資産税、保険料が該当する。

他にも、業務に利用されている部分を明らかにする区分方法として、利用時間によって按分する方法が考えられる。

たとえば、自宅兼事務所の水道光熱費、通信費の按分について、営業時間を用いる。平日に1日8時間、自宅兼事務所で業務をして利用しているとすれば、5/7×8/24=約24%となる。これを、概算して20〜30%の按分割合を乗じて必要経費に計上する。

具体的に、業務に利用した部分を明らかにすることができれば、そのような方法を採るのがよいだろう。たとえば、車両の減価償却費やガソリン代であれば、業務上の走行距離を利用の都度記録しておき、1年間の走行距離メーターを分母に、利用した距離について按分すれば合理的な按分方法といえるだろう。

賃貸経営で考えられる家事関連費と必要経費の按分

賃貸経営では、そもそも業務遂行上必要な費用であるかどうかがより厳しく問われるだろう。不動産賃貸業の日常的な業務としては、入居者対応や建物修繕などの管理業務がある。

このような管理業務に要した旅費交通費、車両費や、自宅兼管理業務用事務所があればその家賃、水道光熱費などを、家事関連費と按分して必要経費に計上することが考えられる。

東京地判平成26年9月25日では、管理業者に管理を委託していた不動産賃貸業において、賃貸用建物の修繕などのために要したと主張された旅費交通費の計上を否認している。この事案では、領収書の保存もなく、旅費交通費の具体的内容が記録されていなかったことも、立証責任を果たしていないとみなされ、判決に影響したと考えられる。

自主管理ではなく管理業者に管理を委託している場合には、管理業務の必要性が厳しく問われる可能性がある。いつ、どれくらい、何の管理業務のために利用したのか、を記録し、その部分をそれぞれの費用から丁寧に按分していく必要があるだろう。

取材・文 佐藤永一郎

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