• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

3,631アクセス

不動産投資家も消費税の申告が必要に?改正消費税法の知られざる(?)内容とは!!

税金/税制改正 ニュース

来年10月からの消費税率の引き上げが本決まりになったとの報道が相次いでいる。

現行8%の税率が10%となる一方、食料品等には軽減税率(8%)が適用される。また、税率引き上げ後の景気後退を防止すべく、様々な政策パッケージも議論されている。

ところで、この軽減税率制度の中に、不動産投資家にも大きく影響する可能性のある内容が含まれていることは、現状ほとんどアナウンスされていない。今回は、この内容について紹介する。

gf1120347928w

本題に入る前に、改正消費税法等の「立て付け」について簡単に説明しておきたい。

消費税率の引き上げ自体は、平成24年8月22日公布の「「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(平成24年法律第68号・以下「抜本改革法」)により既に決定していた。

同法に基づき、平成26年4月1日から税率が5%から8%になったのは周知のとおりである。同法では10%への税率引き上げを平成27年10月としていたが、経済状況等を勘案して時期を平成29年4 月1 日に変更することとされた(平成27年度税制改正(「所得税法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第9 号))。

更に平成28年年秋の臨時国会において「抜本改革法等改正法」が成立し、同年11月28日に公布、これにより税率の引き上げ時期が平成31年10月に再延期となり現在に至っている。

つまり、税率の引き上げ及びその時期については既に法律で定められていることであり、今回「本決まり」になったわけではないということだ。なお、軽減税率制度については、平成28年度税制改正に伴う消費税法の改正で導入が決定している。

消費税が10%となれば、不動産投資家に限らず、納税者たる消費者は10%の消費税を負担しなければならない。しかし、消費税の納税義務者となっている不動産投資家はそう多くはないだろう。

これは「住宅の貸付け」、「土地の譲渡及び貸付け」は非課税取引であること、駐車場収入や商業物件などの貸付けは課税取引となるものの、基準期間の課税売上高が年間1000万円以下であれば免税事業者となり、消費税の納税義務がないからである(平成27年10月29日付当ニュース参照)

ところが、軽減税率導入に伴う改正に伴い、ある制度の導入も同時に決定した。それが仕入税額控除の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」である。

事業者が申告・納税する消費税額の計算は、「売上税額−仕入税額」で計算する(本則課税の場合)。この式で仕入税額をマイナスすることを「仕入税額控除」というが、現在は法定事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が要件とされている(請求書等保存方式)。

この仕入税額控除の要件が、軽減税率が導入される2019年10月1日から2023年9月30日までの間は、上記の帳簿に軽減税率の対象品目である旨を記載すること、同じく軽減税率の対象品目であることと税率ごとの合計額を記載した区分記載請求書等を保存すること(区分記載請求書等保存方式)となる。

ここまでは不動産投資家にはあまり関係ないと思われる。ところが、2023年10月1日からは適格請求書等の保存が要件となり、この「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の導入により、影響を受ける投資家が出てくる可能性がある。

すなわち、現在、課税売上高1000万円以下の免税事業者で納税義務がない投資家でも、申告が必要になる(消費税の納税義務が発生する)場合があるということだ。

適格請求書というのは、「売手が買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、具体的には、発行者の氏名又は名称、取引年月日、取引内容(軽減税率の対象品目である旨)、消費税額、相手先の氏名又は名称などを記載した請求書となる。この適格請求書を取引先に交付できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られる。

この「適格請求書発行事業者」になるためには、税務署長に登録申請書を提出し、登録を受けなければならない。

そしてこの登録は、課税事業者でなければ受けられないのだ。つまり、免税事業者では登録を受けられず、適格請求書を発行できない。したがって、「適格請求書発行事業者」になろうと思えば、「課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になる必要がある。

それでは、不動産投資家が課税事業者を選択する(せざるを得ない)のはどのような場合か。

一番分かり易いのは、店舗等の商業物件や事務所を賃貸し、賃料を得ている場合。賃貸先(店子)が課税事業者で適格請求書の交付を求めてくれば、オーナーはこれを交付する義務がある(軽減税率対象品目の有無は関係ない)。

店子としては、適格請求書がないと仕入税額控除ができないため当然発行を求めてくる。オーナーとしては、たとえ課税売上高が1000万円以下で免税事業者であったとしても、1者でも店子が適格請求書の発行を求めてくれば、課税事業者を選択して「適格請求書発行事業者」とならざるを得ない(「消費税分はかぶってください」と店子に言えばよいのだが、現実には難しいだろう)。

つまり、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が導入される2023年10月1日以降は、現在、課税売上高1000万円以下の免税事業者で申告義務がない投資家でも、申告が必要になる(消費税の納税義務が発生する)場合が起こり得るということになる。

軽減税率制度やそれに伴う「区分記載請求書等保存方式」、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」の導入に当たっては、種々の経過措置、特例措置が用意されているが、今回、説明は省略した。

また、取引先が簡易課税を選択している場合など、様々なケースも想定されるので、不動産投資家によって影響は様々である。不動産投資家としては、制度の内容を熟知し、対策等が必要であれば早期に行動していくことが求められるであろう。

健美家編集部

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資ニュース

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ