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所有者不明予備軍にも焦点、長期譲渡所得100万円特別控除制度の創設で地方経済も活性化!?

税金/税制改正 ニュース

2040年には北海道の同じ面積になると言われている所有者不明土地。不動産登記簿に所有者が明記されていなかったり、登記上の所有者に連絡がつかず、所有者を確知できない土地のことだ。

「所有者不明土地の利用にあたっては、所有者の特定に相当な時間・労力と費用を要する上、探索の結果所有者が判明しなかったときに、利用するための手続に時間がかかる場合やそもそも利用するための制度の対象とならない場合が存在する課題があった」(国土交通省ホームページより)。

所有者不明土地が発生する主な要因の一つに、相続登記の未了がある。また、相続人が判明している場合でも、共有によりで権利関係が複雑となっているケースも少なくない。

このため、所有者不明の土地を一定の条件で売却できるようにする法律が今年5月の参院本会議で成立。また、2018年6月に成立した法律では、現所有者不明の土地について、調査しても所有者が判明しなかったり、判明しても連絡が取れないものは、都道府県知事の判断で最長10年間の利用権を設定できるようにした。公園や道路といった公益目的に限って利用可能とするものだ。

その後、所有者が判明した場合は、所有者に返却等しなければならないが、了解を得られればそのまま利用権設定期間の延長もできる。自治体や民間による活用に向けて一歩を踏み出した形だ。

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ただ、所有者不明土地の予備軍は多く存在し、問題解決までの道のりは遠いのが実態である。特に地方では、相続を契機に売却を検討するものの、価格が低廉なため少額取引となり、税負担などのコストとの見合いで売却に至らずに放置されるケースも多くなっている。所有者不明になる前に、不動産市場に流通させるための政策支援が欠かせない。

業界団体の全日本不動産協会(原嶋和利理事長)は10月17日、衆議院第一議員会館で開催した「全日本不動産政策推進議員連盟」の総会で2019年度税制改正要望の一つに「低額物件に係る長期譲渡所得における特例措置の創設」を議題に上げた。

地方圏の物件流通を活性化させるために、低廉な物件などに限定した長期譲渡所得の100万円特別控除制度を要望する。旧長期譲渡所得に係る100万円特別控除制度は、2004年度の税制改正時に、長期譲渡所得税率の引き下げ(26%⇒20%)と同時に廃止されたが、同時に譲渡価額からの1000万円控除制度も廃止となった。

このため、一定の低額物件に関しては税率引き下げの効果がなく、むしろ負担増となるケースがあることから、売主が売却をためらう効果があったと指摘した。その影響は地方圏の小規模宅地の取引で大きい。

同協会が紹介する地方圏の売買不成立事例によると、埼玉県JR熊谷駅から5.5qの住宅街の一角で、物件の周辺や近隣環境について問題がないものの、地価が安く売主のマインドが動かなかったという。広さ128uで予想価格は405万円。仲介手数料・測量費などの予想経費約60万円に加え、予想税額65万円で手取りは280万円となるが、100万円控除が復活すれば約300万円と20万円アップするとしている。

下関市豊浦町ケースでは、面積274uで売却希望価格248万円の物件を査定した際、売却物件の一部に分筆測量費用が発生したことで、売主の手取りは140万円ほどにしかならない計算となった。売主が仲介手数料の支払いを拒んだため、仲介会社が契約を断念したという。

広島市佐伯区の住宅団地は、1984年ごろの分譲で市内からも離れており、高齢者が多く住んでいる。売りに出しても買い手が見つからない空き家が多いが、1981年以前の建物ではないため空き家の特別控除がなく、売主の手取りが少ないことから売りにも出されず放置されたままの物件も少なくない。100万円控除が復活すれば物件が動く可能性があると見ている。

今後の焦点の一つに所有者不明土地の予備軍防止対策がある。相続登記の義務化や土地所有権の放棄の仕組み、共有者の多い相続土地を一定条件で売却・活用できる方策などが検討されているが、予備軍を増やさないためには、売主にインセンティブを与える政策が鍵となりそうだ。買主に意欲があったとしても、売主が手放さないと取引は成立しない。

地方圏においても、不動産の取引需要はもちろんある。所有者不明土地を増やさず市場に流通させれば、不動産市場、ひいては地方経済の活性化にもつながっていくだろう。

健美家編集部

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