• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

4,483アクセス

激安の空き地投資を後押し?売却益から100万円控除 2020年度税制改正

税金/税制改正 ニュース

2020/01/15 配信

条件は保有5年超、売却価格500万円以下
狙いは「所有者不明土地」食い止め

政府・与党が、空き地の売却を促す制度改正に本腰を入れ始めた。2019年12月にまとめた20年度税制改正では、長らく使われていない空き地を売ったときは売却益から100万円を控除した上で税額を計算するようにし、税負担を軽くしたのだ。

政府は税負担を軽くすることで、空き地の売却を促す考えだ
政府は税負担を軽くすることで、空き地の売却を促す考えだ

政府・与党の狙いは、空き地が長い間、放置されて、いわゆる「所有者不明土地」になるのを防ぐことにある。税負担が軽くなることで空き地を売る機運が高まり、投資家は空き地を激安で手に入れるチャンスが増えるかもしれない。更地にして賃貸用の駐車場にするなど、新たな投資戦略を探ってみてもいいのではないだろうか。

まずは、税制改正の中身をみてみよう。現在は、5年を超えて保有している土地を売ったとき、売却益の20%の所得税と住民税がかかっている。税制改正では、「保有期間が5年を超える」「売却価格が500万円以下」といった条件を満たす「都市計画区域内にある低未利用土地」などについて、売却益から最大100万円を控除した上で課税するとした。ただし、「22年末まで」という期間制限があり、注意が必要となる。

主な狙いは、登記簿などをみてもすぐ所有者が分からなかったり、分かってもすぐに連絡がつかなかったりする、いわゆる所有者不明土地が増えるのを防ぐことにある。

所有者不明土地の問題は近年、たとえばリニア新幹線の工事を進めるときなどに浮き彫りとなった。所有者不明土地が点在しているため、残土を運ぶトラックの通路用土地を確保できないといった問題が表面化したのだ。

数百万円の空き地はキャッシュで買える
更地にして駐車場、資材置き場に

増田寛也元総務相ら民間の有識者でつくる研究会の試算によると、40年に所有者不明土地は、全国で約720万ヘクタールに達する可能性があるという。北海道(約780万ヘクタール)の約9割に上る広さだ。所有者不明土地が存在することによる経済の損失は、17〜40年で累計6兆円に達するという。

今回の税制改正は、税負担を軽くして空き地の売却を後押しし、所有者不明土地の増加を食い止める狙いがある。価格が低い空き地は、売っても不動産業者に払う手数料が高かったり税金がかさんだりするため、利益があまり出ない。なかなか売却されず、放置されるうち所有者が亡くなり、所有者不明土地がどんどん増える心配があるのだ。

「所有者不明土地問題研究会」の資料から
「所有者不明土地問題研究会」の資料から

不動産投資家は、こうした税制改正を踏まえて、どう対応するか、賢く戦略を練っていきたい。
100万円の控除は大きいので、空き地の売却に積極的になる地主が増えてもおかしくない。地主に空き地を売ってもらいたいときには、100万円の控除は有力な説得材料になるだろう。

とすれば、空き地への投資を戦略の一つに加えてもよさそうだ。激安≠フ空き地なら、キャッシュで買える人も少なくないはずだ。銀行から融資を引けず困っている投資家は、あえてキャッシュでの空き地投資に乗り出してはどうだろう。

具体的には、更地にして、駐車場や企業の資材置き場などとして貸し出すといったやり方が考えられる。場合によっては、戸建て住宅やアパートを建てたりして貸し出してもいいだろう。もちろん、綿密な市場調査は必要だが、有名な投資家の中には空き地へ投資している人もおり、手法を参考にしたい。

政府・与党「所有者不明土地」対策に本腰
投資戦略にいかせないかアンテナ張ろう

最近、政府・与党は、所有者不明土地対策に、かなり本気で取り組んでいる。今回の税制改正でも、たとえば、所有者不明土地の所有者に代わって、使用者から固定資産税をとれるようにした。

その土地に住んだりお店を運営したりしている人がいるにもかかわらず、所有者が分からないため固定資産税を課せないケースが多く、一種の「課税逃れ」となっていたのだ。ただし、使用者へ課税できるのは、市町村が戸籍などを通じて調査を尽くしたにもかかわらず、所有者が分からないケースに限られる。

このほか、相続登記が行われていない土地や建物に関して、相続人らが名前などを届け出ることを義務化するよう、自治体が条例で定められるようにもした。

制度改正のすべてが、すぐに不動産投資へ影響してくるわけではない。しかし、大きな政策の流れに着目し、自分の戦略にいかせないかアンテナを張り巡らせることは、優れた投資家になるため必要な要素のはずだ。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

ページの
トップへ