この10年、賃貸業界で増えてきたトラブルといえば、ゴミ屋敷問題だろう。高齢者だけでない、若い賃借人にも増えている。
ゴミ屋敷と侮るなかれ。「汚い」のレベルではないのだ。床からゴミ袋が何層にも積み上げられ、その高さが優に1メートルを超えることもある。
ひどい時には2部屋の天井まで、ゴミが積まれていたこともある。家具や冷蔵庫の扉が、ゴミが邪魔して開けられない、そんなことは普通に見受けられる光景。
だがここまでくると、ゴミから出た水分が床材を腐らせてしまうし、悪臭も染み込ませてしまう。このような場合の原状回復費用は、本来は当然に賃借人負担だが、払ってもらえるケースは稀であろう。家主にとって「ゴミ屋敷」は、死活問題に直結すると言っても過言ではない。
深刻な場合は、アパート建て替えの危機に直面する
具体的な事例を見ていこう。
ある50代のシングルマザーが滞納を始めたということで、明け渡しの依頼を受けた。現地に行ってみると、玄関ドア付近の共用部分にゴミが溢れていた。
ここがポイントなのだ。玄関付近に物が置いてある場合、まず部屋の中のゴミ屋敷化を疑った方がいい。高い確
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