全国の中年隊のみなさま、お疲れ様です! 除雪おじさんことイッセイです。ズッ友の皆さまに協力してもらって除雪のメンバーも80名揃い、毎日30名ほどと楽しく作業をしています。
最大で1日39名体制の大所帯ですが、加藤ひろゆき先生おススメの「 班長制度 」を導入したおかげで去年に比べてかなり時間的な自由度が上がり、自分のペースで生活が送れそうです。
80名ものメンバーとやりとりをしていると、中には不要な家を持てあまして困っている人にも出会います。その結果、古家を諸経費のみで譲り受けることになりました。決済は年明けになりますが家が一軒増えることになります。
年間で戸建て1~2軒とカメのようなスピードですが、土方仕事だけでなく不動産も買い続けていますwww
僕が買っているのは他の人が買わない物件なので激安な反面、商品化できなければただのお荷物です。
今回買うことになった物件も立地があまり良くない、駐車場がないなど、解決しなければいけない点も多いです。でも、建物自体は綺麗だし、傾きもなく、まだまだ使えそうです。市場に出して反応を見ながら貸し方を考えていこうと思っています。
僕は基本的に傾いた家には手を付けないのですが、「 平屋で建坪が10坪未満 」なら話は別です。小さければ比較的簡単に直すことができるからです。そんなわけで、以前、山小屋物件の傾きを直した話を書きたいと思います。
■ 傾いた山小屋物件をジャッキアップしよう
この物件は木造平屋建て、建坪6坪、8畳のリビングにロフト付という小さな建物です。はじめは直さずに畑の物置にでもしようかと思っていましたが、内装が豪華で倉庫にするのはもったいないので再生することにしました。
ただし、中に入るとめまいがするくらいに左斜め方向に3Dで傾いています。低い方へ歩くと加速していく感じなので推定で15cmくらい下がっていると思われました。大工の正人がレーザーレベルを当ててみると、写真の方向に23cmも下がっていましたw
外から見ても傾いているのがハッキリとわかりますw。この山小屋は布基礎がなく地中に打った木杭に土台を乗っけただけの簡単な構造だったので、持ち上げられさえすれば何とかなると思いました。
物件を確認後は大工の正人と重要な会議です。
議題は「 傾きの高いほうと低いほうどちらに合わせるか? 」。僕は建物を上げた後に木杭の長い個所を切ればいいと考えていましたが、正人はプロの立場から、悪い杭を抜き穴を掘って石で固めた上に新しい柱を入れないと何年かするとまた下がる可能性があると主張。
僕は何事も自分より詳しい人の意見に素直に従うようにしているので、正人の案でいくことにしました。やり方は決まったので次は道具の準備です。
一般的に木造住宅の重さは㎡あたり300㎏です。この山小屋の場合「 6坪=19.8㎡×300KGで5940KG 」。風呂や階段はなく、その分軽いので6tのジャッキが一つあれば十分そうです。
しかし、余裕をみて3tのジャッキを3つと、微調整用に車用の3tジャッキ1つの合計12t分のジャッキとウマ用のたくさんの角材を用意しました。( 正人が )
■ ジャッキアップの手順
道具の準備もそろったので天気の良い日を選んで工事開始です。
水道管や下水管などの配管を切ったあと、ジャッキで一番低い方から上げていき、角材を積んでウマを作り、家が下がらないようにしてから床下に潜って振れ止めの板を外し、次に杭と土台を固定している羽子板ボルトを外したあとで腐った杭を切ります。
床下が広くなって作業できるようになったので、新しい柱を入れるための基礎用に土を掘ります。
床下での作業は大変でしたが、プロの大工である正人に頼むと追加料金を払わないといけないという強迫観念から根性で頑張りましたwww
外周と床下に合計12カ所ほど穴を掘り、砕石を大きい順に入れ、タコと呼ばれる突き固める道具で突いた後にコンクリートの束石を入れて基礎にしました。
僕が穴を掘っている間に正人が新しい柱の長さを調節しながら切っていき、シロアリパンチを塗って準備しています。
シロアリパンチに強い屈強なカナヘビがへばりついてましたw。
新しい柱を立て、かすがいと羽子板で止めていきます。綺麗な柱が立ち草やごみを片付けたので床下がすっきりとしました。
ただ、このままでは上からの加重にしか耐えられないので、横揺れに強くなるよう、根がらみと筋交いをしていきます。
これで最初の基礎に比べてだいぶ強くなりました。建物の中に入っても床がほとんど水平になったのでめまいをするようなことはありません。次の写真は外観のビフォー・アフターです。
外観を見てもビフォーは歪んでいるのがわかります。アフターは角がカッチリとして強そうに見えます。これであと10年は安心して使うことができると思います。
前に遊び場として使っていた「 ちびビル 」を貸してしまったので、これからはこの山小屋を秘密基地として重要な会議に使おうと思っています。
BBQをしたり畑で作った芋で豪快にフライドポテトを揚げたり、薪ストーブで料理をしたり、まわりに誰もいないのでやりたい放題で楽しみたいと思いますwww
■ ジャッキアップは想像以上に危険で大変な作業
今回のジャッキアップ工事は一人でやるのがとても億劫で、のびのびになっていましたが、大工の正人に協力してもらったおかげで2日間、4人工に手元4人で終了しました。
この物件は周りに家が全く存在せず、自分しか使わない物件なので、ジャッキアップをやってみました。やってみて感じたことは、平屋の6坪という小さな小屋でも予想よりはるかに危険で大変な作業だということです。
プロの大工である正人と一緒に建物重量の2倍に耐えるジャッキを用意して挑みましたが、ジャッキを上げるたびに木材からギシギシと嫌な音が出ていました。僕だけでやっていたらビビッて途中で作業を中止したと思います。
複数のジャッキをバランスよく上げるのも難しいし、ジャッキの下をきちんと固めてから上げないと建物が上がらず、土にジャッキが沈んでしまい危険です。2階建ての住宅ではさらに重くて難易度も上がるし、布基礎が回っている家ではアンカーボルトを切断する作業も出てきます。
ジャッキアップは一般の素人がDIYでやる工事の範疇を超えています。アンカーボルトを切ってしまったら途中で投げ出すこともできません。住宅街にある物件などは、近隣に被害が及ぶ可能性もあります。
つまり、よい子はマネしてはいけません!!
無事に工事をやり終えても水平を取るのは素人には難しいので壮大な無駄骨になる可能性が高いです。基礎との緊結が十分でないと小さな地震にも耐えられない建物になる可能性もあります。
ジャッキアップ工事は外注すると非常に高価ですので、自分でやろうという怖いもの知らずの素人が出てくるのもしょうがないのかもしれませんが、躯体はプロに任せないとダメです。
「 じゃあ、どうすればいいの? 」という意見が出そうですが、解決策としては最初から大きく傾いた物件を買わなければいいのです。
もちろん安い物件は多少傾いていることもあります。ハッキリ言って、100万円以下の物件でビー玉を転がして「 水平じゃない! 」と騒いでもしようがありません。
僕の許容範囲は、内見時に沓摺や窓枠の下枠の高さで傾きが収まりそうな物件であることです。それなら開口部の加工をしなくても高さを調整して、上張りするだけで水平な床になります。
ここは重要なポイントなので古い家を買うときの基準に入れておいてください。
なんだか久しぶりに不動産関係のことを書いた気がしますwww。書いてみて自分で面白かったのでまたリフォームの話を書きたいと思います。
へばー