どうも、らいおんです。
古民家をあれこれしているリノベ屋です。
最近”リフォーム屋”というよりも”リノベ屋”と名乗る方がかっこいいかなぁと思っております。
何が違うのかよくわかりませんが。
多分思うに、リフォームというのは現状の形を残しつつ綺麗にしていくもので、リノベーションというのは間取りから一新してガラッとスタイルを変えることなんじゃないかと。
そう考えると、僕はなるべく古民家の古さを残していくスタイルなので、やはりリフォーム屋ということですな。
でも名乗りたい方を名乗ります。
そんなリノベ屋の僕が、古さを残しつつ新しい可能性を現在進行形で見出している、古民家旅館の話を今回もしていきたいと思います。
結構表で話されている方は少ないであろう
『一棟貸切の民泊事業ではどんなクレームが起きるのか?』
をテーマに綴っていこうと思います。
で、クレームっていうとなんかちょっと僕の旅館が苦情だらけって思われる気がするので、ニュアンスを変えて”困りごと”としますね。
ちなみに僕の旅館では大きな困りごと、トラブルは全くないです(今のところ)。
なぜ?というのも解説していくので、どうぞ参考にしてやって頂けるとうれしいです!
■どんな困りごとがあるのか?
そもそもこの話は僕の旅館で起きた事なので、どんな場所、状態、運用をしているのか?という前提条件を羅列します。
どこでも、どんな物件でも今回のお話が当てはまるわけではないと思うので。
・寂れた地方の古民家
・割と住宅地の密集した場所にある
・旅館業
・2階建の木造
・駐車場は敷地外にある
・町内会が存在する
・宿泊予約はAirbnbのみ
・月に〜7組のみ泊まれるよう開放している
・食事提供は無し
・自主管理(Airbnbのみで予約受付)
こんな感じ。
業態としては旅館業ですが、まぁ民泊だと思ってください。
家主も受付もいない完全無人の宿泊施設です。
そこで発生する困りごとには大きく分けて2つあります。
『宿泊者が宿泊する上での困りごと』と『近隣住民の生活に支障が出るような困りごと』
です。
前者はなんとなく想像がつくと思いますが、解説します。
■宿泊者からの困りごと
通常の流れで起こりうる困りごとって、要は【宿泊予約】→【チェックイン】→【滞在】→【チェックアウト】の中で起こる事なので、あらかじめ準備をしておけば大抵は問題ないはずである。
宿泊予約とか、支払いとかはAirbnbの素晴らしいシステムが全部なんとかしてくれるので、することないです。
※booking.comがちょっとトラブル起こしていましたが、あれはイレギュラー・・・。
で、チェックインまでの流れで困るといえば
・駐車場の有無、場所
・入室方法
ですが、これらは全部まとめて記載したインフォメーションみたいなものをPDFで送る事で解決すると思います。
ただ、字面だけでわかりにくいのは、館内案内の動画を作成してよりイメージしやすいようにしています。
やっぱり動画って良いですよ!
次に滞在中に困ることといえば
・Wi-Fi
・周辺の観光スポット、レジャー施設
この辺りかと思います。
設備の使い方は特に海外の方だとわかりづらいかもしれませんが、これも伝家の宝刀、動画で伝えるととてもわかりやすい。
やはり万国共通です。
スマホ一つで撮影からテロップ入れまで簡単にできますし、外注すれば今やフリーの動画クリエイターっていっぱいいるので、現地での撮影から編集までで数万円でやってくれると思います。
で、これらを全てAirbnbで予約が入ったらメッセージの中にリンクを記載して案内しています。
Airbnbってそもそも旅慣れしている方が多いので、自分で調べることができる人が多いと聞きます。
なので、これらを事前に準備しておけば、大抵はスムーズに宿泊してくれるんですよ!
Airbnb以外の宿泊サイトに掲載すると、事前にインフォメーションを渡しても読まずに電話で聞いてくるとか結構あるらしいですから・・・。
Wi-Fiのパスワードとか絶対に知りたい情報ですが、インフォメーションに記入しておくことで確実に解決できるので、インフォメーションですよ!インフォメーション!
周辺のおすすめ観光スポットとか、地元民しか知らないクセつよ飲食店とかも記載しておけば完璧。
それは僕まだ作ってないんですけどね。
チェックアウトの流れもチェックイン時とほぼ同じなので、チェックインさえきちんと案内しておけば問題無し!
なので、宿泊者からの困りごとって事前に準備をすれば確実に減らせます。
イレギュラーなことは除いて。
難しいのは”宿泊者以外からの困りごと”だと思います
■近隣住民の困りごと
色々な話をきくと、民泊の撤退理由で多いのが「近隣住民からのクレーム」だそうです。
その地に馴染めなかった、共存できなかったということですな。
(※民泊禁止のマンションでやっていたとかいうのは論外)
でも、考えてみれば固定の住人が住む賃貸と違って、見ず知らずの部外者が入れ替わり立ち替わりでその地にやってくるわけなので、そりゃあ近隣も不安なわけですよ。
そうなったらもう信頼してもらうより他ないと思っています。
僕も地域の皆さんに絶大の信頼を得ているわけじゃありませんが、多少は信用と期待はされていると思います・・・多少は・・・。
最初はやっぱり、よそからきたなんか怪しそうな兄ちゃん、みたいな感じでそりゃあ警戒されましたし、警察を呼ばれそうになったりしました・・・。
それがいまじゃ、雨が降っていて窓が開けっぱなしだと近所のおばちゃんから電話がきて「窓閉めといたわさ!危なかったねぇ!」とか、大量の牡蠣とかワカメを頂いたりとか、宿泊者におすすめのお店を教えてくださったりとか、仲良くして頂いております!
この地にお邪魔してから2年、心掛けたことは自分がされて嬉しいことをする。
それだけです。
なのでまず、この地にやってきた時は近隣の皆さんにお米を配って、こんにちはぁ!!って回りました。
自分が食べたいお米を買ったので、最悪、いらん!と言われても自分で食べられるからラッキーというつもりで回ったのですが、見事にめちゃ喜ばれました。
工事中も今どんな工事をしているのか?いつまで続くのか?を要所で説明、張り紙などをしました。
途中、工事車両が邪魔でザワザワさせてしまったり、切ってはいけない木を職人さんが切ってしまいあわや警察沙汰になりそうだったりしましたが、その度に逆に仲良くなるチャンスと捉えて、ピンポン押して謝るついでにシリコンスプレーでサッシの動きを良くしまくって感謝される、というファインプレーもしました。
それからです。
『シリコンスプレーはサッシだけじゃなく、人間関係も潤滑にしてくれるんですよ』という鉄板ネタができたのも。
あとは町内会に入る。
これはマストだと思います。
義務がないとか言い張って拒絶する方もいますが、郷に入っては郷に従え、は普遍的だと思います。
我を通しても周りを巻き込むほどの実力と影響力と発想力があれば突っぱねれば良いと思いますが、僕はその地に積み上がった文化を壊そうとは思わないので従う派です。
それに理不尽な爺さんがいても良いじゃない。
世の爺さん全員が聖人みたいな人やったらつまらないですよ。
競艇でワンカップ持って「差せぇぇ!!」って言ってる汚い爺さん、僕は好きです。
文化ですから。
話が逸れましたが町内会に入って、参加できる時は町の事業に参加するとなお良いと思います。
去年も参加しましたがこれが楽しくて。
ほいで町の爺さん婆さんがめっちゃ話しかけてくれるんですよ。
なので、酒を持って行って皆んなで子供太鼓演技を見ながら飲んでました。
酒は良い。
これもシリコンスプレーみたいなものですな。
今年は僕の友人のキッチンカー屋さんを呼んで町内会限定のマルシェをしてもらおうと思っています。
爺さん婆さん喜ぶでぇ・・・!!
・・っていう感じです。
結論:宿泊者には事前のインフォメーションの準備を。そして自分も町の住民の一部である事を忘れない。
儲かるっていう理由だけで町を消費しようとしないことが大事なんじゃないかなぁと思います。
再現性は一切ありませんが、何かの参考になれば嬉しいです。