前回、ジャーナリストの河合雅司氏は、人口動態の変遷を踏まえて、高齢者にやさしい街づくりに向けての街のスマート化が重要だと訴えたほか、個々の居住者にあった住まいの選択肢が少ないとして社会資本としての住宅づくりでいくつかの課題を指摘した。今回は、住まいの過剰供給に伴い深刻化した空き家問題に焦点を当てて聞いた。
――総務省のデータで明らかとなった全国820万戸に上る空き家が社会問題となっていますが、足もとでは既に1000万戸を超えているとの指摘は少なくありません。
「空き家の増加は止むを得ないでしょう。供給過剰な上に人の寿命よりも建物の寿命が長い住宅が多くなっています。空き家の増加を加速させているのが、土地や建物に対する考え方の変化です。家族構成が昔と違ってきています」
「マンション一つをとっても1人暮らしの高齢者には3LDKでは広すぎます。2LDKですら広いという人もいます。贅沢に広いということではなく、むしろ広さが負担になっているということです。
これまでのマンションは、専有面積が広いのが一つの価
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