「神戸三宮雲井通5丁目」の再開発が
権利変換計画の認可を受け、大きく前進
以前取り上げた、神戸三宮駅前の大規模開発「神戸三宮雲井通5丁目地区第一種市街地再開発事業」が権利変換計画の認可を受け、その計画内容がより明白になった。
事業コンセプトは「神戸を世界とつなぐ、未来へつなぐ、次世代の都心創造プロジェクト」。バスターミナルと公益・商業・業務・宿泊機能からなる複合施設の整備によって、神戸のさらなる国際化と成長の牽引を目指した街づくりを行うという。
今回のリリース情報では当初の予定通り、神戸初のラグジュアリーブティックホテル「EVOL HOTEL KOBE」が入ること以外に、事業成功のカギを握る交通結節機能についても発表があった。
本事業の命運を握る
周辺交通結節機能の強化
現在、三宮駅周辺の中・長距離バス乗降場は6カ所に分散されており、利便性や交通弱者への配慮が不十分となっている。また一部の交差点にバスが集中し、慢性的な渋滞も発生。バスターミナルの整備は長年の課題とされていた。
この事業では分散する乗降場を新施設の低層部に集約し、西日本最大級の1つのバスターミナルとして整備を進めるという。
低層部の構成は、1階にバス乗降場、2階にチケット売り場と待合空間、そして3階に待合空間と店舗などを設けることが予定されている。2階、3階にわたって広く設けられるバス待合空間は、間仕切りを多用することなく、開放的でくつろぎやすい空間となる計画だ。
バスの停留場所となるバース数は、乗降用に5バースと待機用に4バースを予定し、将来的には1日1,700便の発着を見込んでいる。
また、再開発ビルからJR三ノ宮駅周辺の歩行者デッキとの間に、新たな歩行者デッキを設け、駅と建物を2階で接続する。これにより歩行者の往来を安全かつ、よりスムーズに。それだけでなく、地下2階には車寄せやカーシェアリング機能などを複合した集約型公共交通ターミナルを整備し、利用者の利便性向上を図る。
約4年後の竣工に向けた
今後の発表にも期待
新施設には、新バスターミナルのほか、大ホールや多目的スペースなどの神戸市のホール機能を始め、図書館なども設置。災害時にはホール等で帰宅困難者の一時受け入れや、バスターミナルでの代替輸送を行うなど、防災拠点として活用することも計画されている。
竣工まで残すところ約4年となったこの再開発事業。周辺住民の高まる期待に応えられるか、これからも随時更新される情報に注目だ。
健美家編集部