福岡県中部における交通の要衝
福岡県で鉄道事業その他を展開する西日本鉄道は、西鉄久留米駅について大規模リニューアルを進めている。今春からリニューアル店舗の一部がオープンしていく予定。
西鉄久留米駅ビルは1969年3月に開業した建物だ。2024年には築55年を迎えることになる。
売場面積は14,521㎡で、2024年2月時点の店舗数は28店舗。4フロアに渡って店舗が展開されている。
バスセンターと電車駅が併設されている西鉄久留米駅は、福岡県中部における交通拠点として多くの人に利用されている駅だ。
西鉄久留米駅の1日平均利用者数は、2022年の統計で28,355人と福岡県内の駅としては多い方に入る。
ちなみに、首都圏の駅と比較すると、神奈川県の小田原駅と同じくらいだ。
リニューアルの詳細
リニューアルの目的は大きく分けて2つあり、1つは商業施設のリニューアルと併せて耐震補強を進めることで建物の安全性を確保するというもの。
2つ目は、駅やバスセンターの利便性を向上させ、更なる街の活性化や賑わい創出に貢献するというものだ。
ちなみに、駅ビルとは別に、西鉄久留米駅の駅舎については2019年から耐震補強工事が行われている。
駅ビルの1階にある「にしてつストア久留米タミー店」は2022年12月から仮設店舗営業を行っていたが、食品中心のスーパーマーケットにリニューアルされた。
※引用:西日本鉄道
リニューアルに伴って名称も変更されており「レガネット久留米タミー」として2024年3月22日にオープンしている。
レガネット久留米タミーの入口付近には、スーパーと相性のよい食物販、総菜店舗区画が新設されて、2024年9月にオープンする予定。
なお、物販エリアとは別に設けられている「バスセンターエリア」もリニューアルの対象であり、全部で17店舗が入る。
一部店舗は2023年の秋から既に営業を開始しており、今年の4月から5月にかけて新たに4店舗、9月には3店舗の飲食店がオープンする予定だ。
※引用:西日本鉄道
なお、西鉄久留米駅は電車の駅にバスセンターが併設されており、駅ビルはバスセンター直結となっている。バス案内所もリニューアルされており、2023年12月にオープン済だ。
2階はドラッグストアや眼鏡店などの並ぶ専門店街が南側にあり、北側は「味のタウン」という飲食店街でバラバラに飲食店テナントが入っていた。
リニューアルによって、飲食店街の中にフードコートが新設される。フードコートの席数は194席で、4月以降新たに4つの店舗が出店する予定。
※引用:西日本鉄道
フードコート内には電車・バスの運行状況を示す電光案内板が設置され、待合スペースとしても機能するようになる。
また、2階は電車の久留米駅と直結になっており、定期券販売所や観光案内所などが2023年夏から順次移設・リニューアルオープンしている。
全部で4フロアあるうち、3階と4階はリニューアルの対象外だ。ちなみに、3階には雑貨店やコンタクトレンズ店、4階には書店がそれぞれ入っている。
なお、駅ビルのリニューアルと並行して2022年9月から始まっていた耐震補強工事が3月に完了した。
近年都心部への企業進出が目立つ福岡県内で、西鉄久留米駅周辺が存在感を持ったエリアとなるか、今後の推移に注目していきたい。
取材・文:
(はたそうへい)