新潟駅の駅ビル「CoCoLo新潟」の4月グランドオープンに合わせて、新潟駅周辺では再整備が急ピッチで進んでいる。
特に、鉄道を挟んだ万代口と南口がつながり、両方にあったバスターミナルが駅直下に直結となることで、乗り換え利便性が大きく向上する。
生まれ変わる新潟駅の様子と駅周辺の再整備の状況をまとめた。
■ 新潟駅駅ビル「CoCoLo新潟」が4月にグランドオープン
新潟駅の駅ビル「CoCoLo新潟」が、いよいよ4月にグランドオープンする。
地上2階、一部3階の建物であるが、店舗面積は延べ26,500㎡におよび、生鮮、惣菜、飲食店、ファッションなど、多様性に富んだ約170店舗が勢ぞろいする。
生鮮、惣菜は、地元新潟のソウルフードやスーパーが多いが、全国チェーンの県内初出店も多い。
地元新潟の店舗で注目なのは、ニイガタバル★麺横丁だ。新潟は世帯当たりラーメン消費量全国2位でラーメン文化が根強い。横丁スタイルの居酒屋と軒を連ねる地元の人気ラーメン店に注目したい。
惣菜、食料品の店舗では、なんといっても、日本海側初出店となる成城石井に注目が集まっている。成城石井は、3月21日に先行オープンし、大変なにぎわいとなっている。
その他、ファッション、雑貨の店舗でも、東京から新潟に初進出する店舗が多い。テナント数でも、亀田地区にあるイオンモール新潟南を超え、新潟の大型商業施設としては最大となる。名実ともに、新潟の商業の中心地、発信地となるだろう。
■ 駅前広場整備でつながる万代口と南口。バスターミナルが駅直結に
新潟駅駅ビルのオープンに合わせ、駅周辺の整備も着々と進んでいる。特に、万代口の広場が整備され、南口とつながったことによって、利便性が大きく向上する。
今まで、バスターミナルは新潟駅の南北に分かれており、JRからそれぞれのバス路線に乗り換えるには、駅を挟んだいずれかの出口を出て発着所まで外を歩かなければならなかった。
しかし、新バスターミナルは、鉄道駅直下となり、すべての路線が新潟駅の1階に集約される。一年を通じて天候のすぐれない日の多い新潟の街で、屋根のある空間で乗り換えができるというのは、利用客にとってはこの上なくありがたいことだ。
このように、交通結節点としての機能が新潟駅に集約され、新潟駅の駅ビルも新潟随一の施設規模になることで、新潟駅はかつてない賑わいになると予想される。
新しいバスターミナルは、駅ビル「CoCoLo新潟」のグランドオープンに先駆けて3月31日に開業した。本記事の取材をしたのは開業一週間前だが、すでに南北の直結通路はつながっており、バスの発着場が出来上がっていた。
2階の鉄道駅にはエスカレーターおよびエレベーターで昇降することができるようになっていた。新宿バスタのように、バスターミナルごとビルになっているわけではないが、鉄道駅との一体性は十分であると感じた。
■ 新潟駅南口の再開発状況
新潟駅南口は、一足早く2009年に広場整備が完了している。
新潟駅周辺の整備事業は、2005年に都市計画が決定された。計画では、鉄道を挟んだ南北市街地の一体化と安全かつ円滑な交通の確保が目標として掲げられた。
その核に据えられたのが、2006年に始まった新潟駅の連続立体化交差事業と、駅前広場の整備だ。駅前広場の整備は、鉄道とバスなどの交通を連結させ、乗り換えの利便性を高めるために、駅直下バスターミナルの整備と併せて計画された。
つまり、元々、駅南口の広場整備も、3月末に開業した新バスターミナルの整備を見据えてなされたものである。そのため、駅直下のバスターミナルにバスをスムーズに誘導できるようになっている。
2010年には、南口第二地区再開発事業として、西側の連絡通路で駅と接続する、約7,000㎡のエリアに地上31階および11階、7階の3つの大規模複合ビルLEXN(レクスン)1、2、Bが竣工した。
さらに、その裏手の南口西地区では、現在、新潟都心地域優良建築物等整備事業として、約6,000㎡のエリアに、地上32階および10階、8階の3棟の複合ビルが建設中だ。最も高いビルは、高さ100メートル級のタワーマンションとなる予定である。2025年の竣工を目指している。
新潟駅の周辺は、駅ビル「CoCoLo新潟」のグランドオープン、新バスターミナルの開設とともに一変し、賑わいを取り戻すことが予想される。それに合わせた再開発のゆくえにも注目したい。