新しい駅に直結する複合施設
有限会社新水は、神奈川県に位置する東急新綱島駅に直結する「新水ビル」の中にある商業施設「SHINSUI(しんすい)」を2024年3月15日にオープンした。
有限会社新水は神奈川県横浜市で小売業などを営んでいる会社だ。非上場企業だが会社の設立は1949年で、歴史のある会社と言えるだろう。
新水ビルは新綱島駅の整備に伴う区画整理事業の一区画として計画された、商業・シニア向け住宅等による複合施設だ。
地下にある東急新横浜線の新綱島駅に直結している。また、2028年には土地区画整理事業の一部である立体横断歩道橋が整備される予定。
歩道橋が整備されれば、従来からある綱島駅とスムーズな行き来ができるようになる。
新商業施設のコンセプトは「好きなお店が1つ増えるだけで、この街に住みたい理由も1つ増えるから。」というもの。
ビル全体の規模は地上12階・地下1階建て、敷地面積は2,054㎡で延床面積は13,291.03㎡となっている。
商業施設はビルの1階~3階で主なテナントは以下の通り。
- フレッシュネスバーガー
- 無印良品
- カルディコーヒーファーム
- オンデーズ
- TSUTAYA BOOK STORE
- スターバックス
- サーティーワン アイスクリーム
- ナチュラルローソン
4階から上のフロアは「グランクレール綱島」というシニア向け住宅になる。
綱島駅の西口には商店街が形成されているが、東口側にはこれまで目立った商業施設などがなかった。
新商業施設が東口側の利便性向上に寄与することを期待したいところだ。
綱島駅・新綱島駅の周辺で進む土地区画整理事業
綱島駅と新綱島駅の周辺エリアでは、横浜市による「新綱島駅周辺地区土地区画整理事業」が進んでいる。
新綱島駅は東急の約20年ぶりとなる新駅で、2023年3月に開業した。綱島駅と新綱島駅を合わせた1日の乗降客数予測は10万人以上だ。
土地区画整理事業は新駅の開業に合わせて計画されたものであり、横浜市の事業計画書によると約1,200人の人口を集めることが目標とされている。
対象エリアのもとの人口は約70人ということなので、土地区画整理事業が完了すれば、駅の周辺エリアでは大幅に人口が増える見込みだ。
計画ではエリアを2つに分けて事業は進み、第1工区の広さは約0.6ヘクタールで、第2工区の広さは約2.1ヘクタール。
工区は綱島駅の東側にある綱島街道から新綱島駅側に広がっており、地下に位置している新綱島駅の上を含む形になっている。
※引用:横浜市
土地区画整理事業には新綱島駅側の再開発事業が含まれており、再開発建物は2023年の秋に竣工した。
なお、再開発事業については、過去にこちらの記事でも紹介している。
東急新横浜線の新駅「新綱島」に名称決定、再開発も進み街の賑わい増大へ
混同するかもしれないが、この記事で紹介している新水ビルは上記の再開発建物とは別のプロジェクトだ。
土地区画整理事業の内容としては、再開発建物を建設するほかに広場と道路の整備を進めるものになっており、今後は駅周辺の道路整備が進められる予定。
2024年度に道路工事が進められ、その後電線の地下化や電柱の撤去工事などが行われる。土地区画整理事業の完了予定は、詳細時期精査中となっているが、2025年度以降の見込みだ。
綱島エリアの都市開発は少しずつ形となって表れてきており、周辺エリアにおける今後の賑わいに期待がかかる。
取材・文:
(はたそうへい)