東京駅周辺最大規模の複合再開発
TOKYO TORCH街区のシンボルが着工
三菱地所株式会社による大規模複合再開発、東京駅日本橋口前「TOKYO TORCH」街区の中で、日本一の高さとなる「Torch Tower(以下トーチタワー)」が2023年9月27日に着工。現場の様子とこれからをレポートする。
東京駅日本橋口駅前のTOKYO TORCH街区は、東京駅周辺で最大となる敷地面積約3.1haに及ぶ大規模複合再開発だが、八重洲・丸の内に比べて、日本橋口があまり知られていないのではないだろか。
東京駅の北東に位置し、JRだと新幹線からは直接の日本橋口改札がある(8:30~19:30)が、在来線の場合は八重洲北口から3分ほど歩くことになる。
JRハイウェイバスやエアポートリムジンバス、東京メトロ東西線への乗り換えには便利。ホテルメトロポリタン丸の内がすぐ隣で直結している。この東京駅日本橋口前に広がるのが「TOKYO TORCH街区」である。
2021年6 月末に「常盤橋タワー」、2022年3月末に「銭瓶町ビルディング」がすでに竣工しており、今回着工した「トーチタワー」、「変電所 棟」及び街区中央に広がる約7,000m²の大規模広場「TOKYO TORCH Park」の竣工は2028年3月末が予定されている。Torch Tower は、完成時に約390mで日本一の高さとなる街区のシンボルと言える。
空中に、街区に広がる
トーチタワーの中身は
基準階約2,000坪の超高層オフィス、大規模商業機能に加えて、展望施設、ウルトララグジュアリーホテル「ドーチェスター・コレクション(Dorchester Collection)」、住宅、2,000席級のホール機能を備える。街区中央には約7,000㎡の大規模広場「TOKYO TORCH Park」があり、Torch Tower の低層部に張り巡らされた空中散歩道と、そこに連なる屋上庭園 からなる緑豊かな屋外空間とがシームレスに繋がるという構想だ。
東京駅前から未来を灯すシンボルに
日本各地の地域と連携やサステイナブルな取り組み
TOKYO TORCHとして「これからの未来を担うために、人、街、地 球環境のサステナビリティに関わる未来志向の各種施策に取り組む」という姿勢で、これまで5つの環境認証を取得済みだが、さらにトーチタワーでは2つの国際的な環境性能評価システムを取得。
一つは、米国グリー ンビルディング協会(USGBC®)が運営する「LEED®(Leadership in Energy & Environmental Design)認証」の新築を対象とした「LEED BD+C(CS,Core & Shell)」において、ゴールドランクの予 備認証。
また事務所用途において、人々の健康やウェルネスに着目した国際WELL ビルディング協会(IWBI)が運営する「WELL Building Standard™(WELL認証)」の予備認証を取得しており、竣工後はゴールド認証を取得する見込みだという。
TOKYO TORCHでは、一部先行して整備した約7,000㎡の大規模広場「TOKYO TORCH Park」を活用し、日 本全国の地域と連携。2021年9月よりTOKYO TORCH Marketを開催している。
工事用フェンスにも、「日本を明るく元気にする街」として日本全国1741すべての自治体の風景を撮影している写真家の仁科勝介氏による「ふるさと手帖(KADOKAWA)」から抜粋された47枚の暖簾が飾られていた。
静かに始動している東京駅日本橋口前のTOKYO TORCHのプロジェクトビジョンは「日本を明るく、元気にする」。トーチタワーのコンセプトは「~想いを繋ぎ、未来を灯すまち~Weaving dreams , Illuminating the future」で、「日本・ 東京の未来を明るく灯すような存在でありたい」という三菱地所の気概がこめられている。5年後を楽しみにしたい。
執筆:
(おのあむすでんみちこ)