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機能から考えるDIYで賃貸住宅を快適に

赤尾宣幸さん_画像 赤尾宣幸さん 第29話

2020/10/31 掲載

田舎に移住した知人がいる。景色も空気も良く、のんびりとした生活には満足している。しかし、肝心な住まいが悩みの種という。

賃貸で住んでいる戸建てがジメジメして、カビ臭く、冬は寒く夏は暑いという。大家に改善をお願いしたが、カビが生えた押し入れにベニヤ板を張っただけで終わりだったという。

きちんとした住宅を貸すのが大家の仕事。そう考えている私には考えもつかない話だが、ご当地ではそういう事例が多く、他にも同じような悩みを持つ移住者は多いという。競争のない田舎の大家は楽なのかもしれない。

大家が対応してくれないならば、DIY体験会を通じて、一緒に改善方法を考えようという事になった。賃貸なので原状回復を視野に入れ、「 機能から考えたDIY体験会」 を行った。

今回の問題点は、湿気と、寒さと、暑さだ。

改善するには、「 なぜそうなっているのか。じゃあどうすればいいのか 」という事を機能から考える。次にどこまでやるかを考える。そして費用対効果を考えた上で実施する。DIYなので、ダメならやり直せばいいと考える。

湿気を改善するには、水分を減らして風通しを良くすればいい。そのためには排水改善、空気の流れを阻害するものを撤去という事になる。また、寒さは断熱材を入れ、隙間風を減らせばいい。

そこで今回は
・雨水の排水改善
・床下の通気改善
・床の断熱化
・網戸取り付け
を行うこととした。

■ DIYの手順と成果

事前調査で、@山側の雨水が床下に流入、A雨トイの雨水が床下に流入、B改築時に張ったトタン板で床下の通気がふさがれている事を確認した。

そこで、排水確保のために簡易な排水路を設置し、床下に空気が入るようにトタン板の下部をめくっておいた。この日はそれがうまくいっていることを確認した。



追加で雨水がうまく排水できるように建物から離れたところに穴を掘って「 桝 」を設置し、雨トイの水が桝に流れるようにした。これで、床下の湿気は改善されるはずだ。

退去時に原状回復を求められれば土を埋め戻せばいい。一番いいのは建物の周辺に排水路をしっかり掘ることだが、コストがかかるし、原状回復の問題も残る。今回は機能と費用対効果を考えてのDIYだ。



断熱化は、予算の都合で寝室の床だけとした。既存床は合板1枚で、断熱効果はほぼない。そこで、床に断熱材となるスタイロフォームを敷いて、その上に合板を2枚重ねた。スタイロフォームと、下の合板と、上の合板は長手方向の向きを変えて継ぎ目をずらした。

合板2枚をねじ留めして動かないようにした。床に穴を開けなくて済むし、退去時はねじを外せば撤去できる。容易に原状回復ができるし、使った材料は転用も可能だ。冬は氷の上に寝ているようなものだったのが、これで畳の上で寝るような温かさになるだろう。

暑さ対策の網戸は、掃き出し窓にワンバイ材で作成。制作費の削減を図り、原状回復が可能なものとした。網戸は動かせないが、引き戸はちゃんと閉めることができ、鍵も掛けられる構造とした。

製作費は千円足らずだ。掃き出し窓からの換気が取れるようになり、ずいぶん涼しくなったという。

■ 移住者向けの貸家をDIYして転貸というアイディア

参加者によると、移住者は住まいに悩みを持っていることが多いという。しかし、多くは賃貸住宅なので、勝手にリフォームはできない。また、非常に安い賃料なので大家も改善には消極的という。

であれば、そのような家主から戸建てをDIY実施と転貸を前提に激安で借りて、それをDIYで楽しみながらリフォームし、転貸する。そういう「 転貸ビジネス 」もアリなのかもしれない。

きちんとした住宅は長期入居が見込まれる。ファミリーであれば、20年くらい引っ越さないかもしれない。これだと、初期投資額は少ないし、契約終了で出口もとれる。融資が引きづらい人も転貸だが大家になれる。そして、地域にも貢献できる。

DIY体験会は地域おこしに関連したビジネスとしても面白いかもしれない。具体的には @空き家見学会→A住みたい家を選定→BDIY体験会でリフォーム→C移住 という流れだ。

空き家見学会でいくつかの物件を見て回る。この物件はここがいいけど、ここに問題がある。そしてその解決にはこんなことが必要で、どれくらいのコストがかかるのか、どこまでDIYで直せるのかをレクチャーする。

そして、希望に合う物件を選定。DIY体験会で助っ人を集め、機能から考えてDIYをする。DIYなので、うまくいかなかったらやり直せばいい。そう割り切れば、安いコストで快適な住まいに仕上げることができる。自分の理想の住まいになるにちがいない。そして、希望に合う物件を選定。

一方、地域としては、空き家の活用ができるし、移住となれば人口も増える。体験会に来た人が飲食や宿泊を通じて地域への経済的効果も期待できる。体験会前後に観光などをしてもらえばさらに経済効果は高まる。

そんな流れができれば、継続性のある 「 地域おこ し」 にも繋がるのではないだろうか。

【追記】作業内容の一部はこちらのブログにもアップいただいた。ご参考まで。

・賃貸物件でも!女性でも!できるDIYを体験してきました!
NPO法人四万十市への移住を支援する会のブログ

・DIYで 住まいの困りごとを解決しました
四万十地域おこし協力隊

プロフィール

■ 赤尾宣幸(あかおのぶゆき)さん

akaosan

福岡県宗像市在住
ブログ:DIYで不動産経営

< FBにて以下のグループを主宰 >
DIYを楽しむ会
不動産イベント倶楽部
居酒屋セミナー
高齢者向きアパートの会
DIYを楽しむ大家の会

■経歴

□1960年
福岡生まれ

□1978年
日本国有鉄道入社

□1980年
中央鉄道学園大学課程入学

□1983年
中央鉄道学園大学課程土木科卒業

□1993年
自己所有マンションを賃貸にして賃貸経営開始

□1996年
キリン・ドラフトマスター取得

□1997年
日本初の複数のテナントが入るフードコート「小倉食堂」を立ち上げ

□2002年
妻の夢実現のためにデイサービスを立ち上げる

□2003年
西日本旅客鉄道退社

□2007年
介護タクシー開業

□2009年
高齢者向きアパート開業

□2011年
九州経済産業局 専門家登録

□2018年
自身の夢である「高齢者向きアパートの普及で一人でも多くの人が幸せを感じてもらうこと」に向けて執筆やセミナー等を行っている

■ 著書


実録競売マンション経営出版(鳥影社)

(ペンネーム山田一)


「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


DIY賃貸セルフリフォーム&リノベでファン・ファン・ファン (セルバ出版)


改訂版「小規模介護事業」の経営がわかる本 (セルバ出版)


介護で苦しまない! クスリフリーとバリアありーを考える (セルバ出版)


これでばっちり!マンションDIY・リフォームを楽しもう (セルバ出版)


多世代居住で利回り30%!高齢者向きアパート経営法 (セルバ出版)

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