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区分物件を買う前に私が使っている自作シミュレーター。区分物件のパラメータ一覧

芦沢晃さん_画像 芦沢晃さん 第25話 著者のプロフィールを見る

2022/1/16 掲載

■ 区分物件特化の専用シミュレーターを自分自身で作成してみましょう

どんな相場であろうとも、不動産投資のメリットは、個別事情により必ず、相対取引で相場より安い有利な価格で購入できる物件に巡り会えることです。それには、まずは「 数字 」で判断することが大切だと思います。

初心者の方に多い残念な例に、「 区分マンションは簡単に買えて入門者向け 」と言われるがままに、「 累積手残家賃+売値 」をトータルしても、ご自身の人生全期間でプラスにならない投資(?)をしてしまうことがあります。

この失敗を防ぐ方法は、「 誰か 」を信じたり、頼ったりする前に、ご自身で考えながらシミュレーターを作って、興味を持った物件を片っ端から入力してみることです。購入疑似体験として、「 数字 」を判断してみるのです。

言い換えると、パイロットが訓練で実際のフライトの前にシミュレーターに乗るのと同じですね。
いきなり本番で墜落してしまったら、ダメージが大きすぎます!

都市部にお住まいなら、ご自宅がマンションという読者も多いと思いますので、自宅マンションの他室とか、ご近所のマンションとかを題材に計算してみると、リアル感が増して自分の課題と実感すると思います!

■ 区分物件はボラティリティ( 毎年の収益バラつき )が小さいので長期計算しやすい

区分マンションは毎月、管理費・積立修繕金を支払うため、空室時でも出費が続き、毎年の収支を圧迫します。

一方で、建物全体の管理組合に積立てられた管理費・積立修繕金で建物全体を維持管理するので、区分専有部の家主にRC建物の特徴である高額の共用部修繕費用( エレベータ、受変電設備、給排水ポンプ、機械駐車場、屋上防水、廊下防水・鉄部塗装、消防設備、放送通信インフラ設備修理、防犯設備、オートロック保守、宅配BOX保守等 )が個別の大家さんに突発的に発生することがありません。

つまり、毎年定額の費用が出費( 積立 )されるため、突発的な高額の修繕費の発生リスクが小さく、将来の収支を予想しやすいわけです。投資用語でいえばボラティリティー( バラつき )が小さいということです。その点では、区分物件の収益シミュレーションはシンプルで入門者向けです。

( たぶん、ベテラン大家さんはマイソクを見ただけで、計算などせずとも、一瞬で収益がイメージできるほど、先が読めてしまうでしょう!)

ただし、木造や鉄骨アパートに比べると、鉄筋コンクリートの物件は躯体の建物だけでなく、エレベータをはじめとした膨大な設備がテンコ盛りにされているため、莫大な維持費がかかります。しかも、その維持管理の意思決定は管理組合の合議性でしか決定できません。

この組合が大事なわけですが、熱心な方がいらっしゃる場合もあれば、機能不全の場合もあって、物件によって玉石混合な状態です。自分の物件がスラム化するのを望む人はいないので、多くの場合は、複数のオーナーの目で管理され、ほどほどに維持されることがほとんどです。

更に、管理費・積立修繕金を使って施工される、これら建物共用部修繕は、建物管理会社が管理組合から元受施工管理しますから、必然的に多重下請構造となります。

その間で利益が取られますので、例えば、一棟物件大家さんがご自身で施工管理して工事業者へ直接注文する場合に比べて、工事費が3〜5割程度も割高になるケースが多いです。

更に悪い例としては、肝心要の建物維持修繕よりも、過剰な設備新設( 必ずしも必要ない )の方が優先されるなどして、管理組合の積立金が管理会社の商売上の優先順位で使われていってしまう事例もあります。

( 例えば、屋上防水や給排水管が痛んでいて本来ならそちらを優先すべきなのに、壊れてもいないオートロックを最新のクラウド方式へ入れ替えるためになけなしの積立金を使ってしまい、下請け設備業者と利益を分け合う等… )

その話はまた別の機会に譲るとして、次からのシミュレーションは、区分物件独自の得失の両方を理解したうえで臨んでみてください。

■ 区分物件のパラメータ一覧

図1は区分マンション物件へ投資する場合に重要なパラメータ一覧です。これをエクセルの1シート目に入力すれば、自動的に計算結果が出るように、別シート間でマクロを組むと良いです。


図1:シミュレーターへ入力するパラメータ一覧

これらのパラメータは私が26年間、区分マンション物件を賃貸運営してきた経験からの平均値を入れてあります。

●家賃低下率、稼働率

都市部の単身者用マンションを想定していますので、いわゆる物件価格に見合う積算価値が出る土地付き一棟物件の場合よりも、かなり良い値です。

半面、区分所有で自由裁量が効く土地が付いていない分、担保価値が無いので、収益還元価値は高く、そのため、家賃が下がりにくく、稼働率も高いわけです。

この値を大家さんの運営力でアップする際も、そのスキルと労力は、積算と収益還元が同程度の一棟物件のそれよりも遥かに低くても、その効果が大きいです。この当たりも区分物件は入門者向けといわれる所以だと思います。

●礼金

ゼロと覚悟しておくべきです。
都心城東方面は非常に賃貸需要が高いのでまだまだ礼金が取れる物件が多いと感じます。半面、地震、洪水等の災害リスクが高くなります。

●融資条件

融資を使われる方は、その条件をパラメータ入力します。
この部分は別途独立した返済シートをエクセル関数で作成して、マクロを組みます。

融資額、金利、融資期間を色々と変えて検討し、物件単体で事業として毎年収益が上がるようにしましょう。客観的目線では、読者ご自身が作ったシミュレータで計算する収益パフォーマンスの会社の株に投資したいか?という観点で計算結果を見てみると良いと思います。

毎年赤字ばかり続く会社には、当然投資しないですね!

●管理費、積立修繕金

前述のとおり、区分物件独特の毎月支出で、空室時も発生してゆきます。一方では、高額のRC建物大規模修繕に伴う、突発的な大家負担支出をこれによって防止でき、将来かかる維持費を先読みしやすくなります。

半面、超長期では漸増すると考えておくべきです。購入時は最高でも家賃の30%以下の物件を選びましょう。それ以上の割合の管理費積立金の物件は将来、維持費負けするリスクが大きいです。

半面、毎月の積立修繕金が安い物件は、管理組合の積立残高不足リスクがあります。この点は総戸数が多い物件が有利です。この点は別途、パラメータを入力して計算するようにします。

●専有部管理費

自主管理の場合はゼロ。専有部管理会社を付ける場合はその金額。区分物件は建物管理会社があるので、共同住宅故の、騒音、ゴミ出し、共用部マナー苦情、インフラトラブル( TV、ネット、水道、電気等 )、漏水等の緊急連絡は、そちらへ入ることがほとんどです。

そこで1次フィルタがかかって、未解決案件だけが専有部管理会社又は、大家へ入ってきます。
従って自主管理の場合も大家へ直接、入居者からクレーム電話が入ることは稀です。可能であれば、1室目は自主管理を経験して色々と勉強するのが有益です。

●登記費用、損害保険

購入時の初期費です。登記費用は法務局の公的料金+司法書士の先生へ手数料の合計値で概算この程度でしょう。損害保険は、2022年から火災保険が最長5年( 10年から短縮 )に実質値上げされますので要注意です。

地震特約は最大でも本契約の50%しかかけられません。漏水リスクヘッジとして自賠責特約は必須です。

●内装費用

退去が発生した場合の原状回復費用です。普通の状態( 設備故障無し、ルームクリーニングと一部クロス張替程度 )なら0.5万円/u程度です。床やクロスの痛みが酷い場合は1万円/u以上かかるでしょう。

3点ユニットは脱衣所やトイレが無い分、クロス面積は僅かで張替も小額で済みます。DIYが得意な方は経費節減の手腕の発揮しどころです!

●設備保全費

ワンルームではエアコン、給湯器、ユニットバスの換気扇、キッチンのコンロ、換気扇程度です。何れもシミュレーターでは7年に1度としています( メーカーの保守部品確保義務年数 )が、実際には10年以上は稼働しますので、最悪値と見て頂いて大丈夫です。順番に壊れて行くと想定した値です。

ユニットバスの換気扇は湿気が多い( 内部の進相コンデンサがtanδ劣化する )ためキッチンよりも壊れやすいです。メカニックが得意な方は、ここでも大きく経費節減ができます。

●賃貸仲介手数料

賃借人さんをお付け頂いた時、管理会社または、客付会社へお支払する手数料です。古い駅前不動産さん等は、大家からは取らず、入居者からだけ手数料を取る商売をしておられる場合もあります。

●広告料( AD何か月分と呼称しています )

手数料の他に追加でお支払して、優先的に客付けして頂く場合に支払います。地域毎に商習慣で異なりますが、最近は都心でも1か月分支払わないと客付けが難しい場合が多くなってきました。

業者さんは、当然、まずは自社物件、次にサブリース物件、そして代行管理物件、最後に自主管理大家さんの一見客物件の優先順位で客付けします。サブリース物件で2か月とかが客付業者さんに出されている時代なので、自主管理の一見零細大家さんは自分の弱い立ち位置を十分自覚しADを有効活用して動く必要があります。

●フリーレント料

ADと類似ですが、賃借人様に初回月家賃を無料にして、入居しやすく募集する場合に発生する機会損失金額です。広告料と一緒に業者さんの裁量に任せる手法も有効でしょう。

●不動産取得税

中古ワンルーム区分物件の場合は評価額が低い( いわゆる無担保の価値しかない )ので僅かな金額です。

●大規模修繕総額

10〜20年毎に管理組合が実施する建物全体共用部の大規模修繕費総額です。シミュレーターでは積立修繕金残高を超長期で計算するので、その際に使います。概算50万円/室程度とみて、想定値をざっくり入れておきましょう。実際は総戸数が多くなれば1室当たりの負担割合は少なくなってきます。もちろん、大規模修繕工事仕様によっても金額は異なります。

●税金

サラリーマン兼業大家さんの場合で、個人事業主として運営の場合は、給与と合算になりますので、税率は各人で異なります。

●積算

専有部の積算価格を自動計算するために入力するパラメータです。区分物件の積算価格は一見意味がないように思えますが、収益還元価格との比較で入居率を自動計算予想したりするときに使います。総戸数は、管理組合の積立修繕金が超長期での大規模修繕に対応できるかにも使うパラメータです。

●売却価格

毎年の最終手残キャッシュフローを累積してゆくだけで、買値を抜いてプラスに回ってゆけば良いのですが、都心部等は、皆が投資するので何時も高値で取引され、利回りは低いです。つまり、最後は売却を想定しないと利益確定できない物件が多いわけです。特に、最近は俗に言うキャピタルゲイン投資が成り立つ都心部相場が続いています。

そういう前提で投資する場合は、想定年度に幾らで売却するかを予想して、ここへ入力します。
( こればかりは自動計算できませんので、パラメータを変えながら、幾らならペイできるか?を探ってゆくオペレーションになります )

保有中の手残り累積家賃+最終売値のトータルで利益確定できるか? という物差しで投資可否を計算する場合に重要な数値です。何年後に幾らで売れるかは、購入時点では正確には予想できませんので、こういったキャピタルゲイン投資は、家賃を積上げて行くインカムゲイン投資よりもリスクは高くなります。

このシミュレーターを使って実際に物件収益を計算すると、図2の結果が自動出力されますが、長くなりましたので、その詳細は、次回にご紹介したいと思います。


図2:図1のパラメータを入力してシミュレータで自動出力された計算結果

2022年が皆様にとって、良いお年になりますよう、お祈り申し上げます。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

■ 芦沢晃さん

芦沢晃さん

不動産投資家
東京城西、城南、京浜地区(川崎、横浜沿岸部)、埼玉(南部)を中心に区分分譲マンションを58棟、59室賃貸運営中


■経歴

□1958年
借家住まいのサラリーマン家庭に生まれる

□1983年
アルバイトと奨学金で、都内某大学院博士前期課程で電気工学を専攻し学位とプロ資格取得。
電気メーカーに入社。通信システム新規事業の研究、開発、設計等の実務に従事

□1989年
自宅中古マンションをローンで購入。バブル崩壊で担保割れとなる

□1995年
バブル崩壊で担保割れ売却不能となった自宅を賃貸し個人大家&不動産投資をスタート。
以後、現金で中古ワンルーム区分マンションを1室ずつ購入し賃貸運営を継続

□2000年
アツルハイマー病の母親の在宅介護を開始

□2004年
リストラにより46歳で指名解雇。某IT企業へ転職し、ITシステム技術開発実務を担当

□2007年
沢孝史さんの「お宝不動産」へ参画。セミナー、執筆&出版を実施。
サラリーマン不動産投資家として、全国の兼業大家さんと交流

□2013年
IT企業の営業職で2度目のリストラに合うも、某電気設備メーカーに転身。55歳にして最前線の現役エンジニアへの復帰を果たす。
ビル、マンションの電気設備エンジニアの本業を大家業に活用

□2017年
本業の電気業界が大再編、リストラの嵐が吹き荒れ、勤務先は債務超過、解体再編。大荒れの最中に介護中の母親が急逝。
一方で、兼業大家業は満室安定経営を継続

□2018年
18年間に及ぶ介護(9年間は在宅)が終了し、自身も60歳サラリーマン定年。
個人対会社での個別契約を結び、兼業公認で、技術支援と後継技術者育成を行う

□2021年
個人技術士として、業務技術支援、技術講師、テクニカルライティング、学会参加、個人実験研究、株式投資、不定期にご依頼頂く不動産セミナー講師、執筆依頼、メディア取材等を受けながら58棟59室の区分物件で兼業大家業を運営し、家賃+配当で好きな趣味を楽しみ悠々自適・晴耕読雨の日々


■ 主な著書

芦沢晃さん:著書-1
<最新版>少額現金ではじめる! 「中古1Rマンション」堅実投資術(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-2
サラリーマン大家さんが本音で語る「中古マンション投資の極意」(筑摩書房)

芦沢晃さん:著書-3
少額現金ではじめる!「中古1Rマンション」堅実投資術(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-4
19年間の経験と区分所有43室のデータによる中古1Rマンション堅実投資法(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-5
東京オリンピック直前版 “中古ワンルームマンション"投資の秘訣!(ごま書房新社)

芦沢晃さん:著書-6
株式vs不動産 投資するならどっち? (栫井駿介・沢孝史両氏との共著)(筑摩書房)

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