• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

7,034アクセス

キャッシュフロークワドラントの左右とはあれのこと?

原田ミカオさん_画像 第76話

不動産投資家さんには有名なロバート・キヨサキのキャッシュフロークワドラント。最近、このクワドラントについて、ふとあることを思いつきました。今回はそれについて書こうと思います。

左が従業員のEと小規模事業主や専門家のS、右側がビジネスオーナー、起業家のBと投資家のI。4分割の領域( クワドラント )に整理されています

お金に苦労したくなければ右側に行くべし。レバレッジを効かせて。レバレッジは両刃の剣なので気を付けて! といった内容です。



ミカオ自身は大学教員で左のE、建築の専門家で左のS、設計事務所経営者だったときもS。著述業はSか、印税という権利収入では右側のB。不動産大家業は、右のI。右と左が混在していますが、現在は不動産のおかげで右の方の比重が大きくなってきています。

大学には組合があり、賃金などの待遇の交渉を行っています。最近、経営側と所属部署の方針についてお話する機会があり、数名の教員と一緒に経営側とミーティングを持ちました。

その時、組合幹部の教員が経営側に非常に強い口調でガンガン話をする( 責める )ので、思わずのけぞってしまいました。そういう場面はミカオには初めてだったので、本当にビックリでした。組合の団交ではあんな感じなのかと感心しきり。

こういった組合の圧力があるから、経営側に押しつぶされなくてすんでいるのかもしれません。しかし、教員サイドでさんざん話し合い、こうすればもっと良くなるという案を上げても、取り合ってもらえないことが何度もありました。そんな時、自分達は従業員なんだと身に染みて感じてしまいます。

そもそも組合があるという時点で、どんなに偉そうなことを言っても、従業員そのものです。不動産ならば自分の物件ですから、自分で方針を決めて、その結果はすべて自分で負えばいいわけです。

従業員とは左のEクワドラントです。しかし組合とか団交の世界では、Eクワドラントと言わずに、「 労働側 」と表現します。労組とは労働組合、労働の反対が資本で、労働者の反対が資本家です。

労働と資本の対立概念は、産業革命後のマルクスの時代からあり、古くて新しいものです。労働者が働いて上げる利益をどう「 分配 」するかも、古くて新しい問題です

そしてミカオは、キャッシュフロークワドラントの左側が労働、右側が資本なのではないかと思ったわけです。

資本家側が資本を投下して、従業員に仕事をさせ、その利益を分配する。残りを資本家が手にする、株主に配分して当てます。配分して当てるから配当で、利益の分配が行われています。

これと同じことを、不動産投資家も行っています。入居者に働いてもらって、その収入の中から賃料をいただく。労働するのは自分ではなく、入居者です。大きくは資本家と労働者の関係と対応しています

借り入れを起こして起業して従業員に働いてもらうのは、ローンで収益物件を建てて入居者に賃料を払ってもらうのと構造は一緒です。経営がうまく行かないと、企業はつぶれる。収益物件も同様に破綻します。レバレッジをうまくかけないと、事業も不動産も大きくできない。一緒です。

クワドラントの左側に属す小規模店主は、自分が労働して収入を得ているわけですから、やはり労働側と言えます。資格業の人たちも、自分が働かなければ収入が無いので、労働側です。

そうか! キャッシュフロークワドラントとは、労働と資本の関係を、より現代的に分かりやすく格好よく言ってくれていたのか! と思った次第です。

そういえば数年前にはやったピケティの「 21世紀の資本 」のタイトルの資本も、同様の意味です。その資本の収益率r( return )は、2000年の間で安定的に約5%でした。

一方経済成長率g(growth)はほぼゼロ。近代、現代になっても1〜2%で、両者がクロスするのは、大戦前後の資本が破壊され、極端な累進課税があった特殊な時期だけ。人類の歴史上常に、r>g の不等式が成り立っています。


(「 21世紀の資本 」p369、371の世界における収益率rと成長率gの折れ線グラフの時間軸を、フラットに均等にしてミカオが書き直したもの )

あの本は、資本と労働の格差が広がり続けるという警鐘だったのか、とここでも合点がいきました。

さらに気が付いたことがあります。キャッシュフローの左側が世にいう「 左 」、右側が世にいう「 右 」ではないかと。クワドラントの左が労働側なので「 左 」、クワドラントの右が資本側なので「 右 」( 政治と軍事の意味合いではちょっと違いそう )です。

サラリーマンが株を保有すると、立ち位置は左ですが、若干右の要素を持つようになります。ミカオのように、サラリーマンをやりながら不動産投資をやるのも一緒です。現代社会は、完全に左右に分かれるほど単純ではないですが、毎日の労働形態からは、大きくは左右どちらかに分かれそうです。

インテリに見せるには中道やや左よりが良いとされています。TVのコメンテイターの多くは、そういった言説を取ります。弱者の味方のふりをした強者か、はたまた弱者そのものなのか。

ホ○○モンは完全に右のBクワドラントの中の強者中の強者で、TVでの論争は左右のクワドラント間の論争でもあり、いつも平行線となっています。

論争を見ていて感じるのは、右側にいる経営者でも、その会社で働いてくれる左側の人がいなければ、会社が成立しないんじゃないの? ということ。労働して家賃を納める入居者がいなければ、大家の事業が成立しないのと一緒です。

全員が賃貸住宅を持とうとすると、成立しなくなります。右の人間が左の人間に起業をすすめるのは、自己矛盾を孕んでいそうです。

いずれにしろ不動産を持つ大家側は、フルローンでも現金でも資本の側、クワドラントの右側に立ちます。どんなに左のふりをしても、お金の流れがそうなっています。大家である以上、右側に立っているという自覚と責任は持つべきなのかもしれません。

今日のまとめとして

キャッシュフロークワドラントの左側が労働、右側が資本
大家業は右側、資本の側

となります。皆様の建築と不動産の勉強の一助になれば幸いです。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


ページの
トップへ