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喜びも10倍、悲しみも10倍-レバレッジ、人の雇用、雑草的生き方について-

原田ミカオさん_画像 原田ミカオさん 第93話

2020/3/24 掲載

みなさん、こんにちは! 心臓のショックから立ち直って、なんとか生きながらえているミカオです。ICUで経験した蘇生した瞬間を絵にしてみました( 手抜きの絵ですみません。原口とはミカオの本名 )。

胸をたたかれた瞬間に意識が戻り、何もないところからこの世に戻りました。大勢の医療関係者が上からのぞいているこの瞬間のことは、今でもはっきりと記憶に残っています。

この記憶は3度目の心停止の時で、1回目、2回目はよく覚えてません。あのまま死んでいたら、自分では死んだことがまったくわからず、今頃、灰になってお墓の下にいたと思われます。



本コラムを書いているとき、NY市場はサーキットブレーカーを何度も発動。相場の方が心停止で、電気ショックで生かされている状態です。

日本も増税とコロナのダブルショックで、相場や実態経済が相当ひどい状態となっています。さらにオリンピックが中止や延期になったら、今年以降の日本経済はガタガタです。

勤めている大学では、卒業式、卒業パーティーが中止となり、学位授与を各クラスで地味に行うことに。学生達がかわいそうだけど、仕方なし。

娘のミカコノコは学校の期末テストがなくなった上に春休みが早く来て、本人は大喜び。たまに予備校のネット授業を見ていますが、基本的に部屋にこもって小説、マンガ、ユーチューブ三昧。ネット対応していない弱小フランチャイズ塾は大変じゃないかな。

ボクもコロナにかかったら今度こそ死ぬから外をうろつくなと言われ、家の仕事場に引きこもって、作業しています。



仕事に疲れたら、長椅子に座って本でも読むことにします。



■ 不換紙幣は紙に戻る運命か

ボクの暴落相場への対応ですが、株や外貨のポジションはゼロなのでまずはひと安心。20年前ならこんな乱高下を好機として、相場に嬉々として飛び込んでいきましたが、ろくな結果は出せませんでした。

泳ぎの下手なやつが波の高い荒れた海に入ったら、おぼれるだけです。嵐の時は、穴にこもってじっとしているのが一番。

よくリスク分散のために外貨や外貨建て資産をもつべきという話も聞きますが、民間銀行のFRBがじゃぶじゃぶと発行している紙も信用できません。不換紙幣( 金の紐づけのない通貨 )はその本来の価値に収束する、すなわち紙になる運命にあるのではないでしょうか。

リスク分散なら金( ゴールド )に変えるのが正解とボクは思っています。ここ20年ほどのゴールドの超長期チャートを見れば、いかに紙幣の価値が落ちているかわかります( ゴールドの価値が上がっているわけではありません )。

ボクの教え子に日本の有名ホテルディベロッパーで中国でのホテル開発をやっている者がいます。去年まで忙しい忙しいと言っていたのが、最近は時差通勤の上に出張もまったくなくなり、仕事も極端に減っているようです。

日本は不景気に突入し、テナントビルは商売が立ち行かずに退去が多く出るでしょう。旅行客は内外からまったく来なくなり、過剰につくられたホテルや民泊のダメージも大きいでしょう。

会社の廃業、リモートワークの推進、働き方改革の推進で、オフィスビル需要は減退するはずです。やはりホテル、民泊、シェアハウスは事業であって、利回りは高いけど苦労もリスクも大きいと感じます。

住居系の不動産は変化が穏やかですが、さまざまな業種でリストラが進行。働く場を失う人も多くなれば、退去や家賃滞納が多く出そうです。リーマンショックの時、1年以上経ってからアパートに影響が出ました。

■ レバレッジ-喜びも10倍、悲しみも10倍-

不景気のときには、レバレッジが大きくのしかかってきます。レバレッジはうまく行っているときは喜びが10倍になりますが、うまく行かないときは悲しみも10倍になります。

不動産投資初期のころ、「 ミカオは現金を使い過ぎだ!」 と投資友達から何度も言われました。そこで地方高利回りアパートで、半分自己資金、オーバーローン、30%自己資金といろいろと試しました。

半分自己資金はだいぶ前に返済が終了。レバレッジの中では、30%自己資金が一番快適に感じています。「 資金回収に5年、10年使う投資は失敗だ! 」とはよく言われますし、ボクもその通りだと感じます。

オーバーローンはキャッシュ利回りが最強、というか無限大。自己資金回収を早くした方がいいといっても最初から自己資金は使ってないので、それでもキャッシュフローがあるのが当時は不思議でした。

ただし、自己資金が回収できている、あるいは使ってないからといって、長い間ローン返済は毎月、毎月続くわけです。大量の退去が出たり、リフォームにお金がかかったりした場合、マイナスになることが多々あります。いくら高利回りのアパートでも、常にプラスとは限りません。

高利回りアパート3棟を買った後に、そのキャッシュフローで戸建を現金買いしてきました。現金で買ったのは小さなアパート1棟、戸建12棟。この10年、ほぼ満室を維持できていて助かっています。

現金物件とローン終了物件のおかげで、オーバーローン物件を精神的余裕をもって持ち続けていられます。

借りた当時はローン期間が10年、20年、17年は短いと思っていましたが、いやいやどうして、非常に長いです。オーバーローンはまだ6年残っているので、まだまだ辛抱が続きます。

30%の自己資金を入れたローンは、あと5年です。残債の減りはローンの終わりが近づくほど多くなり、最初のうちほど微々たるもの。10年で売る場合、20年ローンでも元本の減りは意外と少なくなります。これが35年だと大変です。今はローンが終わるのを楽しみに、守りの日々が続きます。

■ 人を雇う-喜びも10倍、苦しみも10倍-

人を雇って商売をすると、うまく行っているイケイケのときは、個人で商売するよりも喜びは10倍になります。事業も急成長します。しかし、一旦不景気に落ち込んでうまく行かなくなると、苦しみも10倍となります。

人を雇うのは、レバレッジをかけるのによく似ています。ボクは20代、30代で、小さな株式会社( 設計業 )を経営していました。商売が伸びてイケイケの時、ウキウキして、もう無敵な感じ。人に仕事を次々とやってもらい、お金も次々に入ってくる。

しかしバブル崩壊で一気に、パッタリと仕事がなくなり、今度は毎月の給与支払いに困り果てました。月末が近づくと、頭の中は資金繰りのことでいっぱいです。

一旦雇ってしまった人を、不景気だからと簡単には切れません。人を切る時、再就職先を見つけねばなりません。人を一人ずつ切ってリストラするのに、塗炭の苦しみを味わいました。毎晩、まともに寝られません。たった5人の従業員ですが、きつかったです。

うまく行っているときは、みんな仲良く、一緒に仕事をやる仲間という感じ。仕事の区切りのいいところで乾杯したり、ワイワイ楽しくやれました。事業が拡大している時はそんなもの。

しかし、うまく行かなくなると、給料は減らさねばならない。ボーナスは出せない。出したくても金がない。それでも簡単にやめさせられない。さらに従業員は文句ばかり言ってくる( 当然ですが )。

それ以来、人を雇う商売は絶対やるまいと肝に命じています。なにかで人手が必要となったときは、必ず外注にします。今風に言えば、アウトソーシング。さらに人手が必要な仕事は、はなからしないように心がけています。

今は労働法制や世間の目が厳しく、資金量に限りのある中小零細は苦しんでいるんじゃないでしょうか。非正規が増えてけしからんというネットの書き込みをよく見ますが、経営者の側に立てば、まったくもって当然の成り行きです。

65歳まで雇うのが義務なんて言われたら、年寄から早いとこ理由を付けてクビにしとこうと思うのは当たり前です。空からお金が降ってくるわけではあるまいし、無理なものは無理なんです。

■ 隙間の雑草-たくましいわけではなく、生存の知恵-

アスファルトの隙間の雑草は、たくましさの象徴としてよく語られます。最近読んだ文( すみません、著者忘れました )で、「 隙間の雑草はたくましいわけではない。適者生存の論理にのっとっているのだ 」とありました。



土壌のいい山や森の中に小さな草が生えようとすると、まわりに高木や草が生い茂り、光が当たらずに光合成ができない。結果、死滅することになる。しかしアスファルトの隙間に根をおろせば、まわりに日を遮って邪魔をする木や大きな草がない。小さな草にとって、非常に快適な場所だと。

競合するような木や草は、あまりにも隙間が小さいので、生えようがない。木や大きな草がまねして生えようとすると、大きさゆえに根を入れられない、なんとか無理やり入れても土が少なくて枯れてしまう。

しかし、小さな雑草にとっては、ちょうどいい隙間で、少ないながら水は取れるし日はよく当たるし。ということで、アスファルトの隙間の雑草は、大変賢い、適者生存の道を生きていることになります。

これはボクのような持たざる者が不動産投資をやる場合、示唆に富んだ考え方だと思います。

いわゆる好立地の不動産は、好立地ゆえに競合が多い。好立地ゆえに値が高い。値が高いゆえに利回りは低い。値が高いゆえにレバレッジが必要。キャッシュフローが薄くリスクが高くなり、よって好立地ゆえに好立地ではなくなる。

不景気になると、日当たりが良く、競合の少ない隙間の有難みが増します。力のない個人は、あの草のようにアスファルトの隙間を探す努力が必要かなと。

他人から見ると、あんな隙間に生えてやんの、バカじゃね! 格好悪! と思われても、当の雑草はいやいやここは快適なんだよと。そもそも他人に褒めてもらうために生えているわけじゃなくて、生きるために生えているんだと。

今日のまとめとして

レバレッジは喜びも10倍、悲しみも10倍
ともうひとつ
隙間の雑草は適者生存!
となります。

PS:本家のサーキットブレーカーについて、ユーチューブに動画を上げました。約5分ほどですので、ぜひご覧ください。



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プロフィール

■ 原田ミカオさん

原田ミカオ
原田ミカオさんのブログ

■ 経歴

1959年 東京都生まれ。
1982年 東京大学建築学科卒業。
1986年 同大学修士課程修了。
現在、東京家政学院大学生活デザイン学科教授。

2004年から、不動産投資を開始。
現在、アパート5棟、戸建9棟、計51戸を所有。

■ 主な著書

・20世紀の住宅−空間構成の比較分析( 鹿島出版会 )

・ルイス・カーンの空間構成 アクソメで読む20世紀の建築家たち
・1級建築士受験スーパー記憶術
・2級建築士受験スーパー記憶術
・インテリアコーディネーター受験スーパー記憶術
・福祉住環境コーディネーター2級受験スーパー記憶術
・構造力学スーパー解法術
・建築士受験 建築法規スーパー解読術
・マンガでわかる構造力学
・マンガでわかる環境工学
・ゼロからはじめる木造建築入門
・ゼロからはじめるRC造建築入門
・ゼロからはじめるS造建築入門
・ゼロからはじめる建築の設備教室
・ゼロからはじめる建築の法規入門
・ゼロからはじめる建築の施工入門
・ゼロからはじめる建築の構造入門
・ゼロからはじめる建築の計画入門
などゼロからはじめるシリーズ全14冊
( 以上、彰国社 )
など。


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