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根こそぎ変わる「次の時代」に求められるのはバーチャル自治体

長嶋修さん_画像 長嶋修さん 第259話 著者のプロフィールを見る

2023/5/24 掲載

怒涛の、不可逆な時代の変化の真只中。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

古代ギリシャの哲学者プラトンが設立した学園「 アカデメイア 」の門扉には「 幾何学を知らざるもの、入るべからず 」と書かれていたそうです。

そもそも学問の起こりは簡潔に言えば、この世界を、宇宙を知ること、より突っ込んで言えば神を知ることからスタートしたわけで、要はこの世界には一定の規則性・法則性があるだろうと。

それは幾何学的に言えば「 フラクタル構造 」であり、文学的に言えば「 歴史は繰り返さないが韻を踏む 」( 米作家マーク・トウェイン )。人体と宇宙の構造が似ているとか、要はこの世には一定の周期性があるだろうというもの。



このような眼差しで世界を見つめるとき、現代が大きな歴史的転換期にあることは間違いなく、天体運行的に言えば2012年にうお座の時代が終わり、水瓶座の時代に入ったことがまずは決定的。宗教の象徴である魚座の時代が終わり、今になって旧統一教会問題が露呈しましたが、話はそこだけにとどまらないと思います。

またアクエリアスは女性性の象徴でもありますから、旧来型の男社会のサル山ピラミッド構造が崩れるのも自明。旧価値観の具体的な崩壊期にあるのが今で、だからこそ芸能事務所の問題や伝統芸能社会における問題などがここに来て一気に噴出しているわけです。

ああした問題はたまたま起きているのではなく、歴史的必然として、大きな流れの中にあるのです。

■ すべてがごそっと根こそぎ変わる?

国家のあり方も、家族のあり方も、仕事のあり方も何もかも、ゴソッと根こそぎ変わりそう。まず、国家がなくなることはないと思いますが、その権限は限りなく限定的となるはず。

「 パンデミック 」「 気候変動 」「 宇宙の脅威 」など一国家で対応できない問題・課題山積で、世界が一眼となって取り組み必要があるよねといった文脈で、いわば「 世界政府 」的なものが力を持ち、現在の各国家は江戸時代の諸藩のような位置づけとなるでしょう。

また、これまで家族といえば、いわゆる「 核家族 」が標準とされてきましたがそれもなくなり、多様なあり方が社会的にも当たり前になるはずです。

AI化やロボット化が進展すれば生産性が飛躍的に向上することから、多くの仕事は不要になります。かつての駅の切符切りや、エレベーターガールみたいなイメージで「 昔はコンビニやスーパーに行くと、店員さんがいたよねえ 」「 タクシーなんて、人が運転していたのだよ 」などと、懐かしく振り返ることになるのではないでしょうか。

こうなると、一義的には仕事がなくなる恐怖に見舞われますが、社会全体の生産性が高まるのですから、要は現在の生活保護よりもっと手厚いBI( ベーシックインカム )的なものが導入されることになるのだと思います。

ものすごく贅沢はできないけど、行きていくのに困ることはないといったレベルで。こうなると、カネのために働く必要がなくなるため、一日中自宅にこもってゲームをやっている、自分の趣味などやりたいことに没頭しているみたいなライフスタイルも当たり前のように出てくるでしょう。

■ 次の時代に求められるバーチャル自治体

さてこのような社会になると、国家や会社、家族などの既存のコミュニティがなくなるか、その意味や意義が限りなく薄まることに。このとき、従来にはなかった新しいコミュニティが必要になるのではないかというのが、かねてからの私の仮説です。

それはいろんな考え方やあり方があっていいと思うのですが、私が必要だなと思うのはいわば「 バーチャル自治体 」のようなもの。任意団体だから義務も権利もありません。

まずは一定の価値観を共有できる者同士が集い、オンライン・オフラインで日常のコミュニケーションを行ったり、イベントなどを催したり。しかし例えばいざ災害が起きれば、サポートが必要なところに、それができる地域や人が貢献します。相互互助ですね。

また、仕事や趣味の融通も。どうせ沖縄に宿泊するなら、コミュニティ内で民泊経営しているAさんのところを利用しよう、と。普段から価値観を共有する仲間としてやり取りしているので、知らないところに泊まるより安心だし、リアルに会えることが楽しみでもあります。

こうした生活・文化・経済などを包含した新しいコミュニティが今後、絶対に必要だろうと。しかも、価値観でつながるのであれば年齢も性別も居住地など、一般的な属性はどうでもよく、多様性が担保されます。デジタル化・オンライン化社会の大きな恩恵ですね。

とはいえ古いピラミッド型の組織を創るのもナンセンス。だから昨今はDAO( 分散型自律組織 )などの形態が模索されるわけですが、現時点はそこまで一足飛びに行ける段階ではなく、もう少し工夫が必要です。

このような考えに基づいた取り組みを現在、オンラインコミュニケーションツールのDiscordをメインとして展開しています。登録者は現在2,000名弱。URLなどは弊YouTubeに記載がありますので、ご興味があれば覗いてみてください。

YouTube ⇒ https://www.youtube.com/@nagashimaosamu

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

長嶋修さん

長嶋修さんながしまおさむ

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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経歴
  • 不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

    以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

    2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

    また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

    現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

    主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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