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土木のプロが教えるDIY大家さんに知ってほしい安全対策【前編】

その道のプロ/シアンさん_画像 その道のプロ/シアンさん

2020/12/2 掲載

初めての方は初めまして、お会いした人はお久しぶりです。土木施工管理と測量業をしているシアンです。土木業界に入って17年。現在、独立して2年目で現場の施工管理や災害復旧測量に従事しています。

大家業の方は、個人で築97年の戸建てを取得し、住みながらDIYでリフォームを行っています。来年からは法人でも物件を購入し、本格的に大家業をスタートをしたいと考えるプレ大家です。



今回、健美家さんから工事現場のプロとしてDIY大家さんたちに向けた「 安全対策 」をテーマに執筆してほしいとご依頼を受けました。そこで、建設現場の安全ノウハウを今日から3回に分けてお伝えします。

私の物件に応援に来てくださった方はご存じと思いますが、作業の毎に「 こんな危険がある 」とか「 工具はこうやって扱うのが正しい使い方だよ 」と指南があったと思います。これも職業病です( 笑 )。

プロの工事現場では、現場の安全をどう作っているのか? 面倒にも感じる「 安全行動 」の意義が皆さんに伝わり、がんばるDIY大家さんの安全意識の向上に一役かえれば幸いです。

■ プロの現場ではどのように安全意識を高めているのか?



工事現場をイメージしてください。工事現場の風景とともに『 安全+第一 』の看板やヘルメットが頭に浮かぶのではないでしょうか。

プロの現場では日々工期に追われながら工事を進めています。DIY大家さんが1日でも早くリフォームを終わらせて入居者を募集したいと思うのと同じです。経済活動である以上、時間に追われるのが宿命なのです。

そしてつい安全行動を省略して、事故につながる可能性を高めてしまいます。だからプロは目につくところに『 安全+第一 』を掲げて時間コストを支払ってでも、安全を確保せよ! と意識づけているのです。

実際に死亡事故が起これば、原因究明のために1カ月以上工事が止まります。大事故の原因のほとんどは怠慢な心とちょっとした不注意・気のゆるみです。安全は時間とコストに勝るということを常に心に留めてください。

私は災害現場で作業することもあります。そのような場所では雨などで崩れた場所が再び崩落するなど、死と隣り合わせです。築古戸建てでいえば、すでに屋根や躯体が朽ちていて危険な状況になっているのと似ています。



そんな危険な場所で事故なく作業を進めるために、安全行動の規則として「 労働安全衛生法令 」( 以後は安衛法 )というものがあります。安衛法は1972年に制定されました。

事前に危険性の調査・災害事故の予測と計画・法令順守の安全設備と作業手順・現場状態の点検と改善、もしもの時の緊急連絡網など安全の礎となるものが書かれています。

そこから48年間、様々な業種の事故を記録しています。悲惨な事故を防ぐために、事故の原因を研究し、対策を考え、安全基準の改定を絶えず行っているのです。この「 安衛法 」を使って、土木関係者は月に1回、4時間以上の安全衛生教育を受けています。

そんなプロでも年間死亡者件数は269人( 令和元年建設業 )を数えます。大怪我をしたり障害を負ってしまった人の数はそれより多いのです。DIYリフォームをするときは、決して安全な仕事ではない事を肝に銘じていただきたいと思います。

※事故の詳細は、労働災害事例集としてネットに公開されています。作業の危険性を予測するのに役立ちますのでDIYの作業に入る前に、キーワード検索を掛けてみてください。参考になる事故が見つかると思います。

厚生労働省職場の安全サイト(災害事例集)
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_FND.aspx

工事現場の安全は、いったい誰を守るものでしょうか? 現場作業に関わるすべての方々はもちろんですが、作業員の家族を悲しませないようにと作られたものでもあります。

想像してください、朝元気に仕事( DIY )に出て行ったのに、夜あなたが遺体になって帰ってきたら。家族はどんな気持ちで現実と向き合えばいいでしょうか?

いまから私が知る事故の事例やその対策をお伝えます。絶対に事故を起こさないという強い意思を持って、安全作業に取り組んでいきましょう。

【 服装、装備編 】

1.真夏の現場でも長袖・長ズボンを着用すること

土木建設では真夏でも半そで半ズボンで作業する事が禁じられています。長袖長ズボンは、突起物が服に触れるとセンサーの役目を担い、皮膚に到達する前に危険を察知・回避する事ができます。

肌を露出すれば、火傷やケガのリスクが高まります。また、古釘などの突起物で切傷し、何十針も縫う大けがをすることもあります。切傷は破傷風のリスクも高まります。ケガが原因で最悪は手足を切断する事例も見られます。

服装一つとっても侮ることなく、きちんと整えて作業に挑みましょう。



最近は、薄手のロングスリーブTシャツも安価で売られています。ポロシャツの下に着込めばシルエットを崩さず、快適に安全作業を進めることができます。暑いのが苦手な人はアームカバーという手もあります。



2、手袋は用途によって選ぶ。DIYで軍手はNG

作業用手袋は、指と手のひらを守る主目的とグリップ力を補助する副目的があります。軍手をDIYで使う事はNGです。なぜなら指先の感覚を殺してしまいますし、電動工具を滑らせて落とすリスクがあるからです。

1)通常のDIY作業時の手袋

指先で細かいモノを掴む作業の多いDIYでは、柔軟性がある薄手のポリウレタン製の手袋がお勧めです。手は汗ばむので背抜き加工のある通気性がよいものが良いでしょう。



2)強アルカリの素材を扱う時の手袋

洗剤・生コンクリート・漆喰などの強アルカリ製品を素手で触ると弱酸性の皮膚は溶けてしまいます。油に強い使い捨てのニトリル素材のメカニックグローブがお勧めです。



3)鋼材を扱う時の手袋

鋼材を触るときは切創に一番気を付けないといけません。切創、摩擦、熱に強い皮手袋をつけましょう。



手袋一つとっても用途に応じて様々な物があります。目的に適した手袋を選んでください。

3.作業靴は踏み抜き防止板入りの安全靴を選ぼう

DIY現場の解体で出た廃材は、釘抜きしていますか? 廃材の山を踏んだ時に釘を踏み抜く事故が後を絶ちません。お恥ずかしい話、かく言う私も経験したことがあります。それからは踏み抜き防止板の入っている安全靴かインソールタイプを追加で敷いて使っています。

踏み抜き事故は破傷風のリスクもありますし、治るのに時間がかかり、3カ月ほど歩くのに苦労します。最近はスポーツメーカー製の安全靴も出てきてデザインも良く、普段に履けるものが増えています。



作業に没頭するほど現場の整理整頓がおろそかになります。それに足元の小さな釘を気にしながら作業するのは不効率です。私の現場では週に一回は片付けの日を設けて、整理整頓に努めています。

屋根に上がるときは、靴底の薄い指が二股に分かれた物がお勧めです。屋根上は転落・墜落リスクが高まるので足裏の感覚が大切です。自分の姿勢を細かく察知できて踏ん張りの利く装備をして上りましょう。おすすめは地下足袋タイプや鳶専用靴です。



明日の中編、明後日の後編と続きます。

プロフィール

■ シアンさん

シアンさん

1級土木施工管理技士、測量士補

ブログ資本主義の囚人
ツイッター@shujinsian001

■ 略歴

□1983年
宮崎県で誕生

□1999年
高校2年の時に測量業を将来の仕事と決める。現場を知る為に施工管理を目指すことに

□2001年
宮崎県産業開発青年隊で施工管理の職業訓練を受ける

□2003年
地場の土木建設会社に就職、施工管理職になる。
入社4日目に大手ゼネコン会社に派遣命令が下る。流れ者の生き方を身に着ける。
主な経験:重力式ダム・ロックフィルダム・空港・砂防ダム・河川・災害復旧・幹線道路バイパス

□2010年
実家用戸建て(個人購入)+田2反を購入。350万、金利8%、返済7年。無知のために不利なローンに苦しむことに。
この時のローンがきっかけでお金について将来を考えるようになる。

土木のブラック労働に疲弊し、大手警備会社に転職

□2012年
縦割り会社が肌に合わず、施工管理派遣会社に転職
主な経験:高速道路造成

□2013年
派遣会社の搾取構造に気づき、個人事業主を開業する。引き続き土木施工管理を生業にする。
主な経験:高速道路造成・高速道路舗装

□2015年
長時間労働で体を壊し事業を畳む、そして筋トレを始める。
測量会社に転職

□2017年
北部九州豪雨災害の被害を目の当たりに。命の危険を感じながら災害復旧測量を経験、自然との向き合い方を考え始める。

□2018年
1戸目のローン完済、合同会社設立・代表就任
主事業は施工管理・工事測量会社

労働集約モデルでは収益に波があり安定していない。いずれ体力の限界が来ると危機感を持ち、不動産の勉強を本格的に始める。(妻は2015年に勉強を開始)

□2019年
築96年30万戸建て購入(個人購入)。物件を修繕しながら物件で生活(ヤドカリ投資法を実践中、修繕進捗率40%)
補助金を受けたため5年後に収益化予定

□2020年
法人1棟目を取得に向けて物件検索を開始。
これまでに渡り歩いた地域は宮崎・熊本・大分・長崎・福岡・鹿児島・大阪・山口

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