こんにちは! 防人レボリューションです! 今回は、9年前の2013年に購入した物件の話です。
この物件は数々のトラブルを経験させてくれました( これまで紹介した物件もそうだったという突っ込みは歓迎します )。そのトラブルを一つずつ乗り越えたことで、大家としての経験値を上げる事が出来ました。
殺菌消毒されている物件より、ワケあり物件の方がお宝物件になる可能性が高いと言われていますが、その通りになりました。
■ 8,000万円で半分以上が空室の築古RCを紹介される
出会いは懇意にしている売買の営業マンからの紹介でした。「 まだ表に出ていない水面下の物件です 」と言っていました。
別の機会にこの営業マンに売却を依頼した際、ネットに載せていたら、「 表に出ていない情報と言って紹介したいから 」とネットからの削除をお願いされました。ですので、本当にそれが川上物件だったかどうかはわかりませんw
大事なのは、水面下の情報だろうが、ネットでずっと売れ残っていた物件だろうが、その物件をしっかりと分析して、ポテンシャルを自分なりに見つけられそうかを考え、購入するかどうかを決める事です。
売り出し価格は8,000万円。1K×23戸、テナント×3戸の合計26戸の5階建RC造でした。1Kは15.5uと極小、半分以上の14室が空室、1978年築( 当時築35年 )で、経費がかかるエレベーターつきという点が気になりました。
立地は福岡市内の駅徒歩3分、1万人以上が在籍する大学からも徒歩3分です。一見、悪くないように見えますが、このあたりは大学生向け単身物件が供給過多になっているレッドオーシャンエリアでした。
売却理由は親から相続して運営してきたが、空室が埋まらないので手放して本業に専念したいとの事でした。
■ メディアでは「 再生成功事例 」として紹介されていた
この売主さんは何もしなかったわけではありません。それどころか、かなりがんばって運営されていたようです。実はこの物件を購入後にたまたま知ったのですが、この物件はある不動産会社のホームページに「 再生成功事例 」として紹介されていました。
その記事の内容はこんな感じでした。
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ある時、この物件の所有者夫妻が、「 相続した〇〇ビルの空室が埋まらない 」とめちゃくちゃ暗い表情で○○不動産に相談に来た。笑顔を無くした夫妻を助けるために、この不動産会社の担当者が一肌脱ぐことにした。
夫妻の予算は200万円。不動産会社の担当者は、「 近隣の大学の建築科の学生とコラボして、大学生に安価にお洒落にリノベーションしてもらう 」という素晴らしいアイデアを思いついた。
そして実際にそれを行ったところ、半分くらいあった空室は、大学生たちの創意工夫で見事にお洒落に再生された。そして、この物件は満室になって、所有者に笑顔が戻った!めでたしめでたし!
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みたいな内容です。しかし、恐ろしいことに私がこの物件を購入した時は、記事の内容よりもさらに空室が増えて26室中14室となっていましたw。この記事はいったいなんだったのでしょうか???
正しくない情報を平気で流す。これも不動産業界の闇の一つかと思います。
■ 個性的すぎる内装を根拠に指値を入れる
話を戻します。購入前に物件に行き、空室を見せてもらいました。すると、昔はお洒落だったんだろうなという点が何箇所かありました。しかし、個性的過ぎる間取りもありました。もう売却したので、写真を載せるのは控えますが、本当にかなり個性的でした。
例えば、1Kを4部屋繋げて、「 4つの鍵と1つの空間 」と名づけられた部屋は、リノベーション工事の途中で業者が倒産して放置されたような状態でした。
1Kを2部屋繋げて、「 アトリエのある暮らし 」と名づけられた部屋には、「 1つはアトリエ、1つは住居? 使い方はあなた次第 」と書かれたポスターのようなものが張ってありましたが、2部屋とも長期間空室のようでした。アトリエどころではありません。
その他にも、浴槽を撤去してシャワールームにしようとしたけれど途中でやめた部屋など、強敵だらけでしたw。予算が足りなかったのか、学生たちがあきらめたのか、時間切れになったのかわかりませんが、とにかく驚きました。
普通の人はこの部屋をみたら買わないでしょう。しかし、私は「 安く買えばなんとかなる 」と考え、売値の8,000万円に対して、2,000万円引きの6,000万円で指値を入れました。
中の修繕だけでなく、早急に屋上防水や外壁補修などの大規模修繕を行う時期がきているように見えました。ですので、指値を入れるときは空室の14部屋のリフォーム工事代や、多額の修繕費がかかるといった理由を述べました。
もしこの値段で買えたとしても、買ってからやることが多すぎます。正直、断られた方が気がラクだな〜なんて思っていました。そんなある日、「 6,500万円でオッケー 」という返事をもらい、買うことにしましたw
■ 期間15年でフルローンで貸してくれるところが見つかる
嬉しい気持ちが半分、満室にできるのだろうかという不安が半分で、複雑な気持ちでしたw。融資もどうなるかわかりません。当時は初心者レベルで規模も小さかったので、融資がつく自信なんて全くありません。
ただ、いつだって、「 買えない理由 」は考えないように心掛けていたので、まずは行動しようと付き合いのある2つの金融機関に相談してみました。室内リフォームと屋上防水と外壁防水塗装工事費がかなり掛かるのでそれも貸してほしいと伝えました。
しかし、返事は厳しいものでした。築35年のため、法定耐用年数の47年まであと12年しかないのが大きな原因です。空室が多く、12年で借りるのはリスキーでした。
本当なら耐用年数を超えても融資してくれる可能性のある仲良しの金融機関に貸してほしかったのですが、この直前に融資してもらったばかりで、その物件をまだ満室にできていなかったのでそちらは断られてしまいました。
粘り強く、もう一つ別のところをあたると、工事費用は出せないが、物件価格はフルローンで15年なら融資可能という返答をもらいました。数秒間悩みましたが、借りることにしました。今は買うことに集中だ、あとは買ってから考えようと思いましたw
■ 地域最安値の家賃でも利回り18%に
なぜ、こうまでして買おうかと思ったかと言うと、指値が通ったことにより、満室時の想定利回りが約18%になる可能性があったからです。しかも、地域最安値の家賃で計算して約18%です。
15平米ですし、単身物件が供給過多状態というレッドオーシャンエリアでしたが、福岡市内で駅徒歩3分で大通り沿いです。腐っても駅3分です。
日本には少子化の波が押し寄せており福岡も例外ではありませんが、この近くの大学はそこそこ歴史もありすぐに無くなるとは思えません。駅徒歩3分なので、将来的に土地の価値が上がる可能性もあると思いました。
私は不動産投資を始めた時から基本戦略は変わっていません。「 買いたい物件を買えたら買う 」。非常にシンプルです。攻める時には買えない理由は考えずに、どうやったら買えるかだけを考えます。
誤解を恐れずに言えば、「 買ってから考える 」戦略ですw。やるだけやって買えなかったら、すぐに次を探します。今のところ、このやり方でなんとかやってこれています。
もちろん、本を100冊近く読み、健美家コラムを何度も読み返し、大家さんセミナーにも出席して勉強してきた上での行動です。目をつぶってなんでも買っているわけではないので、変に誤解して真似をしないようご注意くださいw
このコラムの冒頭で、「 この物件は数々のトラブルを経験させてくれました 」と書いたのを、皆さんは覚えていますか? ということで、次回はこの物件のトラブルなどを紹介する予定です。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました♪