川村龍平さんと岡元公夫さん、元メガバンカーのお二人による対談の第2回です。前回は低金利がもたらすデメリットが日本の経済をむしばんでおり、それが国民を苦しめているというお話でした。今回はさらに深掘りしていきましょう。
■不安定な経常収支と最悪な財政収支で日本は双子の赤字寸前
川村龍平さん
今回は日本の経常収支が昨年秋に一時マイナスになっていたということからお話ししたいと思います。
前述のように、90年代から2000年ぐらいって、日本は貿易立国でちゃんと稼いでいたんですよね。少し所得収支もありました。所得収支というのは海外から得た利子や配当(投資収益)、賃金(雇用者報酬)などによる収支のことです。
ちょっと下の表を見てください。経常収支というのは、第一次所得収支と貿易収支が合わさっているものと考えてください。サービス収支などは無視してよいです。
ここが非常に重要なポイントで、第一次所得収支と貿易収支がちゃんとプラスなのは2010年までで、その後2014、15年あたりで一気に貿易収支がマイナスになります。
ここで最近の表を別にしてあるんですが、近年また悪化してきて、第一次所得収支の黄色と貿易収支の青の合計
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