• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

8,252アクセス

都内物件を安く買える日はまた来るのか?地方ファミリー物件で需要が減退した理由。

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第19話

2021/6/18 掲載

以前のコラムでもお話ししましたが、今も親族の家探しのお手伝いをしています。希望条件は新宿・池袋・中野駅周辺( 副都心部 )で5,000万円前半位までの戸建て住宅です。

私は業者ではない零細個人投資家ですが、不動産投資を長年継続しているので、多少はお役に立てるかもしれないと思うゆえのお手伝いになります。

先日、JR山手線某ターミナル駅から徒歩数分の築が浅い戸建てが登録されました。登録されたのは月曜日の夕方で、私が気付いたのは火曜日朝でした。予算内で整形地で閑静な住宅街でしたので、早速物元の業者に連絡を取ってみました。

「 お客さんも業者さんですか? 昨夜、登録後に営業を終えたのですが、夜の間に再販業者さんから2件買い付けが入っていまして、正直今までにない早さで驚いています 」というお返事。当然、2件とも業者ですからローン特約はない決済条件です。

買い上がるか、手付金を大幅に積み増せば一番手になれそうとの事でしたが、親族は「 そこまではしたくない 」ということでしたので、この話は辞退という結果になりました。

築が浅いといっても築10年以上ですし、調査をすると外壁のシーリングに劣化傾向が見受けられ、雨漏りリスクの雰囲気も少し感じられます。それを無視してでも満額で買う業者さんがいる事例から、都内不動産の人気は依然強いと改めて思います。

この山手線沿線の戸建ては結局、1番手の再販業者と売主さんとで売買契約を締結したそうです。手直しして再販するのか賃貸なのか、何れにせよ高い売買価格だから利回りを取る事は難しいのではと感じています。



■ 急激に需要が減退した某地方都市のファミリー物件

一方、同じ副都心エリアでも、アパート等の収益物件は一戸建てに比べると流動性が低下しつつあり、価格を下げないと成約が難しいかなと思う事例も散見されます。

私が多少取引している地場業者が地主から専任で預かり売り出している物件があります。10世帯未満の一棟RCマンションで、年利は6%強です。昨年の初頭から情報公開して、未だに成約しません。

築古という築年でもないですし、価格的にもそこまで高くないと思うのですが、時代的に融資が付きにくいという理由以外にも、ワンルーム主体の物件という部分が嫌気されているのかなと感じます。

現金を豊富に持つ投資家層ならば簡単に買える範囲の物件ですが、需要低下が著しいワンルーム系を余程の駅近物件ならともかく、あえて今買うのはどうなのかと考えている人が少なくないのでしょう。

郊外のファミリータイプや戸建てもエリアによっては苦戦傾向が鮮明になりつつあります。私が最近貸し出した東京多摩エリアはまずまず好調なのですが、某地方都市に所有している3階建て75平米戸建てはなかなか賃貸が決まらず、そもそも内見者自体がいない状況です。



この地方都市は臨海部に大規模な工業地帯があり、都心部までの通勤も電車で1時間かからない便利な場所にあります。購入した時は、このエリアで価格が500万円だし築浅だし良い買い物をしたと思ったものでした。

平成中期築でサイディング張りの綺麗な戸建てで、システムキッチンに加えトイレも2箇所あります。新築時には建物代だけで1,600万円かかった内容から、500万円での購入ならばまず問題がないだろうと計算していたのです。

実際、最近まで月額70,000円で賃貸に出していました。単純年利で考えると17%弱になります。そして、今までは募集すれば複数の申し込みが入り、お客さんを選ぶ余裕すらありました。都心部勤務のサラリーマンに加え、至近の工業地帯の社宅としての需要があったのです。

しかし、今回退去後に募集したところ、全然反響がなく意外な感じを受けています。改めて賃貸ポータルサイトで近隣を調べてみると、コロナ渦で空室が増大し、供給過剰なワンルームだけでなく今まで堅調だったファミリークラスの賃料も大幅に下落している事が判りました。

例えば、このエリアで私がよく知っているファミリーアパート( 3DK )は、幹線道路から近く、買い物に便利で、JR駅も徒歩圏です。学区の評判も良いことから、今までは常に満室で稼働していました。

賃料は70,000円前後で、閑散期には60,000円程度まで下げる事もありますが、基本的には人気物件です。その物件の現在は2部屋募集があり賃料は53,000円、礼金敷金はナシ。「 思い切って下げたなあ 」と感じました。

その理由ですが、開発が進められている建売り分譲地や駅に近い新築分譲マンションにお客さんが流れていることがひとつ。他にも、コロナ禍で企業が転勤を抑制している事から、流入人口が減少しているという側面が強く出ていると思います。

このエリアを歩くと、注文住宅だけでなく大規模な分譲地が造成されており、それがドンドン売れています。コロナ渦で在宅時間が長引き、住宅の購入に踏み切るお客さんが増加しているようです。

ワクチンが劇的な効果をもたらす、パンデミックが終息する等の状況が起こらない限り、観光業の回復や外国人留学生・労働者の流入は見込めません。都内ワンルームや、エリア次第ですが郊外ファミリーの苦戦は続くように思います。

その一方で、前回のコラムにも書いた所有している副都心部の1DKや2DKといったタイプは今のところ、かなり好調です。

広さがあれば長い在宅時間でもストレスを軽減して過ごせるでしょうし、それが便利な場所にあれば入居者さんにとっては更に結構な話です。ですので、私は今後も副都心部での広めなタイプの物件を仕込む事を考えています。



■ 都内物件を安く買える時はまた来るのか?

都内の物件を仕込みたいけれど、割安な物件なんてもう二度と出てこないのではないかと思う人がいるかもしれません。

かつての土地バブル時代直前、私は溝の口駅の近くの学校に通学していました。クラスメートの親たちは通勤・通学に便利な東急田園都市線沿いに戸建てを買っている人達が多かったと記憶しています。

友人宅に遊びに行くと、「 安い時代にこの物件を買えて良かった。今なら買えない。これからもっと高くなるだろう 」などと親同士が会話していたものです。( 私は古くて狭い借家暮らしでした )。
当時の新聞でも、「 山手線沿線の土地はどんな場所や地型でも坪単価400万円を超えた 」などという記事が見つかります。

しかし、ドットコムバブル崩壊時やリーマンショックの後、東日本大震災の後には、山手線沿線でも坪100万円台の土地や不動産が普通に市場に出ていました。

株式市場同様、相場の上げ下げは今後も続くというのが大自然の法則になるのでしょう。あたかも朝の次には夜があり、春夏秋冬という季節の循環があるのと同様です。



バブル経済研究家であり著名なバリュー投資家であるジェレミー・グランサムは、「 今はバブルのピークを越した所だ。米国株式はかなり割高だし、先進国の不動産も相当高い 」と語っています。

特に不動産価格の下落予想は、同じくバブル経済の研究で名高いロバート・シラー教授の不動産下落予想と一致していて、この点は興味深い部分だと私は思います。

いくら金融緩和をしても、結局は不動産の需給バランスが供給過剰に傾いているのは時代の流れで致し方ない事です。

資産家ならば資産配分の一環で、空室の不動産を保有しても全く問題ないのですが、零細投資家の場合が同様の投資をしたら大変な事になりかねません。

だからこそ、零細個人投資家でもフルインベストメントせず現金ポジションの大切さを考慮するという事が、これから改めて認識されるのではないか、と私は考えています。

先ほど書いた、賃貸が決まらない某エリアの臨海部3階建て戸建てについては、致し方ないので大幅に募集賃料を下げ、早めに成約するよう募集業者さんと打ち合わせしていくつもりです。

家は空室のままだとカビが生えたり機械類が傷んだりしやすいので、物件を傷めないためにもスグにお客さんから申し込みもらえるよう、条件をかなり緩和するしかないと考えています。大家直接募集というサイトも試してみようと考えています。

もし私がこのエリアで大規模物件を購入していたら、当初は苦労なく収益が上がり、「 買って良かった 」と思ったのでしょうが、コロナ渦で一転して運営に苦慮する事になっていたかもしれません。

資産を守っていくためには、常に時代の先を読み、ポートフォリオの組み立て方について研究していくことが本当に重要であると改めて感じている昨今です。

プロフィール

■ トーマス高島さん

たかしま

東京都在住
不動産投資家
ブログ:トーマスの不動産投資ブログ

■ 経歴

□197×年、東京都に生まれる

□幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

□大学卒業後非鉄金属会社に入社

祖父母介護の為に退社

社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

中国に数度の短期留学を経験する

□2001年、兼業で不動産投資を開始

株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

□2020年、山手線沿線を中心に約50戸を所有

趣味は読書・競馬。好物は酒

ページの
トップへ