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資産数十億円の先輩と庶民投資家の自分。立場の違いで異なる物件の買い時と売り時

トーマス高島さん_画像 トーマス高島さん 第27話 著者のプロフィールを見る

2021/10/19 掲載

資産数十億円(正確な数字は聞いてないので知りません)を保有している投資家の友人と経済について話しているときに、こんな質問をされました。

「 昨今、鉄鉱石価格は下落する一方で、天然ガスや石油の価格が急騰しつつあり、インフレ懸念が周知されてきたように感じる。コンテナを始めとした輸送コスト急上昇のデータも確認され、2022年の物価高騰は日本においても既定路線である。不動産投資はこれらに対抗するのに良いのでは? 」

彼はコモディティに強く、株式や通貨まで幅広くトレードしています。不動産は資産分散の一環として、都心にビルやタワーマンションを少し保有している程度で、主力は金融資産です。だからこそ今後のインフレヘッジに関心があるのでしょう。

「 現金はゴミになりそうだし( ヘッジファンド運用者レイ・ダリオの発言 )、比較すると実物資産は悪くないのではと感じているよ。だから不動産投資の割合をもう少し増やそうかと考えていたのだよ… 」

私はこう答えました。

「 先輩のように潤沢な現金をお持ちならば分散投資の一環として良いと思います。ただ、借入れしてまでの投資はなかなか簡単ではないと思います。店舗やオフィス等の空室率は上昇傾向ですし、レジデンスもワンルームから高級賃貸まで成約が難しくなりつつありますから 」

不動産の買い増しを検討している先輩から見ると、私がここのところ不動産を売却していたのが不思議だったようです。

「 なるほど。高島君は2019年までに不動産を半減させたと言っていたよね。そして、今もう少し売却しても良いと考えているんだろう? その一番の理由はどこにあるの? 」

これについての私の回答です。

「 潤沢な金融資産があるなら、売る必要性はありませんでした。一番の理由は借入のリスクです。賃借人が入らなくても借入金の返済は規定通りに実行しなくてはいけません。売りたいと思っても、空室が多い物件売却は困難になっていきます。埋まるか判らないのに施工するリフォーム代も負担になります。それなら今のうちに売ろうと考えました 」

特に地方において厳しくなっている話を付け加えると、先輩は興味深そうに話を聞いていました。私は話を続けました。

「 富裕な投資家が分散投資で不動産に配分するのは、コロナ以前も今も充分意義深い事だと思います。しかし、コロナ以降で世相が変化しました。この先は、空室だろうと満室だろうと大丈夫という人でないと借入してまでの投資は厳しくなると感じています 」

■ 収益不動産の売却を検討する理由

私もインフレヘッジとしての不動産に妙味があることは当然知っていますし、現金が紙屑になった歴史についても承知しています。しかし、過大な借入をしている投資家の場合は話が違ってくるだろうと考えてもいるのです。

今や東京都心部でも全空ビルが散見されますし、居住用でも半年空いている物件はザラです。今後も供給過剰感はさほど解決しないと考えられ、それならば高値で売れるうちに利食いをして、借入金を減らすのが良いと私は考えたのです。

「 私は地主の子供ではないし、丸源ビルのオーナーのように潤沢な資金力はない。それならば身軽になっておくほうが気楽だ。ポジションさえなければ、またエントリーする機会はあるはず。また時節が巡ってきた段階でレバレッジを再びかける事もできるだろう 」

そんな気持ちでした。投資家の行動はその資産背景により全く異なって当然ですし、その中でどのスタンスを選ぶかが重要であると改めて感じているところです。早めに物件を売却した理由は他にもあります。不動産は一旦下落局面になると売却が難しくなるのです。

例えば最近、破綻危機で話題の中国恒大集団の子会社を買収したいという奇特な不動産会社が現れたと報道されていますが、これが実現したとしても価格はかなりの安値になるのは間違いないでしょう。

我々庶民が売り買いする不動産も同様で、融資がほとんど出ない状況になると不動産価格の下落は進みます。売主は業者、相続、換金、資金繰り、納税などどうしても売らないといけない理由を抱えていますので立場は弱くなり、買主主導という投資環境になります。

「 値段は下げる気がないから。売れないならそれでも良いよ 」

こんなセリフは財閥系を始めとする大資本家だけの世界だけという事になってきます。そんなわけで、証券投資のような流動性がない不動産投資の場合、ともかく状況が変化する前に行動する、が一番の安全策という事になるのです。

最近、付き合いのある管理会社や不動産会社に賃貸状況を軽くヒアリングしましたが、返答はいずれも「 厳しい 」という一言です。「 どんな物件でも問い合わせはかなり減少しており、コロナ渦中の2020年の方がむしろ良好な需給バランスでした 」という内容でした。

私が保有している物件は地方を除き満室稼働中ですが、近隣の空室率上昇や賃料の下落傾向を見ると、「 高値( 例えば年利5%〜6%弱 )で売れるなら、それも良いかもしれないなあ 」という思考も当然出てきます。

私の場合、JR山手線沿線に所有する一棟マンションを2018年頃、年利10%前後で購入しているので、最近の市況で売れるならばそれなりの利益になります。

( ちなみに2003年に同エリアで購入した一棟マンションは、当初年利12%でした。ひと昔前はJR山手線沿線で年利10%が最低基準みたいな雰囲気でした )

■ スタグフレーションの気配

売却した場合、受け取った納税後のお金を何かに投資していくか現金にしておくかの判断が必要になってきます。インフレ対策ならば一般的には資源株やコモディティ投資です。

しかし、高騰を続けていた原油も当面の天井を打ったようなチャートですし、銅価格や鉄鉱石価格から見るに実体経済は思わしくない状況でしょう。

スタグフレーションの気配も感じます。スタグフレーションの場合、不動産価格は劣後する可能性が高く、それならば不動産ポジションを更に軽くして現金の方が良いのかな等、まだ思考が定まっていません。

しかし、2019年までに保有物件を半減させ、借入金も4億弱→1億4千万円まで圧縮できたので、2022年が諸物価高騰なのに弱需要という環境下に置かれたとしても、切り抜けられるだろうと考えています。

以前、環境活動家のグレタさんが「 大人が化石燃料を使う事で地球温暖化を促進して、子供の未来を奪っている! 」と顔をゆがめて怒っていました。その影響もあってか石炭や石油に対する規制が厳しくなり、今日の天然ガス高騰を招いています。

しかし、太陽光や風力発電などは所詮環境に左右されるぜい弱な存在で主力エネルギーになりようがなく、どうしても化石燃料に頼らなくては経済や生活が回らないという状況があります。

麻生太郎氏の麻生財閥も、昨年から低位株の代表、往年の黒いダイヤを彷彿とさせる住友石炭株( 住石ホールディングス )を買い増しています。余裕がある投資家は現物資産や不動産を買い増し、私のように余力がない投資家は安全策を取る、こんな世相なのかもしれません。

今後の世相はインフレかスタグフレーションかまだ分かりませんが、皆さまも対策を早めに進められるよう、願っています。

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プロフィール

■ トーマス高島さん

トーマス高島さん

東京都在住
不動産投資家

ブログ:
トーマスの不動産投資ブログ


■ 経歴

□197×年
東京都に生まれる

□幼稚園時代から親の仕事関係で住居が転々と変わる

東京以外には神奈川県や千葉県に居住経験

□大学卒業後非鉄金属会社に入社

祖父母介護の為に退社

社会福祉法人勤務・整体院経営・雑貨店経営・不動産会社勤務など様々な職業を経験

中国に数度の短期留学を経験する

□2001年
兼業で不動産投資を開始

株式投資、ベンチャー投資等も行うが、徐々に不動産投資に集約

□2020年
山手線沿線を中心に約50戸を所有

趣味は読書・競馬。好物は酒

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