スタッフ「 私も将来資産を作りたいと思い、この業界に入りました。しかし現状、東京の不動産は高いのでマイホーム購入は難しいですし、株も高い。どう今後、資産作りをしていったら良いか、見当が付かないのです 」
私「 私があなたと同じ22歳だと仮定したら、今からこんな風にしていくと思います 」
スタッフ「 ぜひお聞きしたいです 」
私「 22歳ならば、おそらく月給は20万円程度あるでしょう。ならば、お付き合いしている彼女がいる場合は同棲を検討します。彼女も同じ給料20万円とすると、世帯の月給は40万円になります。こうなると、貯蓄が増えやすくなりますね 」
スタッフ「 同棲ですか? ワンルームでは同棲は無理なので、広い物件を借りるとなると、お金がかかりそうですが… 」
私「 いやあ、そんな事は全くないですよ。よくマスコミは東京のマンションは高い、買うのはパワーカップルでないと厳しいみたいな事を言っていますが、ちょっと副都心近接エリアや郊外に目を移せば格安です 」
スタッフ業者「 そうなんですか? 田舎は確かに安いのでしょうが… 」
私「 新宿や池袋まで電車で30分圏内の郊外にも、安いエリアは豊富にありますよ。例えば私は西武新宿線郊外生まれという事もあり、いまだにそのエリアに居住しています 」
スタッフ「 お金がないのですぐにマイホームを買う事までは、まだ難しいと感じています 」
私「 借りるにしても、人気沿線を外せば安いエリアは案外多いんですよ。例えば、JR中央線沿線に住みたいと思ったら、少し北上して西武新宿線沿線で家探しをする。こんな事でも家賃はかなり下がりますよ 」
スタッフ「 確かに、そうかもしれません 」
私「 渋谷に勤務していたとしても、例えば東武東上線沿線で探してみる。池袋まで近い中板橋や東武練馬だと、3点ユニットタイプのワンルームならば3万円台から豊富にありますし、2Kタイプでも5万円から在庫が多く存在しています。マスコミは『 東京の家賃は高い、売りマンションも高くて買えない 』と騒いでいますが、私から見ると不思議な話です 」
スタッフ「 でもそのエリアでも、マンションを買うとなると高いんでしょうね、きっと 」
私「 いえいえ! 探せば普通にサイトに掲載されていますが、例えば成増や東武練馬ならば駅徒歩圏で3DKの40平米〜50平米弱のマンションが1,500万円くらいで今でも買えますよ。新耐震基準の物件も見つかります。他にも似たようなエリアが色々あります 」
スタッフ「 なるほど、そうなんですね! 」
私「 あなたが一人暮らしをやめて彼女と同棲して世帯月給40万円になるとします。その上で5万円台の賃貸や1,500万円のマンションを買って住んだらどうでしょう。かなりお金が貯まるとは思いませんか? 」
スタッフ「 確かに、住居にかかるお金をかなり節約できそうです。しかし、安い物件は古いのでリフォーム代も必要では? 」
私「 約1,500万円の物件を買い、リフォームまでしたとします。もちろん、区分の場合は修繕積立金や今までの大規模改修の内容を吟味して物件を探す事が一番ですが、それをクリアしてともかく買えた場合、リフォームを手厚くしたとしても総額2,000万円位でしょう 」
スタッフ「 なるほど、そのくらいかければキレイになりそうですね 」
私「 2,000万円を30年の住宅ローン固定金利で組んだ場合、月額約65,000円ですよ( 年利1%の場合 )。これに管理費等を考えても、毎月80,000円程度でしょう。40万円の世帯月給から考えると、かなり余裕を持って暮らせる。そんな気がしてきませんか? 」
スタッフ「 そうですね、確かに! 」

■ 住居費が減ったら、次は貯蓄を増やす
私「 残りの月給32万円のうち、20万円を貯蓄に回します。12万円もあれば普通に暮らせます。その12万円は毎月使い切って良い金額です。ユニクロの服やニトリの家具を買い、自炊中心の生活をしましょう。健康面から考えると野菜鍋や納豆ご飯が日々のメインになるかもしれません 」
スタッフ「 家賃を除いて12万円ですか。そのくらいあれば、大丈夫だと思います 」
私「 2年目からは多少なりともボーナスや昇給もあるでしょうから、これを交際費や医療費、慶弔費や予備費に充てることができます。ボーナスが夏冬2回で合計4か月分の支給だと仮定すると、二人で年間160万円です。趣味や交際費などに使えますよ 」
スタッフ「 なるほど、そうやって入ってくるお金を何に使うか事前に決めておくと、無駄遣いを減らせますね 」
私「 毎月20万円を貯金すると年間に240万円。10年間で2,400万円です。もう少し頑張って20年間ならば、4,800万円ですね。もう経済的に余裕がある領域だと思いませんか? 」
スタッフ「 そんな金額を貯金できるなんて、考えてもいませんでした 」
私「 それでもまだ42〜43歳ですよ。無理な投資をせずとも、月給が高い多忙な仕事をせずとも、ごく普通に今のままでそこまで到達できるのです 」
スタッフ「 5,000万円近い現金を保有して、普通に23区内に暮らせる。それは無理せず普通にやれることなんですね 」
私「 全くその通りだと思います。私は更に郊外の西武新宿線多摩地域に住んでいますが、上記のような生活を継続してきたから、資産作りが出来てきたように感じています 」
スタッフ「 それで貯めて余ったお金は、例えば話題のインデックスファンドのようなものに積み立てたら更に良いのですか? 」
私「 私はインデックスファンドに懐疑的です。良いモノも悪いモノもパッケージで買わざるを得ないので、成績がもう一つ伸びない傾向があります。私なら個別株やインデックスファンドがカバーしていない指数を買います 」
スタッフ「 少し難しそうです 」
私「 確かに、これには勉強が必要ですから、面倒ならば株が暴落している時に少額ずつ貯めたお金の中から、インデックスファンドを買ってみたらどうですか。そのタイミングは今ではないと私は思いますけどね 」
ざっくりまとめると、こんな会話をしました。後でこの会話を反芻して感じたことは、今の東京でも普通に暮らせるし、住みながら資産も普通に作れるという、私からするとごく当たり前の事実です。
東京の家は高い!と騒いでいる人は、人気エリアでのみ探しているからそう思うのでしょう。そのエリアを外すことができれば、価格はぐっと下がります。

■ 子供がいたら、貯金できない?
「 いや、結婚して子供が出来たらそうでもないのでは? 」という意見があるかもしれません。
お子さんがいる場合、児童手当が毎月15,000円付きます。3歳以上も10,000円。東京の場合はこれに加えて、小池都知事が月額5,000円を支給すると言明していますし、医療費の無償や保育料無償化もあります。
自分の経験からいっても、よほどお受験や習い事に邁進したり、ブランド物を着せたりしない限り、義務教育期間中はそれほどお金がかからないのでは、と思うのです。
加えて、今は高校や大学無償化という制度もあります。非課税世帯のみならず、月給が20万円程度のご家庭の場合、私立高校や私立大学の学費がほぼ全額給付される仕組みがあります( 限度額があります )
このように考えてみると、「 一人口は食えぬが二人口は食える 」ということわざの意味が実感できます。
総合職で全国転勤、夜中に帰宅というハードな職場を選ばなくても、例えば地域限定社員みたいな働き方で普通に暮らしながら、42歳で貯蓄が5,000万円近くいく。しかも、その時点のマンションのローンは残り10年です。
私も20代から30代前半までは自家用車を持たない生活でしたし、住まいも一貫して郊外です。しかし、快適に生活出来ていますし、住居費がかなり抑えられているのでその分を資産形成に回せたと感じています。
趣味や余暇を充実させながら、仕事はほどほど、資産もまずまず増やせるのは、今の時代でも決して高いハードルではないと私には思えます。ただし、価値観の軸を人と少しずらすことができるのなら、という感じでしょうか。