1、屋外のハトへ餌やりを続けていた裁判例
さて、大家さんの知っておくべき裁判例シリーズ第4回は、迷惑行為に基づく立退き系の裁判例です。屋外のハトへと餌やりを続けていたという事案なので、ペット禁止特約にも関連する部分もあるかもしれませんね。
ハトだけでなく、猫への餌やりなども同様にトラブルになる事案です。大家さん側としては、なかなかハードルが高いという嫌な現実を目にするかもしれませんが、知識も武器になると信じて、裁判例を見ていきましょう。
2、事案紹介
今回の事案は次のようなものです。(東京地判令和3年3月25日ウエストロー・ジャパン)
(1)立退請求事件の基本は賃料滞納「3か月分以上」かどうか
まず、簡単に基本を思い出しましょう。賃貸人と賃借人は、継続的な関係性であり、賃借人は違約から解除されると住む場所を失うという観点から、「信頼関係破壊の法理」に守られ、軽微な違約では追い出せない、という裁判例が確立しています。
賃貸借契約を大家さんの側から解除するには、「信頼関係を破壊するに足りる」ほどの重大な違約があった場合でないといけないとされています。
この法理に賃借人は守られているため、基本的に大家さんの
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