こんにちは。富治林希宇(ふじばやしねがう)です。前回は、今までと少し変わって戸建てを購入した時の話について書きました。今回は「三為物件」を購入したお話です。
これまでに僕は三為物件を3物件購入していて、1物件が大失敗、2物件はとても良い物件でした。2勝1敗です。個人的には「三為物件はあり」です。今回は、三為物件を購入して良かった事例を書きたいと思います。来年どこかで大失敗の話も書きます!
■物件との出会い
今回の物件はポータルサイトで見つけました。ただし、自分で検索して見つけたわけではなく、日頃お世話になっている管理会社さんが、「良さそうな物件が掲載されていましたよ!富治林さんご購入いかがですか?」と教えてくれました。
見てみたら確かに良さそうな物件でした。築30年を超えていましたが、物件の状態が良く、特に修繕をしなくてよさそうだったこともあり、購入することに決めました。物件のスペックはこちら。(数字はおおよそです)
金額:1,200万円(利回り17%)
世帯数:6世帯
築年数:約35年
稼働率:5/6(1部屋空室)
■購入経緯
実は、物件情報を見て「これは良さそう!」と思ったものの、当初は購入しようか少し迷いました。この物件は「三為物件」だったためです。その場合、物件を転売する不動産業者の利益がのった価格であるため、価格が割高なことがあるのです。
しかし、慎重に調査をした結果、以下の3点の理由から購入を決意しました。
(周辺の同スペックのアパートの相場が1,500~1,900万円)2)入居者の賃料も適正な額だった
3)土地の値段だけで物件価格の90%程度あった
(さらに角地で大通りに面しており周辺は商業施設も多く土地としての有効活用ができる)
三為かどうかに関係なく、十分条件が良い物件でした!
■購入後も全然問題なし
購入後、すぐに入居者募集をすると、特に大きな修繕やリノベーションをしなくても数カ月で満室になってくれました。その後も時々退去があるものの、募集をすると、すぐに次の入居者が決まります。
先ほども書きましたが、今回の物件は普通にポータルサイトに掲載されていたものでした。「未公開物件の方が良い」「ポータルサイトには良い物件はない」という声をきくことがありますが、ネットに出ている物件にも十分に良い物があると思いました。
■どうして三為物件なのに安かったのか?
今回の物件は元付の仲介業者が「売り主」として、一部利益をのせて三為物件として売りに出していました。三為物件なのに安めに販売されていた理由を知りたくて、知り合いの三為物件を売る業者にヒアリングしてみました。
すると、以下のような理由で、三為物件でも割安に販売することもある、ということがわかりました。
【その1】自分たちを管理会社として選んでもらいたい
売買部門と管理部門の両方がある会社さんの場合、売買で大きな利益を得なくても、管理を任せて貰えば、管理手数料で長期に渡って収益が見込めます。
その場合、割安に売りに出していると自分たちで買主の人を見つけやすい(≒他の業者が買主を見つける前に売りやすい)ので、割安に販売するメリットがあります。実際、僕も売ってくれた会社さんにそのまま管理をお願いしました。
【その2】 長いお付き合いをしたいので、少しでもお得な物件と思ってほしい
こちらも長期的な視点に立った考え方ですが、安い物件を紹介する良い業者だ、と思ってもらうことで、次も自分たちから物件を購入してくれる可能性が高まります。
短期的な利益を考えれば、価格を大きく上乗せして売り切った方が儲かりますが、それで購入した投資家さんに利益が出ないと、次の取引には繋がりません。
■先入観だけで判断しない
今回の事例により、先入観で判断せず、必ず「一次情報を元に」×「数字などの根拠」でフラットに判断することが大切だと学びました。
確かに三為物件は業者の利益がのっているので、売主から直に購入するよりも割高になります。実際、高額な利益を載せて、高値で転売していることもあります。不動産投資家の中には、「三為物件は購入しないと決めている」と言う人もいます。
しかし、三為物件であっても、良くみてみたら十分に良い条件だったということも考えられます。僕が買わせてもらった会社さんも、管理をとても頑張ってくれましたし、その後、ほかの物件も紹介してくれるようになりました。
「三為物件だからダメだ」と先入観だけで判断していたら、今回の物件は買えませんでした。それだけでなく、その後で物件の紹介をしてもらえる貴重な機会を損失していたと思います。
今回は三為物件を購入した時のお話を紹介しました。
もともとはお付き合いのある管理会社さんが教えてくれた情報なので、今回も人とのご縁で良い物件が買えた事例といえます。
しかし、三為物件で上手くいかなかったこともありました(泣)
来年は、そんな三為物件の失敗事例について書こうと思います。
そろそろ年の瀬ですね。皆様、1年お世話になりました!
私のコラムで1つでも2つでもお役に立ったことがあれば嬉しいです。
来年も引き続き、よろしくお願いいたします。