皆さんこんにちは!私事ですが、50歳になりました。日本人の平均寿命は、男性81歳、女性87歳なので、折り返しはとうに過ぎています。会社員なら「定年」という2文字も考え始める時期かもしれません。
自分がサラリーマンとして働いていたころも、50歳くらいの社員さんに向けて、定年準備セミナーやリタイヤメントプランニングなどの研修をしていたので懐かしくなります。幸いFIREしていて、定年はないので安心です(笑)
■築30年の土地値以下アパートを購入することに
今回のコラムでは、「初心者なら破綻していた!買ってはいけないアパートを買ってしまった話」について紹介しようと思います。
今年の1月に中古アパートに買付を入れました。土地の実勢売買価格から建物解体費を引いたくらいの価格で買い付けを入れて、少し押し戻された価格になりました(詳しいスペックはボカします)
大手ハウスメーカーが建てた築30年のファミリー物件で、全6戸のうち1部屋が入居中でした。売買の話を持ってきた業者によれば、「本当はうちが解体して分譲地として販売しようと計画したのですが、一部屋埋まっているためそのまま売ることにした」と言っていました。
もともと地元の地主さんが持っていたアパートを東京に住んでいる家族が相続し、売りに出されました。入居付けは積極的に行われておらず、2階は20年以上入居した形跡がありませんでした。共用部も荒れていました。
しかし、大手ハウスメーカーの物件ということで、造りはしっかりしており、少しだけリフォームすれば満室にできる自信はありました。
■決済前日、プロパンガス屋さんから物件の瑕疵を知らされる
融資を打診すると、土地の積算価格が出たこともあり、無事に自己資金2割程で買えることになりました。ところが、決済前日にビックリすることを耳にしたのです。
アパートの定期巡回の途中、懇意のプロパンガス屋の前を通り過ぎようとすると、クレイジーケンバンドの横山剣似の横山部長(仮名)から大きな声で声をかけられました。
横山部長「おーい、ニーノ社長、アパートを買いはるらしいな」
ニーノ「お耳が早いですね。明日、決済なんです。アパートのプロパン業者を確認したら横山さんのところの会社でしたね。引き続きよろしくお願いします。」
横山部長「こちらこそ、ぜひぜひよろしくお願いします。」
ここで煙草を吸いながら遠くを眺めながら横山部長が信じられないことを言いました。
横山部長「ところで、ニーノ社長はあの件は知ってはるんやろ~~~。知ってて、よう決断しはったわ~~」
ニーノ「えっ、知ってるって、何をでしょうか?」
横山部長「あのアパートがなぜ埋まらないのか?だよ。その原因を知ってて、購入しはったんやろ」
ニーノ「いえ、埋まらない原因って、なにかあるんですか?」
横山部長「え!何にも聞いてないんかいな?あの物件は地域でも有名な『一家族限定』アパートなんやで~~」
ニーノ「どういう意味でしょうか?なんで一家族限定なんですか??」
横山部長「今一つだけ埋まってるでしょう。空いている他の部屋に誰かが入居したら、今住んでいる家族が追い出すんですわ~~。ここ20年以上、1カ月以上住んだ人はいないんじゃないですか?おかげでガス供給ができなくて困っているんですわ~~」
「寝耳に水」とは、まさにこのこと。こんな重要な事を重要事項説明、売買契約のときに特約事項として教えてくれなかったことは告知義務違反だと思いました。しかし、仲介の担当者に確認したところ、「知らなかった」で終わってしまいました。
■「この家族が居座る限り、物件を埋めることは不可能だ」
決済の時に、売主さんや売買仲介担当者に「なぜ一部屋しか埋まっていないか?」を質問したところ、「管理会社に丸投げしていて、よくわからない」「積極的に募集していないから」という話でした。
確かに売主さんは遠方にいて相続しただけなら知らないと考えられます。売買の仲介業者も管理会社は別なので知らないと言えるかもしれません。そこで、決済後に仲介会社に同席してもらい、管理会社に行ってみました。
すると、今まで聞いたことのない話がどんどん出てきました。隣の仲介会社の担当者の顔色が変わってくのが分かりました。それを見て、「この人は本当に知らなかったんだな」と思いました(-_-;)
管理会社から、「この家族が居座る限り、物件を埋めることは不可能だ」とハッキリ告げられました。加えて、「管理契約も打ち切ります」と、まとめてアパートの鍵を渡されてしまいました。
これは、明らかに告知されるべき「瑕疵」です。調べることができていなかった売買の仲介会社に問題があったと言わざるを得ません。
この後、仲介会社の担当者とご飯を食べに行きました。担当者は平謝りでした。告知義務違反ですので、買主である自分が主張すれば、売買代金の解除、代金減額、損害賠償の支払いを求めることができるかもしれません。
しかし、僕は指値交渉をしたときに、仲介会社の担当者に「どんな問題がおきても自分で解決するから安くしてほしい」と言っていました。まさか、こんなことになるとは思いませんでしたが、茨の道を進むことにしました。
■経験のないことは経験者に学ぶ
初めてでわからないことは、経験者にアドバイスをもらうのが一番です。年を取ると、「ミスしたことを知られるのが恥ずかしい」「質問するのが恥ずかしい」と考えてしまう人が多くなります。
頭が固くなって、他の人の話を聞けなくなる人も増えます。でも、「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言います。第一、いくら考えても良い解決策が浮かびませんでした。
早速、場数の帝王であるDX母ちゃんと極東船長に相談してみました。すると2人から、「その家族に何としても出て行ってもらうことが、一丁目一番地だ」と言われました。
融資を受けて買っていますから、1部屋しか入居がない状態が続けば、初心者ならキャッシュフローが枯渇してしまいアウトです。その場合、「告知義務違反」として何としても売買契約を解除した方がいいでしょう。
「でも、今のニーノのステージなら他の物件のキャッシュフローで補填しながら耐えられるよな。だから、持ち続けて、その家族に出て行ってもらうまで必死のパッチで頑張れよ」と言ってもらいました。
小さなアパートとはいえ、毎月のマイナスのキャッシュフローは苦しいです。でも、こういう経験こそ、自分を鍛えてくれます。頑張って、出て行ってもらう方法を考えることにしました。
その決断が、のちの自分をどれだけ苦しめることになるのか、その時は知る由もありませんでした。
つづく
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