華子
自己紹介をお願いします。
育休パパ大家さん
育休パパ大家と申します。山口県在住の33歳です。現在戸建て11棟とアパート1棟8室で合計12棟19室、家賃年収は1120万円です。
東京の大学を卒業して、総合商社の営業職を4年勤めました。でも激務で疲れてしまったので、故郷の山口県にUターンして、こちらにある大手企業のメーカーの工場で働いていました。今年の6月に退社して、今は専業大家です。
華子
総合商社ではどんなお仕事をしていたんですか？
育休パパ大家さん
僕のいたのは水産業関連の部署で、魚を扱う部門です。お客さんにはチャキチャキしたド根性系おじさんみたいな人たちがいっぱいいて、その中でもまれて仕事をしていました。
仕事自体はすごく楽しかったんですけど、どうしても24時間365日ずっと仕事になるんですよ。休みの日にも電話がかかってくるような環境で。これではちょっと体がもたないと思って、会社を辞めました。
華子
不動産を始められたのは、山口県に戻ってからですか?
育休パパ大家さん
そうですね。東京にいたときは、不動産のことなんか1ミリも考えたことがなかったです。こちらに戻ってきて、ちょっとゆるふわというか、今までの働き方からすると結構時間があるような感じの働き方だったんですけど、このままずっと働くのは嫌だな、と思ったんです。
他に何かないのかなと思ったときに『金持ち父さん貧乏父さん』の本をたまたま本屋さんで見かけました。これは！！と思って、そこからお金のことにアンテナが立って、いろいろ情報を収集し始めたという感じですね。
華子
具体的な勉強はどのようにされたんですか?
育休パパ大家さん
本をたくさん読みました。『まずはアパート1棟、買いなさい！』とか、有名なところをざっと読んでいって、あとは健美家さんのコラムで勉強させてもらったり。あとは尊敬する起業家さんのラジオ配信を聞きながら、知識を増やしていきました。
育休パパ大家さんの本棚。下段には『金持ち父さん貧乏父さん』も
■最初の物件は500万円の土地売りを指値で180万円に！
華子
最初に買われたのは、どんな物件だったんですか?
育休パパ大家さん
最初はさほどボロボロすぎない築40年ぐらいの戸建てです。地場の不動産業者さんのサイトに載っていて、元々は500万円で土地売りとして出ていたもので、残置物がたくさんありました。
特に他に欲しい人がいないようだったんで、残置物はこちらで撤去するという条件にして、元々解体更地渡しで500万円だったところを、180万円の指値をして、それが通ったんで買うことができました。
華子
320万円の値引き、最初からすごいですね。リフォームはどのようにされたんですか？
育休パパ大家さん
1棟目は修繕の工程を自分で一回全部経験してみたいなと思っていたので、DIYでやりました。今後もしDIYをやらなかったとしても、1回自分でやっておけば、どれぐらいの労力と材料費がかかるか分かった方が外注しやすいと思っていたんで。
ところが、結局2棟目以降も全部自分でDIYをやり続けているんです（笑）。途中でスピード感を考えて、一部はプロに外注したりとか、途中からバイトさんを雇って一緒にやってもらったりしています。
1棟目は結局100万円くらいかけて、トータル300時間、5ヶ月ほどDIYに費やしました。
1棟目のビフォー・アフター。これが1棟目とは思えないほどの完成度！
華子
物件の立地はどのようなところですか?
育休パパ大家さん
結構田舎なんです。山口県で一番人口が多いところだと下関市になるんですけど、僕がいるところはもっと少ないですね。人口で言うと、下関市の3分の1とか4分の1か、もっと少ないくらいかなと思います。
華子
田舎ということで、客付けは苦労しましたか?
育休パパ大家さん
それが、あまり苦労せずに決まりました。入居募集しても1ヶ月以内には決まっていたんで、意外に入居者が来る感じですね。結局6万5000円で入居者がついて、利回りとしては26％とれています。
買う前に地場の不動産屋さんを一通り回っていたんですけど、そこでヒアリングしたら、そもそも戸建て賃貸の供給がほとんどないエリアだったんで、ちゃんとした商品が出来上がっていれば、すぐにお客さんがつくのが分かっていたんです。
■2棟目は元教会。22畳の礼拝堂つき「6DDKK」！
華子
ちゃんとリサーチしていたからこその結果ですね！そして次の物件はいつ頃買われたんですか？
育休パパ大家さん
1棟目と2棟目は、もう1ヶ月違いぐらいのスピードで買いました。
華子
立て続けですね。2棟目はどのような物件でしたか?
育休パパ大家さん
以前、加藤ひろゆきさんが教会の物件を買われていましたよね。僕も同じように教会の物件を買ったんです。十字架があるのは増築された新しい部分で、この部分は築30年弱ですが、奥に隠れている母屋は築40～50年くらいです。
2棟目はなんと教会。屋根のてっぺんには十字架が
育休パパ大家さん
これも1棟目と同じように、もう教会を解体すること前提で、土地売りとして500万円で出ていました。150万円だったらそのままの状態で買うということで、話が通りました。7万5,000円で入居者がついて、これが僕の中で一番家賃が高い物件です。
華子
パッと見た感じではDIYもそんなにやらなくてよさそうに見えますね。
育休パパ大家さん
写真で見えている増築部分はすごく綺麗だったんですけど、奥の古家の部分はお風呂も結構汚くてボロボロだったんで、リフォームは結構大変でした。まだDIYに慣れてない時期でしたから、これも半年くらいかかったかもしれません。
華子
7万5,000円のお家賃ということは、結構部屋数も多いのでしょうか？
育休パパ大家さん
そうなんですよ。キッチンとお風呂とトイレが2つずつあったんで、たぶん6DDKKみたいな感じです（笑）。しかも礼拝堂用の22畳もある広いお部屋がついていました。
22畳もあるという、明るくて広い元礼拝堂のお部屋
華子
屋根にあった十字架は貸す際には取ったんですか?
育休パパ大家さん
取ろうと思って業者さんにお願いしたんですけど、構造上これを取ってしまうと穴が塞げなくて、雨漏りしてしまうと言われたので、そのままにしました。入居者さんには付けた状態で住んでもらっています（笑）。
華子
入居者さんは気にされませんでした？
育休パパ大家さん
入居されたのは別にクリスチャンではない方で。どういう気持ちなのかわからないですけど、そのままご入居いただいています（笑）。
華子
でもサラリーマンとして働きながらDIYの時間も捻出して、大変でしたね。
育休パパ大家さん
当時は平日の早朝と休日丸1日を使ってやっていました。夜は作業できないたちなので、朝の元気な体力を使いました。朝、有り余っている力を100％自分の物件にぶつけておいて、仕事は抜け殻状態でやるっていうスタイルです（笑）。
華子
その頃の1日の時間のサイクルを教えて下さい。
育休パパ大家さん
平日はまず4時に起きて物件に行って、2時間くらい作業してから、家に帰ってきて家事をしてご飯を食べて、会社に行っていました。帰ってきてからは家族との時間を過ごして、22時頃に寝ていました。図にするとこんな感じです。
華子
なかなかストイックな生活をされていたんですね！
育休パパ大家さん
そうですね。最初はやっぱりきついですけど、やっていると慣れてくるんで、朝4時に自然と目が覚めるんですよ。壁紙を貼らなきゃ！とガバッと起きて、壁紙を貼ってから出社していました。
■会社で前例のない育休を取得！前半は育児家事にフルコミット！
華子
その後はどのように不動産活動をされていたんですか？
育休パパ大家さん
我が家には5歳、3歳、0歳の子どもがいるんですが、2020年に3戸目を買って客付けができた頃に、育休を1年間取りました。真ん中の子の時です。
華子
とっても理解のある会社で良かったですね。
育休パパ大家さん
前例がなかったので会社もすごくびっくりしたと思います。僕が取得した後、男性でも育児許可を取る方が何人か出てきたみたいなので、他の人のためにも良いことをしたかな、とも思いました。
華子
良いことだと思いますよ。「育休」ってご自分のハンドルネームにしてるぐらいですから、育休中に不動産を頑張るのがご自身のポリシーなんですか?
育休パパ大家さん
そうですね。育休は自分の人生にすごく役に立ったと思っています。育児休業前半は、子育てと家事にフルコミットしようと思っていたんで、その間は不動産は一切やらず、家にいて妻と一緒に子育てと家事をずっとやっていたんです。
僕はDIYもやりますから、家を開けることが多いじゃないですか。普通、奥さん側からすると、嫌ですよね。子育てを一緒にやってほしいって思うでしょうから、半年はせめて一緒にいようと思いました。
子供と一緒にずっと過ごすことができて、それはすごく貴重な時間でしたね。そこで妻の方とも夫婦の信頼関係の土台が出来上がった感じがします。
華子
産後で大変な時期、奥様もとても助かったでしょうね。
育休パパ大家さん
そして育休後半は不動産にコミットするってもともと言っていたんですよ。その頃バイトさんを雇うようになっていたので、後半の半年はバイトさんと一緒に超スピードで物件をリフォームしていきました。
平日まるごと使えるんで、今までの2～3倍ぐらいのスピードで進められたのが大きかったと思っています。
僕は育休を他の大家さんにもお勧めしているんですが、それはリフォームのスピードが上がるからというのも当然ありますが、半年でも奥さんと一緒に子育てする期間があれば、多少なりとも奥さんとの信頼関係が出来てくるんですよね。
それがその後、自分が不動産活動をしたいと思った時に、背中を押してもらいやすい素地になるんじゃないかなと思っているので、みんなに勧めています。少なくともうちはそうだったので、育休をお勧めするようになりました。
華子
育休をそういう風に使えると、家族にとっても不動産活動にとっても良いですね。
編集後記
家族との時間をちゃんと取りたいからこそ、不動産の時間と家族の時間を決めて行動されているのですね。タイムマネジメント能力がとても高い方だなと思いました。次回は明日配信。気になる融資のお話、アパートを買われたお話などを伺ってまいります。お楽しみに！（担当：T）
