複合型エンタテイメント施設が新たに誕生
有明地区は東京都江東区に属するエリアで、東京湾の埋め立て地のひとつ。東京臨海副都心の一部であり、台場の東、東雲の南西、豊洲の南に位置する。
中央を首都高速湾岸線・東京湾岸道路、りんかい線が横切っている。最寄りの交通機関は鉄道だとりんかい線の国際展示場駅、もしくはゆりかもめの有明テニスの森駅、有明駅、東京ビッグサイト駅になる。
そんな有明地区の南H街区で、テレビ朝日が複合型エンタテイメント施設「東京ドリームパーク」の建設を始めている。
2023年9月に国土交通省が「優良な民間都市再生事業計画」と認定したもので、「(仮称)有明南H街区プロジェクト」として進められていた。 これについては、昨年9月に健美家でも取り上げている。
テレビ朝日グループは2023年3月2日に新たな中期経営計画「BREAKOUT STATION!新しい時代のテレビ朝日 経営計画2023-2025」を発表。「すべての価値の源泉はコンテンツにある」という基本理念のもと、コンテンツをあらゆるメディアに展開・最大化する「テレビ朝日360°戦略」を推進している。
そのなかで成長戦略のひとつとしてメディアシティ戦略を掲げており、「東京ドリームパーク」は自社IPを活用したリアルイベントなどを展開する新たなプラットフォームとして建設するものだ。
同施設には多目的ホール・劇場・イベントスペース・屋上広場・飲食スペースなどを擁する方針で、エンタテイメントとテクノロジーが融合する発信拠点として、2026年春の開業を目指している。
施設の規模だが、敷地面積は約1万2900㎡で建築面積は約1万300㎡、高さ約52mで地上11階・地下1階となる。
これまでに数々の音楽番組・イベントを制作してきた同局のノウハウを結集した多目的ホールには最高峰の音響システムを導入し、3700席(スタンディング時は5000名収容)を配置。1500席の劇場は高度な演出プランにも対応できる舞台機構を備え、ミュージカル・演劇を中心としたラインナップを用意するという。
他にも、テクノロジーとエンタテイメントの融合を象徴した催事や多目的な用途に使用できる展示会場を想定したイベントスペース、緑あふれるロケーションで生放送や配信もできるスタジオ機能を併設した屋上広場、屋上広場に隣接する6階フロアやメインエントランスにはフードエリアも展開する。
エンタテイメント・商業施設の集積地として発展
有明地区には、有明アリーナや有明展示場などのイベント施設、大型商業施設の有明ガーデンやスポーツ施設の有明テニスの森公園・有明コロシアム、日本最大のコンベンション施設として知られる東京ビッグサイトが集積し、オフィスビルやホテル、病院、公園も建ち並ぶ。
「東京ドリームパーク」が加わることで、同エリアはエンタテイメントや商業、ビジネスの集積地としての認知度が向上し、より多くの人が集まるエリアになっていくだろう。
東京都はベイエリアを舞台に50年後、100年後を見据え自然と便利が融合する持続可能な都市を構想する「東京ベイeSGプロジェクト」を推進。
中央防波堤エリアの陸海空のフィールドを活用して、最先端テクノロジーの社会実装を図り、東京が目指す未来のまちをショーケース化する先行プロジェクに取り組んでいる。
2023年度は「次世代モビリティ」「最先端再生可能エネルギー」「環境改善・資源循環」に関する6件の事業を採択し、今後は空飛ぶクルマの二地点間飛行や風力を活用した水素生産船、海水からの水素生成、コンクリートへ含浸剤を塗布することで二酸化炭素を吸収・固定化するDAGコートなど、さまざまな技術について世界初・国内初となる取り組みを加速させていく。
「東京ドリームパーク」は同プロジェクトに賛同し、有明やベイエリア全体のにぎわい創出に貢献することを目指し、周辺企業や施設との連携も進めるという。
台場エリアではパレットタウンの跡地に大型複合アリーナ「トヨタアリーナ東京」の建設が進められ、豊洲市場の隣接地には「豊洲千客万来」がオープンし話題になっている。
これらの埋め立て地一帯は、ますます魅力的なエリアとして発展していくに違いない。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))