2025年末に建物竣工の予定
国土交通省は、東京都江東区の臨海エリア・有明で進む地区計画の一部について「優良な民間都市再生事業計画」として認可したことを発表した。
認可されたのは、臨海副都心有明南地区の中でテレビ朝日が進める「(仮称)有明南H街区プロジェクト」だ。
※引用:江東区
H街区は上記地図の中でも1番左から2番目下にある、網掛けされたエリア。
隣のN地区は武蔵野大学の有明キャンパスで、H街区はちょうど1年前まで空き地だった。
H街区で計画されているのは劇場・多目的ホール・展示場などが入る複合施設だ。
事業主がテレビ朝日なので、エンタメに関連した施設が計画されるのも頷ける。
建物の規模は地上11階・地下1階建てで敷地面積が約1.3ヘクタール。延床面積は約46,500㎡となっている。
※引用:国土交通省
H街区の開発計画において目的とされているのは以下の3点。
- 音楽イベントホールやエンターテインメント施設などの整備により、にぎわい・文化発信拠点を形成
- 水辺の眺望を楽しめる屋上イベント広場の整備や立体的な緑の確保により、憩いの場を創出
- 有明南地区を南北に分けるセンタープロムナードから南の海側へつながる緑豊かな歩行空間の整備により、有明南地区の回遊性向上につなげる
※引用:国土交通省
MICE関連イベント(展示会・学会・企業研修・報奨旅行など)に対応できる施設を整備することで、エリアの賑わい創出に貢献することを目指すというものだ。
建設工事は今年の6月からで、建物の竣工は2025年末の予定となっている。
有明南地区の広さは約107ヘクタールと広大
今回、国土交通省から優良計画として認可されたのはH街区のみだ。
地区計画の対象となっている有明南地区全体の広さは約107ヘクタールで、全部で19もの街区に分けられている。
この地区計画は再開発の促進を目的として定められており、以下の機能を持った都市を開発するとされているものだ。
- コンベンション関連業務施設
- ファッションおよびデザイン関連業務施設
- 商業施設
- 住宅
- 文化機能関連施設
H街区の施設は主に1点目のコンベンション関連業務施設と5点目の文化機能関連施設などに該当すると言えるだろう。
各街区の開発計画は、2023年9月時点で全てが開示されているわけではない。
しかし、地区整備計画の制限事項から予測がつく地区はいくつかある。予測される主な施設は以下のようなものだ。
- 医療施設
- 研究施設
- 事務所
- 店舗
- 展示場
- 自動車車庫
有明の西にあるお台場では東京臨海エリアを象徴するような観覧車が解体・撤去されて、大規模商業施設のヴィーナスフォートも閉鎖された。
コロナの影響も相まって景気の閉塞感が広がる中では、東京臨海エリアの賑わいにも陰りが出ているように感じる人もいるかもしれない。
しかし、有明では南北合わせて約237ヘクタールものエリアについて地区計画が策定されており、今後大きな変化が起きることが予測される。
オリンピック後の開発が進む晴海エリアなどと合わせて、今後の推移に注視したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)