こんにちは。Fujiです。前回は「180万円アパートが月21万を稼ぐ物件に!全空物件のリフォーム費用の計算式」の体験談を書きました。最近連続で築古再生物件の話でしたが、戸建てをリーズナブルに購入できた体験談を書きたいと思います。
■神奈川で物件を購入。戸建て+アパート+倉庫が一体になった物件
出会った戸建てはインターネット上で情報を見つけたのではなく、不動産仲介の担当者さんに、特別に紹介してもらいました。この担当者さんとは別の物件を健美家さんから問い合わせた時に知り合い、その際、問い合わせ物件が他決したため、代わりにご紹介いただきました。
よく不動産「投資」と言われますが、こういった人と人との縁が大切なので、実際は投資よりも事業に近いものと思います。
購入したのは「戸建て+アパート+倉庫」が同じ敷地内にある特殊な物件で、戸建てもアパートも倉庫も貸しに出されており、全体で利回り9.5%程度でした。戸建てについては、購入当時月10万円の家賃で入居者さんがいました。そして、この戸建てが購入の決め手になりました。
収益還元としてこの戸建ての価値を考えると、月10万円×12ヶ月÷利回り9.5%=約1,300万円となりますが、この物件周辺エリアでは中古の戸建てが3,000万円前後で売り出されていました。投資家向けではなく、持ち家を買いたい人向き(実需向き」ならいくらになるか、と視点を変えてみました。
この物件はアパート、戸建て、倉庫全部合わせて約5,500万円で購入したので、戸建てを実需向けに売却ができれば、それだけで購入金額の50%以上に相当する計算になります。
■実際に鑑定をしてみると…
そこで、実際にこの戸建の鑑定を依頼したところ、「3,000万円オーバー」という結果が出ました!投資用としての今回の価格(1,300万円)と実際の実需の価格には大きな差がありました。
ちなみに、物件の鑑定時には大成有楽不動産販売さんに依頼しましたが、周辺相場なども詳しく調べてくれるのでかなりオススメです。
参考までに、アパートや倉庫も含めた物件全体のスペックは以下の通りです。(アパートの間取りは1Kと2DKの部屋があり、合わせて計6戸でした)。
所在地:神奈川県、金額:5,500 万円、利回り:9.5%
銀行:某地方銀行、融資額:5,500 万円、金利:3.5%、返済期間:35年
※数字はおおよそ
■いざ戸建て売却までの戦略!
この戸建てを3,000万円で売却するためには、実需向けになりますので、売却時は退去済みで空室である状態にする必要があります。
ただ、保有期間が5年を超えるまでは売却はしないでおこうと思っていました。この物件は法人名義ではなく個人名義で購入したので、5年未満で売却すると個人の譲渡税が高くなってしまうためです。
そしてしばらくすると退去が発生したのですが、その時点で保有して5年未満でした。空室のまま放置はつらい。かといって新しい賃借人さんを入れれば、将来の売却時に困る…。ということで、今回は「定期借家契約」で貸し出すことにしました。
定期借家契約とは、借り主が希望する限り、基本的に更新して住み続けられる「普通借家契約」とは異なり、あらかじめ住める期間が決められている賃貸借契約です。
これなら、事前にいつ退去が発生するか予測できます。普通借家よりは、入居希望者さんに敬遠されるリスクもありましたが、無事に入居者さんが決まりました。

【普通借家には更新があるが、定期借家なら更新しなくてもよい】
■色々な視点から不動産を見てみよう
この戸建ての家賃は、前述した通り月10万円(年間120万円)ですから、3,000万円だと利回りは4%にしかなりません。それでも「持ち家を買いたい人」向け(実需向け)の相場で査定されることで、この価格となりました。
物件全体の価格5,500万円-3,000万円の2,500万円で残りのアパートと倉庫を買ったと仮定し、計算すると、利回り約15%になります。この物件のある神奈川でこの利回りならお宝物件といえます。
もし、これが不動産投資家向けに売却するとすれば、購入時の利回り9.5%で考えて約1,300万円となり、価格としては倍以上も違います。
「実需向けに考えたらどうか」「もし建物を解体して土地として売ったらどうか」等、様々な視点で考えてみることで、戦略が変わってくるのが不動産の面白い部分だと思っています。
【同じ物件でも視点を変えると見え方が変わる】
■物件を安く買う為のヒント
今回の戸建ては、「入居者さんがいる投資用物件を実需向けに売却する」という想定で、割安に購入することができました。このように、不動産の価格には「歪み」が存在するので、安く物件を購入できることがあります。
例えば、今回の方法以外に、地方などの競合が少ないエリアで探したり、再生が必要な物件を狙ってリフォームしたりする方法等があります。
他に、「古家付土地」を狙うというのも一つの手かと思います。古家付土地は、古家を解体することを前提に土地として売られているものです。ただし、この古家がまだ十分使える状態であることもあり、そこに歪みが生じます。
更地渡しだった場合は、「解体にかかる想定の金額(〇百万円)を値引きしてくれないか」という指値交渉が通ることもあります。再生用の築古戸建てを買いたい時には、特に有効な方法に思います。
【物件を安く買う方法】
・入居中の物件を狙う(退去したら実需に売れる物件)
・競合が少ないエリアを狙う(地方等) ※掘り出し物を見つけやすい
・再生が必要な物件を狙う(自分で価値を上げる←自身のスキル次第)
・古家付土地を狙う、などなど
このうち、退去時期が読みづらく不動産業者さんもなかなか手が出しづらい「入居中の物件」は、競合が少なく取り組みやすいと思っています。
今回は戸建てをリーズナブルに購入した時のお話をご紹介しました。次回も僕が購入した不動産の実例を中心に書いていきます!お楽しみに。