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コインパーキング開業への準備。差別化を諦めた理由(開業準備と業界の内情編)。

広田健太郎さん_画像 第16話

コインパーキングをテーマにしたコラムは今回と次回で終わりです。今回は、コインパーキングを始める際に僕がどのように情報を集めたか、初期投資にかかった費用、そしてやってみて感じた業界への違和感( これが撤退につながります )などを紹介します。

■ 設備にかかる費用はフラップ5台の駐車場で約250万

僕がコインパーキングを始めようと思った頃は、今と比べて参考にできる情報が少なく、書籍が数冊販売されているくらいでした。

専門書のために価格が2千〜3千円でしかもコインパーキングよりも月極駐車場のことがメインであり、ノウハウなどはほぼ書いておらず、1冊の中で数ページ、あるいは数行しか参考にならない感じでした。

それでも、その1行1行を深く読み、何かヒントはないかと考えながら読んだものです。いま思えば、逆に情報が少なかったからこそ自分で必死に考え、全国のコインパーキングの駐車場を調査しようと思ったのだと思います。



前のコラムで札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、松山、博多、那覇を視察したと書きましたが、博多と那覇以外は自分の車で現地まで行き、コインパーキングを実際に利用してみました。

そして、地域ごとの料金体系、駐車しやすいレイアウトや看板の位置、どういう設備が必要なのかなどを研究しました。

設備に関しては、すべて新品で購入すると精算機、フラップ( またはゲート )、照明、看板、車止め、バリカ、ライン引きなど全部で、フラップ5台の駐車場で約250万、フラップ25台で約500万円、ゲートは500万〜600万円くらいかかるでしょうか。

数社から見積もりを取ると、大体価格は同じくらいに落ち着きます。ネットで探すと自社で設備を製造し販売している安い業者もありましたが、一度試そうとしたところ、すべてにおいてルーズだったため途中で見切りをつけました。

( この会社は返金を要求しても一部しか返金せず、会社の電話も携帯にも出なかったことがありました。そういう業者もあるので注意が必要です )。

設備以外にはこの他にも、土地を舗装したり、歩道の切り下げをしたり、防犯カメラなどを設置する場合には、別途費用がかかります。

■ 競争のない業界で「 公務員 」のようになった設備業者

僕がお世話になった設備業者さんは、大手でしっかりとはしているのですが、僕が設備やシステムの不備を見つけ指摘しても「 昔からこうだから 」という返答で決められたことをただやるだけという感じでした。

公務員の方とやりとりをしているような錯覚に何度も陥りました。競争のない業界に浸かりきっている彼らにとっては、それが当たり前であり、「 あれはできない、これはできない 」ばかりで僕はうんざりでした。

そこまでしなくても大手設備業者が数社しかなく、競争も少ないため、彼らは開発をしません( と感じました )。

僕は、ビジネスの一番の鍵となるのは「 サービスの差 」であり、それには色々な角度からの集計分析システム、リアルタイムの駐車状況の把握、日にちや時間に応じての細かい料金設定の変更、独自の会員ポイントサービスなどが必要になるのではないかと考えました。

しかし、信じられないことに大手数社の業者さんは、それらの設備に対応しておらず、オプションとしてもありませんでした。

設備会社ではなく、運営をする大手コインパーキング会社さんは、多額のシステム開発費を投入し、独自のサービスを既存の設備機械に組み込んで対応しているようでした。

しかし、それはコインパーキングを全国展開しているからできることであり、僕のように数カ所程度の弱者は既存の設備を利用するしかないのです。

それはすなわち、独自のサービスを提供することができず、差別化を図れるポイントが限られてしまうことを意味します。

僕はまるで、ガソリンスタンドのようなビジネスだと感じました。

大手は数と一等地への出店競争で疲弊し、さらに車の中から安い料金を探して比べられるシステムができたおかげで、価格競争も激しくなる一方。そのようなレッドオーシャン市場で、地方で個人レベルでやっているところは年々閉鎖に追い込まれています。

■ 中古レコード店での経験を生かせないジレンマ

少し話は変わりますが、僕はかつて、中古レコード店を経営していた時、中古レコード店レベルではあり得ないと言われた設備に投資をしていまいた。

例えば、POSシステムという在庫管理システムを導入し、地元の本店、渋谷店、そして通販在庫をすべてリアルタイムで連動させていました。それもこれも将来、中古レコード店から小売全般にビジネスを拡大し上場させるという夢があったためです。

そのために、アメリカのアーカンソー州リトルロックという中西部の田舎町まで行ってウォルマートの創業地を探したり、日本では数々のナショナルチェーンの創業者が学んだといわれる故渥美先生のセミナーに大手チェーンストア社員の方々に混じって最前列に座って参加しました。

( 思い切って質問をした時に、「 まずは有限会社を株式会社にしなさい 」と言われたのは良い思い出です。)

当時は、とにかく、年商も店舗数も従業員数も何かも大きくすることが良いと思っていました。そのため、20代の頃は、友達と飲みに行ったりした記憶は全くありません。そんなことをしている時間が惜しかったのです。

1時間に1度POSから送られてくる売上とリアルタイムの在庫を確認して毎日発注したり、通販業務では1日3回18時、21時、0時に発送をしていました。21時と0時は自分で営業所に持ち込んでいました。0時までに持ち込むと関東エリアは翌日配送してくれたのです。

2002年当時、僕のお店はAmazonよりも早い段階で、翌日配送をしていました。アメリカに年3〜4回行き、日本人が誰も行かないような危険なエリアにも飛び込み大量にお宝を買い付け、帰国したらネットと渋谷店で売りまくる。

渋谷店の買付商品の放出日には、前日の夜中からお客様が並び、わずか7坪ほどの狭いお店に開始前には100人近くの行列ができました。朝10時から夜9時までお客様が途切れず、近隣のお店からクレームが殺到し、警察が1日に3回来たとの報告を店長から受けたほどでした。

通販では全国に約5,000名のお客様がいました。携帯サイトの更新日にはその中でも特にマニアックな方たちからアクセスが殺到し、更新後は1時間くらい注文メールが鳴り止まない状態でした。

2005年5月にはヤマト運輸高崎駅西口エリアでNO.1の発送量だとドライバーさんに言われました。のちに大宮から関東エリアの本部長さんがわざわざ挨拶に来てくれたほどです。

■ 多大なる設備投資なしには勝利できない?

こういう経験の全てが今の不動産投資に活かされています。そしてコインパーキングでも、開始前にたくさんのアイデアを持っていましたので、同じように大手にできないことをスピーディーにやってやろうと思っていました。

しかし、設備製造会社さんに相手にしてもらえず、アイディアは宙に浮くことになりました。コインパーキングは100円を積み重ねていく地道なビジネスにもかかわらず、初期に多大なる設備投資なしには勝利できないとは・・・。

規模を求めず、組織というものを作りたくない僕にとって、そのシステムの構築へお金や時間を投資するという考えはありませんでした。

僕がやるべきスタイルは、例えるなら100円のものを1万人に売る薄利多売ではなく、100万円のものを1人に売るというビジネスだからです。

張り切ってコインパーキング事業に飛び込んだ僕でしたが、そんな業界の内情を知るにつれ、心の中で「 撤退 」という言葉が大きくなっていきました。

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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 広田健太郎(ひろたけんたろう)さん

hirotasan

不動産投資家
マレーシア・ペナン島在住

ツイッター
https://twitter.com/kentarohirota

ブログ
walk on the blue ocean.

■ 経歴

□1975年
群馬県高崎市に生まれる

□1997年
早稲田大学スポーツ科学部卒業(サッカー部所属)

□1998年
シンガポールプロサッカーリーグDIVISION1でプレイ

□1999年
個人事業主として「サファリレコード」創業

□2005年
結婚
父親のすすめで1棟目のビルを購入

□2008年
レコード店を閉め、父親の不動産会社へ入るも2カ月で退社

□2009年
宅建免許取得

□2017年 マレーシア・ペナン島に移住

□2018年
宅建免許返納

■ 所有物件

□2005年
11月:商業ビル購入(4テナント)20%

□2011年
3月:商業ビル購入(3テナント、1住居)売却済

□2012年
7月:商業ビル購入(4テナント、1住居)26%
9月:商業ビル購入(3テナント)28%
9月:中古戸建購入(売却済)

□2013年
3月:商業ビル購入(売却済)
6月:区分マンション購入(売却済)
9月:自宅近くの中古戸建購入
10月:土地購入⇒コインパーキング(23台)
12月:中古戸建店舗購入(売却済)
12月:自宅隣の中古戸建購入

□2014年
3月:商業ビル購入(2テナント) 20%
7月:商業ビル購入(売却済)br /> 10月:商業ビル購入(2テナント)32%

□2015年
3月:中古戸建店舗購入(売却済)
3月:土地購入⇒コインパーキング(35台)
6月:土地購入⇒コインパーキング(5台)
10月:転売用土地購入(売却済)
11月:自宅近くの中古戸建購入

□2016年 4月:店舗購入
5月:牢屋ビル購入(売却済)
8月:店舗購入

□2017年
3月:全空ビル購入
8月:ロードサイド店舗購入
10月:駅近ビジネスホテル隣の店舗購入
10月:上記店舗向かいのビル購入

2018年現在の家賃年収約5,400万円

月に5〜10日、一日に数時間働く狩猟型の生活を満喫している

不動産投資を始めるきっかけや初期の苦労については大家列伝(前編・後編)を参照ください。

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