僕は滋賀県に住んでいます。もともとは会社の辞令で赴任したのですが、子供が自然の中で育つ環境や人の優しさが気に入って、FIRE後もメインの拠点としています。
アパートの多くは富山県にあるので、滋賀県で生活する傍ら不動産環境の整った富山県にもよく行きます。滋賀をメイン拠点、富山をサブ拠点としたデュアルライフ( 2拠点居住生活 )を楽しんでいるというところです。
富山県に行く途中には、故郷の金沢を通ります。銀行は金沢の金融機関を使っているので通帳記入や固定期間の切り替えで寄る際には、里帰りして両親の顔を見るようにしています。
補足すると、滋賀県から富山県までは255kmで、高速でも約3時間半かかる距離です。滋賀県は関西弁に近い方言で、富山県は地元金沢弁に近い方言です。エリアは北陸と関西なので、融資も同じ金融機関が使えず大変でしたが、なんとか頑張ってきました。
■ ノコギリ商法と山口県の中古RC物件
話は変わりますが、サラリーマン時代に働いていた会社は流通業で、そこで近江商人の考え方をたくさん学ぶことができました。その中でも印象的だったのが、「 ノコギリ商法 」です。
近江商人たちは行商へ行く先々で「 良い商品を、より安く売る 」という正直な商売をして、その土地の人たちの信用を勝ち得てきました。
彼らは売るだけではなく、その地方独自の特産品を適正価格で買う事もしていました。売るだけではなく、買う事も大切にするこのやり方が、押したり引いたりしながら材料を切るノコギリと重なることから、ノコギリ商法と呼ばれたのです。
もっと詳しく言うと、関西の特産品を北陸に持って行って売った後に、北陸の特産品を仕入れて、それを東海地方で売り、東海地方でしか手に入らないものを仕入れて、今度はそれを関西へ戻ってきて売るという商売でした。
商人たちは、全国を移動する中で地域の特産品が別の地域では高く売れることを知ったのでしょう。そこに「 歪み 」を見つけてから、徐々に量を増やして、儲けをつくることができたのだと思います。
この、「 売るだけではなく、買うこともあわせて正直な商売をする 」「 エリアを変える 」といったことが儲けにつながるという話は、場所や時代を問わず、どこにでもあります。不動産も同じです。
先日、ぺんたさんが拠点とする山口県で、ジャンボ山口さんが僕のFIRE本出版記念コンペを開催してくれました。せっかく山口に行ったので、ぺんたさんの物件も見せてもらいました。
山口県では、コンクリートの立米単価が他の地域に比べて極端に安いことから昔から2階建てのRCアパートが数多く供給されています。ぺんたさんのコラムに登場する100万円RCもそんな物件です。
天才的DIYで生まれ変わった100万円RCを見せてもらった時は、かなり驚きました。また、ぺんたさんの物件だけでなく、ジャンボ山口さんの低層中古RC物件も見せていただきました。
低層でも、平米単価がかなり安くても、RCはRCですから、法定対応年数は47年です。築30年のRCなら17年の融資を組むことができるので、価格次第ですが返済比率を50%以下に抑えるのも難しくなさそうです。
ジャンボ山口さんは、2016年6月から買い進めて、2017年3月には家賃年収が2,800万円になりました。現地で物件を見て、わずか1年でFIREを達成できた秘密を理解することができました。
参照:ジャンボ山口さんの大家列伝
■ 他拠点居住のススメ
話を戻すと、そんなぺんたさんも福岡と山口の2拠点居住生活をしておられます。福岡に住みながらも、山口での中古RCの歪みにいち早く気がついたことで、躊躇なくアクセルを踏み込めたのだと想像します。
自分の場合も、富山県の土地に対しての家賃の高さ、新築木造のクオリティと建築坪単価の安さの間に大きな歪みを見つけて、この地で拡大することに成功しました。
一見すると全く違う投資手法のように見えるかもしれませんが、両方とも銀行の積算評価方法と実際の売買価格( 建築単価 )の歪みを上手くついた投資手法であり、共通点があるのではないでしょうか。
デュアルライフにはコストがかかります。家族の理解や時間的余裕も必要かもしれません。それでも人生が2倍3倍も楽しくなり、自分の人生がワクワクしたり充実したりする可能性を秘めているライフスタイルだと思っています。
そんな中、国は2021年3月に「 全国2拠点移住等促進協議会 」を発足しました。目的は「 2地域居住等の普及促進と機運の向上 」で、全国の地方自治体も参加しています。
コロナ禍で生活様式も変化した今、いよいよ国も本腰を入れるようです。今後は2拠点居住に対する情報公開や助成金など、具体的な支援策も発表される見通しです。
2拠点で生活する人たちの理由は様々です。親の介護などのやむを得ない理由の人もいます。僕たちの投資しやすいエリアに住むスタイルも良いと思いますし、赤井親分のように趣味を軸に季節によって住み分けるスタイルもあります。
デュアルライフの一番のハードルは資金面ですが、僕やぺんたさんのように自分の所有しているアパートの一室やシェハウスの1室に住んで、あとは貸すというスタイルなら一気にハードルが下がります。
賃貸物件を持っていなくても、地方の物件にはとても安いものもあります。自分自身も将来は北海道や宮崎や沖縄に拠点を築いて、季節ごとにサーフィンやスノーボードやゴルフを仲間と楽しむ老後を想像しています。
もっと気軽に2拠点居住・多拠点居住する人が増えれば、元気な日本人が増えると思います。皆さんも老後やFIRE後は、もう一つの拠点を持つことを検討されてはいかがでしょうか?
■ 7月23日( 土 )のニーノの部屋のお知らせ
最後に告知です。7月のニーノの部屋のゲストは、プレジデント168さんです。大手アパートビルダーのサラリーマンというプレジデント168さんは、いかにして規模の拡大を進めたのか?
首都圏ドミナント戦略のメリット等も話していただく予定です。お楽しみに!!! 今回も健美家パートナーセミナーです。

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☆プレジデント168さんさんの大家列伝⇒コチラ