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融資は「証明レポート」で突破〜オーバーローンをゲットしたひと手間

ぺんたさん_画像 ぺんたさん 第76話 著者のプロフィールを見る

2021/9/29 掲載

こんにちは、ぺんたです。初めてお付き合いする金融機関さんに融資のお申し込みをしているのですが支店内審査の段階で、

「 過去の数字を見る限り御社はキャッシュが回っていない状態なので、返済能力に疑念があります 」

「 減価償却費よりも元本返済のほうが多いですよね 」

「 これから先、本業の儲けでちゃんと返済できることがわかる資料を提出していただかないと本部の審査は通りそうにありません 」

とキツ〜い内容の電話がありました。まあ心当たりがあります( 苦笑 )。この方には口頭で説明させていただいていたのですが、もっと突っ込んだ説明が必要だったようです。

でも私は慌てませんでした。中学校の数学で「 証明問題 」というのがありましたよね!? 私、あれが大好きだったので、この手の資料作成は問題を「 証明 」するような感覚で実はすごく楽しいんです♪ 

早速レポートを書いて後日持参したところ、融資は難なくOKになりました。額は少ないもののリフォーム費の一部までを含むオーバーローンです。このとき、どんなレポートを書いて融資を勝ち取ったのかを具体的にご紹介しますね。

■おおまかな構成を考える

お題をいただいてから、どんな構成でレポートを書こうか考えました。こちらから伝えたいのは以下の4点です。

@ビジネスモデルの説明
うちのビジネスモデルは元本返済超過になりがちだから本部の人もちゃんと理解しといてね、という内容です。(この部分は押さえとして最初に言いたいところです)

A過去業績の説明
たしかに過去の決算は数字が悪いけど、その理由は一時的なものなので心配要りませんよ、という内容です。

B将来業績のシミュレーション
Aの問題はすでに解消したので、今後はちゃんと儲かりますよ、という内容を数字と共に説明します。

C結論
ほら!ちゃんと返済余力あるでしょ。だからお金を貸してください <(_ _)>というまとめです。

もちろんビジネス文書の体裁で真面目に書きました。

■当社のビジネスモデルは・・・

一つ目の「 ビジネスモデルの説明 」のパートでは、金融機関の本部の方に当社のやり方を知ってもらうため、改めて詳しい内容を説明しました。

弊社は皆さんご存知の通り、「 空室の多い物件を割安で購入し、頑張って満室にする 」というのが基本パターンです。最近でこそ減価償却費の取れる立派な物件も買うようになりましたが、創業当初に買った物件はほとんど割安物件です。

購入価格が安いということは、同程度の物件を割高で買った人よりも減価償却費が取れないということです。減価償却費の算出は購入価格がベースになるので、割安で買うことイコール減価償却費が少ないことを意味するのです。

加えて、空室の多い物件ですから、金融機関も長い融資期間で貸してくれません。長くて15年程度、短いものでは7年というのもあります。そうなると元本返済がガンガン進みます。

それ自体は悪いことではないのですが、減価償却費を超えた元本返済は、そのぶん常にキャッシュが外部流出しているわけですから、もともとキャッシュが回りにくい構造といえます。

表1

レポートではそういう元本返済超過の物件をいくつか列挙し、「 こういう事業構造なんで元本返済超過はある程度仕方ないんです 」と言外にお伝えしました。

もしここをつつかれたら、「 じゃあ貴行は長い融資年限でお貸しいただけるんですね♪ 」と逆襲しようと思っていましたが、そういうツッコミはありませんでしたw

■大きな売上減少に見舞われた・・・

次に二つ目の「 過去業績の説明パート 」に入ります。これはもう論旨は単純で、本コラムで何回も登場しているうちの旗艦物件( =元市営住宅 )が2020年4月から全空になってしまったことで、大きな売上が消失したことが主因です。

これを説明するため、旗艦物件の売上高とそれ以外の物件からの売上高を2019年10月から時系列的にグラフ化してみました。赤棒が旗艦物件、青棒がそれ以外の物件からの売上高で、2020年4月から赤棒がゼロになっていることがおわかりいただけると思います。

図1

ちなみに旗艦物件が満室だった状態からの売上の減少額を決算期別に積算すると、先期が約1,350万円、今期が830万円になりましたので、その数字もグラフ中に追記しております。

■旗艦物件には金もかかった・・・

全空になった旗艦物件はそのままの状態ではとても貸せませんでした。内外を大規模修繕したのですが、その一部は自己資金を使って修繕費として計上しためキャッシュフローを悪化させる一因になっています。

加えて入居促進のため広告宣伝費(いわゆるAD)を多めにしたキャンペーンを打っていましたので広告宣伝費の支出も多額にのぼりました。これを金融機関の方に直感的にわかっていただくため、やはりグラフでお見せしました↓

※グラフでは旗艦物件の売上推移を青棒で、支出した広告宣伝費を赤棒で表現しています。

図2

青棒の売上が伸びると、一緒に赤棒の広告宣伝費が伸びていますよね(^^ゞ
不動産賃貸業界でADは成功報酬で、原則的に一時的な支出であるという仕組みのご説明も付記しました。

===

ざっと以上のような感じで、

・旗艦物件の売上が消失し
・満室復帰させるために多額のコストがかかった
・しかしそれらは一時的なもので、既に満室復帰しているので今後の業績には影響ありません・・・

と具体的な数字も交えて説明し、Aのパートは結びました。

■あとは業績のシミュレーション

あとはもう簡単です。直近の試算表は既に良好な状態に戻っていますので、それをベースに将来の業績をシミュレーションするだけです。ただし、金融機関からはキャッシュフローを問われているので減価償却費はシミュレーションから除外し、逆に利払い・元本返済までを計算に加えました。

また、変動的要素の大きい「 入居計画 」「 広告宣伝費 」「 修繕費 」は個別に計画を作成し、シミュレーションに代入することでよりリアルな数字を作りました。また入居計画から売上の増加も計算できます。

===

最初に「入居計画」です。空室の多い物件にお申し込みが入る( だろうw )タイミングに室数フラグを立てて表現しています。

表2

この「入居計画」に賃料をかければADの性質上、すぐに広告宣伝費計画ができます↓

表3

更に入居が進むことで直近よりも売上が増えるわけですから、売上の増加分も「入居計画」から簡単に計算できます↓

ドア枠についた引きずった跡

修繕費は私の経験と勘でざっくり数字をつくりました( 笑 )

これらを元に、キャッシュフローのシミュレーションは先行12カ月分作成しました。ここでは半年分だけご紹介しますね・・・といっても数字はお恥ずかしいのでモザイクをかけていますが・・・(^^ゞ

表4

項目を見ていただきたいのですが、まず売上高は「賃貸料収入」の欄に今年7月の売上高を入れて、この項目はずっと同じ数字を代入しています。その下の「 今後の売上増分 」はさきほど上で計算したものをそのまま代入します。

すると全体の純売上高が漸増していく計画になっています。今年仕入れた、空室の多い物件が徐々に埋まって売上が増加する・・・というシナリオです。

次に経費の欄ですが、これもさきほど計算した「 広告宣伝費 」と私が鉛筆ナメナメした「 修繕費 」を代入し、それ以外の経費は「 その他SGA 」としてまとめて記載しています。(「 その他SGA 」には減価償却費を含みません )

「 営業外費用 」には既借入金の利払い金合計が入り、その下の「 元本返済額 」は既存物件の元本返済額合計が入ります。元本返済まで差引を済ませた一番下のピンクの欄が最終的に求めたい「 支払い余力 」です。

これが今回購入する物件の毎月返済額を大きく上回っていたので、結論としては「 以上のように十分な支払い余力があるため、将来にわたり決してご返済が滞るようなことがないことをお約束致します。何卒ご融資をお願い致します 」と結びました。

■さいごに

このレポートは結局9ページになりました。担当者さんにご説明した際、「 すごく分かりやすい 」「 こんな資料を提出してくれた大家さんは見たことがない 」と褒められました。その結果、数日後に融資OKになったわけです。

たぶん金融機関は独自のモノサシを持っているので、同じことが他の金融機関にもあてはまるとは限りません。その内容がどうかというよりも、こういう説明がきちんとできる経営者であることを評価してもらえたのだと思います。

みなさんもサラリーマンとしてExcelやWordを使って企画書は書かれたことがおありでしょうから、この程度のひと手間をかけることで難しそうな融資も突破できる可能性が高まると思いますよ〜♪

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プロフィール

■ ぺんたさん

ぺんたさん

不動産賃貸業
平日は物件のある山口県、週末は家族のいる福岡県在住
家族は妻と二人の息子

ブログ:
ぺんたの地方不動産投資日記


■経歴

□1966年
福岡県北九州市で誕生

□1989年
大阪大学人間科学部卒業
東京の大手電気メーカーに就職

□2000年
3才の長男に発達障害があることがわかり、妻と「この子が20才になるまでにファミリービジネスを作っておこう」と決める

□2005年
義両親の介護のために長年勤めた会社を退社し、福岡へ
退職金で生活しながら、義両親の介護と長男の療育の体制を整える
引っ越しから約半年後に、福岡市内の球団に就職する

□2009年
福岡の球団を辞め、東京に単身赴任
2〜3年のペースで会社を変わりながら不振事業を再生する

□2014年
不動産賃貸業で起業(サラリーマンを卒業)

□2015年
物件のある山口県宇部市と家族の住む福岡の二重生活を始める


■不動産投資の経歴

□2000年
『金持ち父さん・貧乏父さん』を読み、不動産投資に興味を持つ

□2004年
千葉県九十九里に中古アパートを購入するも空室が続き、持ち出し状態に

□2007年
千葉県九十九里のアパートを売却

□2008年〜
福岡の区分マンションを現金で購入
福岡の中古戸建を現金で購入
千葉県山武市の中古戸建を現金で購入

□2012年
福岡市内に2LDK×8戸で1,150万円の中古木造アパートを購入(利回り29%)

□2013年
岐阜県恵那市に3DK×16戸で4,000万円の中古RCマンションを購入(利回り24%)

□2014年
不動産賃貸業で起業(サラリーマンを卒業)

岐阜県恵那市に3DK×12戸の中古S造マンションを購入(利回り21%)

三重県松阪市に1R×40戸で1億円の中古RCマンションを購入(利回り17%)

□2015年
山口県宇部市に中古S造アパ―トを購入(利回り27%)
平日は宇部市、週末は福岡という二重生活がスタート

□2016年
山口県宇部市で物件を買い進める
恵那市の2棟のマンションと松阪のマンションを売却し、多額のキャピタルゲインを得る

□2017年
10月時点で宇部市内に6棟の物件を購入(利回りは9%〜57%)

所有物件は12棟・138室、満室時の家賃年収は6,500万円程
借入れは約3億4000万円(返済比率35%)

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