自ら大家としての経験も有する、不動産・相続トラブルに注力する弁護士の山村が、不動産トラブルを予防するために、実話を基にした解決事例をご紹介します。
1、解約トラブルその3
解約トラブルの第3回目となります。今回は、前回の手付解約の問題を深掘りして、「 履行の着手 」の具体例を見ていきたいと思います。
裁判例で結果が出ているものであれば、その具体例を抑えておくことで、無用なトラブルを防げる可能性が高まります。今回の記事は、読み流すだけではなく、ブックマーク推奨の記事です!
2、履行の着手の裁判例
前回の続きなので、あっさりと説明しますが、「 履行の着手 」とは手付解約ができるかできないかを決める基準を定める概念です。
判例でも基準としては、「 客観的に外部から認識しうるような形で履行行為の一部をなし又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした 」という大まかな指針を定めているので、個別の事案を抑えておかないと、なかなか実用的な知識にならない部分です。
早速、具体例をみていきましょう!
(1)履行の着手を肯定した事例
「 売主が決済日に、登記手続に必要な書類を持参して、
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