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築19年でも家賃下落率0%!長期的に魅力が続く賃貸住宅の作り方【建築家が建てる賃貸住宅 平野智司氏】

収益物件購入・売却/建築家の賃貸住宅 ニュース

2021/01/08 配信

築1年で家賃が3〜5%落ちることもあるなか、19年経っても家賃下落率0%の人気物件がある。手掛けているのは、日本最大級の建築家ネットワーク アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(ASJ)に所属する、建築家の平野智司氏である。時代が変わっても多くの人を魅了する賃貸住宅を建てるポイントを取材した。

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平野氏が設計を担当した横浜市の賃貸住宅。2002年竣工、家賃下落率0%。ワンルーム27戸

ワンルームでも差別化は可能!
スタジオのような内装で独自の世界観を

平野氏は建築家として、個人住宅から施設建設、賃貸住宅などを手掛けている。担当した賃貸住宅は60棟を超え、築19〜20年経っても家賃下落率0%で、90%以上の入居率を誇っている物件もある。たとえば上の写真は、横浜市の最寄り駅から徒歩8分の立地にあるワンルームが27戸のRC5階建て賃貸住宅である。

2002年の竣工から19年経つが、その人気は劣らない。スタジオのようなコンクリートむき出しの内装が特徴的である。ほかにも千葉市に2001年に竣工した賃貸住宅が、築20年経つが家賃の下落率0%となっている。

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平野氏が手掛けた横浜の賃貸住宅、ワンルームの室内。コンクリートむき出しで、スタジオのような独特の雰囲気のある内装が印象的

消極的賃貸派から、積極的賃貸派が増加
「あえて賃貸派」が好む住空間を提供

これまで賃貸住宅に住む人は、住宅を購入するまでの一定期間、やむをえず賃貸住宅に住むといった消極的な理由で、賃貸を選ぶ人が多かった。しかし近年では、あえて賃貸住宅を選ぶ、積極的賃貸派が一定数いるという。

「積極的賃貸派は、気にいった住まいが見つかれば、長く入居する可能性があります。家賃で安いから選ぶのではなく、暮らしやすさや住空間で選んでいます。そのため、いかに選ばれる賃貸住宅にするかを考えなくてはなりません」

家賃の額だけで決めるのではなく、質が高く素敵な賃貸住宅に住みたい層にヒットする賃貸住宅を建てるには、長い間魅力を持ち続ける住空間のテーマ性が重要になる。

「テーマ性とは、ペット共生にするとか、そういった類のものではありません。その敷地が持つ良い面、悪い面などの特性を読み取り、可能性を最大限に引き出すこと。そこに建つべき建物の方向性を明確にして、そのプロジェクトでしか実現できない魅力を表現すること」

では、どうやって長期魅力が継続する賃貸住宅の「テーマ性」を考えるのか?

「オーナーを中心に、税務やファイナンスの専門家や、賃貸管理の専門家など、プロ集団の知恵を結集し、プロジェクトに適した方向性を探り出します。一過性ではなく長く魅力が継続するテーマ性にこだわり、特徴のある住居を提案します」

こうすれば、成功するといった王道の法則はなく、愚直に一生懸命考え抜くことで、ベストなプランが見えてくる。

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平野智司計画工房の平野智司氏。明治大学工学部建築学科卒業後、建築設計事務所にて設計・監理業務に従事。その後独立

テーマ性を考える際には、「コンセプトチャート」を作成し、「立地分析」「マーケット分析」からはじめて、オンリーワンのコンセプトを考えていく。

たとえば、都会の駅前立地であれば、生活利便性が重視されることから、「サンマを焼かない暮らし」をテーマにして、家で魚を焼かないような生活スタイルを想定して、住まいを設計することもある。

平野さんのもとには、手掛けた物件の入居者から、「どんな思いで、この物件の設計をしたのか教えてほしい」といった問い合わせも入るほど、入居者の心をつかんでいる。

お金をかけるところと、かけないところの見極めなど
建築家だからこそできることがある

賃貸住宅の設計を建築家に依頼するには、高い費用がかかるのではないだろうか?

「よく聞かれる質問ですが、建築家と建てる賃貸住宅がハウスメーカーで建てる場合よりも高くついてしまえば、利回りが低くなり、選ばれません。大事なことは、どこにお金をかけて、どこにお金をかけないか、その見極めです。部材や、細かい部分の始末の仕方や、見せ方など、どうしたら魅力的に見せられるか、建築家の立場だからこそ、できることがあります」

たとえば、豪華に見せるために、建物全体をタイル貼りすれば、コストはかかる。デザインのポイントになる部分や、印象的に見せたい部分にコストをかけ、ほかはコストをかけずに済ませるなどすれば、総費用は抑えられる。そのようなメリハリが大切で、より魅力的な物件にするために、お金をかけるべきところを見極めてほしいという。

もう1点、建築家と賃貸住宅を建てる際に覚えておきたいのが、施工会社についてである。建築家との仕事に慣れていない施工会社も少なくなく、そうした会社と工事をすると、リズムが合わないこともある。ちなみに建築家で賃貸住宅を建てる際、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(ASJ)が施工会社を紹介している。

また、管理会社ともチームを組んで、竣工後の管理も一貫して任せてもらうことが多い。これも長期的に物件の魅力を維持するために大事なポイントになっている。

さらに忘れてはいけない点が、定期的なメンテナンスである。建物のメンテナンスを定期的に行うことで、賃貸住宅の寿命が延び、収益を維持することにつながります。10〜15年に1度は大規模修繕を行うことが望ましい。

最後にウィズコロナの賃貸住宅について、アドバイスをもらった。

「コロナで最も疲弊したのは、ワンルームの入居者かもしれません。1つの部屋で、仕事も寝食もしていたら、オンとオフの切り替えが難しくて当然です。30uのワンルームだとしても、ウォークインクローゼットのようなスペースを作って、リモートワークに利用できるようにするなど、『ゾーン』をわけて暮らせると喜ばれるでしょう」

昨年に続き、今年も自室で過ごす時間が長くなりそうだ。少しでも快適におうち時間を過ごしたいと考える人が増えるなかで、より一層、魅力的な住まいが求められそうだ。

「そこにしかない魅力的な賃貸住宅が実現でき、時代が変わっても入居者に喜ばれる住まいになったら、楽しいはずです。そんな仕事ができればいいと思っています」

●取材協力:アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(ASJ)約3000人が登録する日本最大級の建築家ネットワーク。全国各地のスタジオや定期的に開催するイベントで、さまざまな建築家と出逢い、話し合える場所を提供している。

健美家編集部(協力:高橋洋子)

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