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15年間満室続き!手掛けた賃貸住宅の半数の10棟でグッドデザイン賞。【建築家が建てる賃貸住宅 河野有悟氏】

収益物件購入・売却/建築家の賃貸住宅 ニュース

2021/04/23 配信

この15年で手掛けた賃貸住宅は約20棟。うち10棟がグッドデザイン賞を受賞し、すべての賃貸住宅で家賃を下げなくても満室が続いている。

人気が続く賃貸住宅のポイントを、河野有悟建築計画室の代表で、日本最大級の建築家ネットワーク アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(ASJ) に所属する河野有悟氏に聞いた。

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2020年グッドデザイン賞を受賞した賃貸住宅「CON-FOLDS」。12戸の長屋形式で、景観に調和するデザインが特徴的。

大事にしているのは「対話」と「プロセス」。
その立地ならではの環境設定

個人住宅からオフィス、中国で高さ100mに及ぶ7棟のビルのデザイン監修など、幅広い建築に携わる河野氏。賃貸住宅を建てるうえで大切にしているのが、敷地や事業主との「対話」と「プロセス」だと語る。

「まずは先入観を持たずに、その土地が魅力を発揮できるように、敷地とも、オーナーとも、じっくりと対話をします」

たとえば上の写真は、東京・昭島市にある12戸のファミリー向けの賃貸住宅だが、東西に細長く広い特殊な敷地の形状をしていた。広い立地ゆえに地域への思慮も求められた。

「広い敷地だからといって、大きな箱を1つ作るのではなく、細かな箱を組み合わせた設計にしました。住戸に3パターンの特徴を持たせ、各戸の居住空間が隣り合わないように、リビングに、階段や収納などの空間をサンドイッチするような設計で、騒音対策にも効果的です。また、それぞれの空間を少しずつずらして、高さに変化を与えることで、光や風の通り道を確保しています」

こちらは2020年のグッドデザイン賞に選ばれている。

世間では、コロナの影響で、在宅時間が増え、郊外の戸建ての人気が高まり、いかに自宅で快適に暮らせるかが課題になっているが、この物件はまさに、郊外エリアで、在宅時間を快適にしてくれるような住環境になっている。

「コロナ以前から重視してきたのが『環境デザイン』です。建築は、1つとして同じ環境はありません。毎回、発想やプラニングも変え、唯一無二の空間を設計し、居住空間として快適かどうか、とことん追求します。だからこそ、建物の競争力が増し、魅力が落ちないものができるのです」

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「CON-FOLDS」の室内。廊下からリビングの様子を見渡すことができ、回遊できる。光や風の通り道も確保し、環境を最大限に活かす。

設計時にはアセットマネジメントまで考える。
それでこそ、建築家の力量が発揮される!

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1〜2階がボクシングジム、3階以上が賃貸住宅の「SKY FORTRESS+MISAKO GYM」。2011年グッドデザイン賞受賞。

上の写真は、ボクシングジムと賃貸住宅の複合建築で全体は鉄骨造の建築だが、そのなかでも、2階のボクシングジムでは、大空間を確保しやすい大きな区割りの構造で、3階以上は工法を変えて、小さな柱を多く用いて、賃貸住宅として、細かく居住空間を確保している。かつ音が気にならない設計になっている。

こちらは2011年にグッドデザイン賞を受賞している。

手掛けた賃貸住宅の例をみると、どれも家賃も建築費も高そうに見える。「高そうに見えるデザイン」は、入居者にとって付加価値になり、差別化につながる。実際は、家賃も建築費も相場同等に抑えている。

「物件のオーナーさまは、家賃の下落や空室を心配される方が多いですね。我々も管理会社とともにリサーチしながら、ニーズはあるが供給が少ない間取りで、収支が安定するようにデザインしていきます。建築コストのコントロールはもちろん資産運用まで含めた『アセットマネジメント』を考えることは、収益を上げるためには重要で、お金を上手に使うことも建築家の力量です」

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建築家 河野有悟氏。設計を手掛けた東京・上野の「東京松屋UNITY」の1室に事務所を構える。

和紙や材木など、
オーナーの持つ魅力も生かす

河野氏が手掛けたなかで、最も戸数が多い賃貸住宅は、上野にあり、河野氏の事務所も入る12階建ての「東京松屋UNITY」である。1〜4階に物件オーナーである、インテリア和紙をはじめ、「江戸からかみ」を扱う和紙の老舗「東京・松屋」のショールームがある。

5階以上の賃貸部分では、引き戸や障子などに、オーナーの和紙を活用し、外観デザインも内装も、伝統と現代を融合させたデザインになっている。

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「東京松屋UNITY」。「江戸からかみ」と呼ばれる江戸時代から作られてきた和紙の文化・技法継承を建物全体のコンセプトに、1〜4階部分をショールーム、5〜12階部分を集合住宅として設計。2008年グッドデザイン賞受賞。
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「東京松屋UNITY」の賃貸部分の内装。和紙を活用した引き戸が印象的。かつての日本間のように、引き戸により、部屋を区切ることも、広い1間として利用することもできる。

「常に物件ごとに、強みを最大限に活かすことを考えています。オーナーさんの職業もヒントにします。材木屋さんであれば、ビニールクロスを使わず、木材を中心に作った賃貸住宅もあります。自ら木の手配ができるので、メンテナンス効率も高くなります」

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鎌倉市御成町にある、築約80年の民家が並ぶ、ひと連なりの土地の歴史や周辺環境を更新しつつ継承するプロジェクト。2019年グッドデザイン賞受賞。

上の写真の例では、オーナーが材木屋さんで、木材を活用した建築になっている。

「もともとこの場所には、空き家5〜6軒と、建物を解体した広い敷地が1つあり、それら一帯をどう活用するかが課題でした。全体的に開発するか、個別にリノベするか検討した結果、資金調達も含め、個別に徐々に建替えていく計画になりました」

空き家は耐震補強やリノベーションをして、古さも活かすことに。更地には、上の写真のような3軒の賃貸住宅を建て、一連の街並みを形成した。空き家だった民家は、リノベーション後、市民工房を運営する団体やIT企業が、オフィスとして借りている。

毎回毎回、その場所の環境と、オーナーの人柄や職業などの背景もヒントに、市場調査を元にニーズを見極めながら、ベストなプランを考えていく。それこそが建築の醍醐味だという。

「目指しているのは、決して受賞することではなく、環境や住空間をより快適で確かなものへと追求していった結果がグッドデザイン賞につながった」と河野氏は振り返る。

ひいては、それが何年経っても満室が続く、競争力の高い賃貸住宅を作ることにつながっているのだろう。

●取材協力:アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社(ASJ) 約3000人が登録する日本最大級の建築家ネットワーク。全国各地のスタジオや定期的に開催するイベントで、さまざまな建築家と出逢い、話し合える場所を提供している。

健美家編集部(協力:高橋洋子)

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