家主からトラブルの相談を受けるとき、少しでも手掛かりが欲しくて関係する書類等すべて持って来てもらっている。そこでよく目にするのが、家主が作った賃借人との覚書だったり確約書だ。
書面のお題目は違うものの、要はトラブルのもとである賃借人との話し合いの結果を書面にしておこうというもの。ところがこの書面、訴訟となったときに、なかなか証拠と使えない。それはなぜか?
何のための書面かよく考えること
ほとんどの書類は証拠として不十分
滞納しているとか、払えなければ退去するとか、騒音トラブルにならないように気を付けるとか、さっくりと解決するなら口約束でいいこと。それをわざわざ書面にするということは、相当トラブルになっているというタイミングだ。だからこそその書面が、訴訟の重要な「証拠」になると意識して作って欲しい。
事務所に持ち込まれる書面の多くが訴訟の証拠として使えないのは、明確でない、感情的、明らかに賃借人にとって「サインさせられた」感がある等々だ。
ひとつひとつ見て行こう。
まず「明確でない」、と言うのは、特定ができないのだ。具体的には物件だったり、いつのどの賃貸借契約における話し合いか、ということが何も書かれ
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