2020年世界中はコロナに翻弄された。当初は得体の知れぬものとして、緊急事態宣言に国民が従い、街は閑散とし、交通機関も利用する人はまばらだった。
多くの職種がダメージを受け、経済的にダメージを受ける。当然賃貸に住む賃借人も、経済的困窮に追い詰められたケースが目立った。
若い人たちの中には「いったん実家に戻ります」と自ら退去する人たちもいたが、ファミリー層はそう簡単ではない。特に就学生をもつ親は、転居のハードルはかなり高くなる。「コロナさえ落ち着けば」そう願いながら、家賃を滞納してしまった賃借人がいた。
約束もしたから待ってあげたい
賃借人はカラオケ店の店長をしていた。換気の面でも飛沫の面でも、コロナ禍から「悪」の矢面に立たされた業種のひとつだ。
緊急事態宣言を受けて店は休業。その間の収入は完全に途絶えた。
それでも当時はさまざまな給付金を受給したり、コロナさえ落ち着けば、そう思って事が深刻になることまでは考えていなかった。それよりも店長として、アルバイトの学生への対応に追われる毎日だった。
当然収入は激減した。小学生の子どもが2人。3LDKで家賃は14万円。妻の飲食店でのパート代もなくなり、ぎりぎり
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