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借り手が貸し手を募る「さかさま不動産」 空き家の解消、夢応援で「社会」「人」に貢献

賃貸経営/商品・サービス ニュース

2021/03/22 配信

「借りたい人」がまず空き家でやりたいことをアピール
借り手、オーナーともに登録料、マージンは不要

「空き家でかなえたい想い」を借りる側が発信して空き家物件を探す不動産サイトが話題を呼んでいる。その名も「さかさま不動産」。貸す側が物件の情報を載せて借り手を探す通常の不動産サイトとは、まさに「さかさま」だ。

運営会社は登録料やマージンを取っておらず、「かなえたい夢を表に出す結果、応援する人があらわれて夢の実現が加速する世の中になれば」との願いからサイトを手掛けているという。

人の夢の実現を手助け、空き家問題の解決など、「人」「社会」に貢献できるこの珍しい手法を、賃貸経営の選択肢に加えてみてはどうだろうか。

「アニマルクッキー王国をつくりたい」
(条件 ・三重県桑名市 ・菓子製造許可付きキッチンスペース・車がおけてとにかく広い一軒家)

さかさま不動産のサイトから
さかさま不動産のサイトから

「川岸で泊まれるみずべっそうこをつくりたい」
(条件 ・堀川沿(宮の渡しや納屋橋エリア)・物置、倉庫、宿泊、コミュニティスペース・10畳程度の部屋と3畳以上の土間か物置)

さかさま不動産のサイトから
さかさま不動産のサイトから

「さかさま不動産」のサイトのトップ画面の最上部には、空き家を探す人のこんな「想い」がずらり掲載されている。職業(肩書)、氏名、顔写真入りだ。

下部に移ると、「やりたい想い」というコーナもあり、さらに多くの借りたい人の一覧が載っている。駄菓子屋、おにぎり屋、助産院、ヨガ道場など、さまざまだ。

それぞれをクリックすると、氏名や自己紹介、借りたい想いと理由、希望する物件の条件などに関する説明が出てくる。

クラウドファンディングで立ち上げ、成約4件
家賃などは借り手とオーナーが直接やり取り

サイトを運営するのは、三重県桑名市の株式会社On-Co。共同代表を務めるのは、30代前半の水谷岳史さんと、20代後半の藤田恭兵さんだ。

On-Co共同代表の水谷岳史さん(左)と藤田恭兵さん
On-Co共同代表の水谷岳史さん(左)と藤田恭兵さん

「以前、名古屋で空き家7、8軒を借りて飲食店やシェアハウスをやっていたのですが、やっているうちに、情報が公開されていない物件を使ってくれないかと言ってきてくれる大家さんが現れるようになりました。仲良くなったからこそ相談が来たのですが、同じことが自分たち以外には起きるのではと考え、クラウドファンディングで『さかさま不動産』を立ち上げたのです」

On-Co執行役員で広報担当の福田ミキさんはこう語る。

「さかさま不動産」が本格スタートしたのは2020年6月。これまで4件が成約した。1件目は本屋(名古屋市)、2件目は自転車屋(愛知県瀬戸市)、3件目は海洋プラスチックごみを活用したアートの製作場(三重県鳥羽市)、4件目はコンセプトアーティストの「秘密基地」(奈良・吉野エリア)だ。

仕組みは次のようになる。

「さかさま不動産」を通じて物件を借りたい人は、まず登録する。登録料は無料。そして、サイトの運営部がヒアリングを行い、文章の形にして、「想い」をサイトに出す。現在50人ほどが登録しているという。物件は現在、東海が多いが、エリアは限定していない。

一方、物件オーナーは、登録すれば借りたい人にメッセージを送れるようになる。家賃などの交渉も、すべて両者の間で行われ、On-Coはタッチしない。マッチングに至ってもマージンは貰わない。

福田さんは「借りたい人とオーナーが2、3回メッセージをやりとりしたら、実際に物件を見に行ったり、Zoomを通じてオンラインで話をしたりと、顔のみえる関係で話が進むことが多いです」と話す。

そして、借り手にアプローチする物件オーナーは「ただ貸したり、お金をもうけたりするのが目的ではなく、物件を貸すことで、一緒に夢をかなえる工程を楽しみたい人が多いです」。

また、「先に物件を借りる人を見つけ、それから物件を買ってリノベーションは借り手に任せ、安くで貸そうと考えている人もいます」という。

空き家バンクでは「借りたい人」探すのが難しい
2018年の空き家率は過去最高18.6%、今後も増加

空き家に関しては、自治体の空き家バンク制度などが思い起こされるが、福田さんは「(空き家バンクで)空き家をたくさんを集めても、借りたい想いを持つ人を探すのは難しいです。また、空き家バンクに登録すると、地域やふるさとを捨てたと言われることもあるようです」。

この点、まず借りたい人の想いがあり、それを応援する空き家を貸す形であれば、地域に貢献するという姿勢が、より明確になるといえそうだ。

これまでの例でも、地域の活性化につながりつつある。借り主が意欲の高い状態で自分の目標に取り組んでいるため、それぞれの拠点を中心に、新しいプレイヤーを呼び込み始めているという。

改めて空き家に関する現状をみてみよう。総務省の「住宅・土地統計調査」によると、2018年の空き家の数は846万戸で、総住宅戸数に占める割合は13.6%と過去最高になった。少子化などを背景に、今後も増加傾向は続くとみられる。

空き家問題は深刻になっている
空き家問題は深刻になっている
「平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計 結果の概要」から
平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計 結果の概要」から

この状況をいかに改善するかは、不動産オーナーにかかっているといえるともいえるが、「空き家問題の解決」「夢を持つ人の応援」といった、社会や人に貢献する観点から、「さかさま不動産」のようなサービスを活用し、賃貸経営に生かすのも面白いかもしれない。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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