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オーナーに朗報!入居者が自ら賃貸DIYできるガイドラン公開。〜フローチャートでDIY可能か一目瞭然

賃貸経営/DIY ニュース

少しずつ広がり始めている「入居者自らDIY賃貸」だが、実際のところ、導入するためには何を心がけ、何に気をつければいいのだろうか?

そんなオーナーや入居者のためにこのほどまとめられたのが、HEAD研究会※による「賃貸DIYガイドライン ver.1.1」だ。1年半前に公表された後、不動産関係者やオーナーなどの意見の反映・検証を重ね、今年5月に一般公開された。

※一般社団法人HEAD研究会:建築にかかわる多様な世代の専門家と次代を担う若手が、21世紀の新たな産業のあり方を探求することを目的としたコミュニティ。建築を中心に、不動産やライフスタイル、エネルギーなど多領域について、「タスクフォース」(=分科会)を主体として活動を行っている。

■より現場に落とし込んだガイドラインを策定
DIYブームとともに、賃貸住宅でもDIY可能な物件や、「原状回復を前提としたDIY」に取り組む入居者が増え始めている。少子高齢化で新築着工戸数も減少し、ストック重視の住宅政策を背景に、既存住宅の利活用は今後ますます増えていくことが予想されている。

若手世代の中でも「生涯賃貸で構わない」との積極賃貸派が増えていることを考えると、快適な住空間を生み出す賃貸DIYの発想が広がっていく可能性は高い。

一方、オーナーにとっては、空室対策やリフォーム費用を安くしたい、付加価値を高めたいなど、それぞれの考え方で「賃貸DIY」の受け止め方が大きく違ってくるが、そもそも所有物件がどんなDIYなら可能なのかが分からないため 、二の足を踏んでいるオーナーも多いのではないだろうか。

2016年4月に国土交通省が「DIY型賃貸借に関する契約書式例及びガイドブック」を公表し、DIYに関する特約内容やDIYの申請方法、合意内容といった特約内容について明示した。今回HEAD研究会で示したガイドラインでは、対象物件が建築基準法や消防法の「内装制限」という規定に基づいて、どの部分にどういった内装材を使用したDIYが可能なのかを、フローチャートで簡単に確認できるようにしている 。

ガイドラインで掲載しているフローチャート
ガイドラインで掲載しているフローチャート

特に、キッチンのガスコンロ周辺の内装には都道府県ごとに決まりがあることや、隣室との境となっている壁には気軽に穴が開けられないことなどは 、不動産業界では触れる機会がほとんどない部分。DIYでは欠かせない知識として周知するとともに、個別対応が可能な場合があることや、仮に内装に制限があってもできるDIY事例なども紹介している。

■「ルールをひも解き、安心かつ快適な賃貸DIYを」
同ガイドラインを策定したのは、同研究会の「不動産マネジメントタスクフォース」と「リノベーションタスクフォース」の2分科会組織で構成された「賃貸DIYワーキンググループ」だ。その分科会リーダーの伊部尚子さん(ハウスメイトパートナーズ・営業本部課長)に話を聞いた。

賃貸DIYワーキンググループ分科会リーダーの伊部尚子さん
賃貸DIYワーキンググループ分科会リーダーの伊部尚子さん

―まずはHEAD研究会で「賃貸DIYガイドライン ver.1.1」を作成した目的を教えてください。

数年前からのDIYブームでDIY市場も伸長し、関連サイトやブログでの発信もかなり増えてきていますし、賃貸物件においても原状回復の範囲内でDIYを楽しむ入居者が増加しています。また、自ら所有物件をDIYして付加価値を高めるようなオーナーもいらっしゃいます。住空間を快適にするためのDIYは、今後ますます拡大していくと予想されます。

ところが賃貸物件では、「所有と使用」が分かれているため、オーナーと入居者で認識が異なりトラブルが生まれたり、不動産管理・仲介を担う業者間においても認識の違いがあったりします。

また、これまでDIYに関しては法的な部分があいまいだったこともあり、現場であまり認識されていないケースも見られます。オーナー側には入居者の安全を確保する、という貸主責任がありますし、入居者側にもその部分を認識しておいたほうがいいのでは? ということから、ガイドラインを作ることを検討することにしました。市場が大きく拡大する前に正しい知識や方法など適正なベースを整えよう、という趣旨です。

―最初に表記されているフローチャートは、オーナーが所有物件でどんなDIYができるのか、簡単に判断できてわかりやすいと感じました。

ありがとうございます。このフローチャートを作るに当たっては、リノベーションの実務に詳しい3人の一級建築士に対応してもらいました。そもそも建築物は建築基準法や消防法など、利用者(居住者)の安心・安全を確保するための法律がありますが、専門家でないオーナーや不動産業者、入居者が読みこなし理解するのは難しいものです。

それでも賃貸DIYには欠かせない知識ですので、まずは対象物件がDIY可能かどうかを判断できるフローチャートを作りました。また、オーナー側が「これならやってみよう」と思ってもらえるよう、なるべく「建築士に相談する」部分を減らすようにしています。

―「内装制限」について、かなり細かく紹介していますね。

「内容制限」についてわかりやすく図説
「内容制限」についてわかりやすく図説

キッチン周りの火気使用箇所の内装に決まりがあることや戸境壁に気軽に穴をあけてはいけない理由については、不動産管理業に身を置く私自身も知らないことばかりで、セミナーに参加したオーナーの皆さんの反応も「知らなかった」「勉強になった」という声が多い部分でした。

そこで内装制限がある場所とその内容、使ってもいい材料の種類などをわかりやすく示しました。また内装制限があってもDIYが楽しめることを伝えるため、DIY事例もたくさん盛り込んでいます。

また、このガイドラインでは、対象物件が竣工時に合法であることを前提としていますが、物件によっては「内装制限」に違反していることもあります。それでも大枠として、認知してもたい、意味を考えてもらえればいいと思っています。

ガイドラインを踏まえたDIY実例も紹介
ガイドラインを踏まえたDIY実例も紹介

―国土交通省のDIY賃貸借に関する契約書式を参考にした契約関連書式例は、すぐに活用できそうです。

国土交通省の示した内容は、戸建て賃貸住宅をメインに、DIY工事の規模が比較的大きな場合を想定しています。その背景には、増え続けている空き家への対応という課題があるからだと思います。一方、研究会では、もう少しライトにDIYに取り組む場合を想定していることが特徴です。

ガイドラインに沿ってDIY可能物件か判断できれば、入居募集時に情報として入居希望者に提供することができますし、入居者やオーナーともに「DIY可能」という共通認識を持つことで、ハードルも少し下げられると考えています。

さらに契約書式については、国交省の場合は入居後にやりたいDIYの内容についてオーナーが精査し、改めてDIYのルールについて合意する流れ(申請書→承諾書・合意書)が前提ですが、このガイドラインでは入居前にDIYのルールを取り決め、それに沿ってDIYしてもらうことを前提にしています(賃貸借契約と同時に合意書作成→申請書・承諾書)。国交省が公表しているDIY型賃貸借の契約書式を参考に、どう自分たちの賃貸借契約に落とし込むかを事例で示しました。

ガイドラインに掲載されている「増改築等の概要」書式例
ガイドラインに掲載されている「増改築等の概要」書式例

―このガイドラインをどのように活用してほしいですか?

オーナーにとっては、自分の所有物件がどのようなDIY可能なのかピンポイントで知ることができますので、今まで以上に取り組みやすくなると思います。

また不動産管理業者にとっても、空室対策やリフォーム業者への指示をする際の参考にしてほしいと思います。都市部については満室が続いていますが、郊外や地方など空室が多いエリアでは、今後付加価値を高める対策を講じないと厳しい状況になっていきます。賃貸DIYが空室対策の1つの手段になると考えて、付加価値を付けるための越えないといけないハードルとして、今のうちに準備しておいてほしいと思います。

入居者についても、今後は積極賃貸派も増えると予想されていますし、そうなれば“空間の快適性”のためのDIYも増えていくでしょう。原状回復という“元に戻す文化”にプラスαすることで、“次につなげるための文化”にしていければ、もっとDIYを楽しんでもらえるようになると考えています。

―ガイドラインはHEAD研究会ホームページからダウンロードできるようになっていますが、現在までにどの程度ダウンロードされていますか?

まだ公表したばかりですので、だいたい200件を超えたぐらいですが、これから不動産業者向けにセミナーを行ったり、さまざまな媒体で周知活動を始め、また一般向けにも情報発信を始めたところですので、今後少しずつ広がっていくと考えています。

実は、完成したのは1年半ぐらい前なんですね。セミナーに参加したオーナーや不動産管理会社の担当者などに実際に使ってもらい、内容を検証するのに少し時間がかかりましたが、より現場で使いやすい形になったのではないかと思います。

今後は、ガイドラインをアプリで見られるようにすることも検討中です。さらに今回のガイドラインをまとめる中で、建築基準法や消防法、各自治体の条例などさまざまな法規が関連していることを、改めて認識しましたので、そういったことを気軽に相談できる窓口や建築士のネットワークも構築していければ、と考えています。またDIYショップやインテリアコーディネーターとの相談窓口などもあると、DIYをする入居者のフォローアップになるのではないかと思い、合わせて仕組みを構築中です。

健美家編集部(協力:玉城麻子)

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