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不動産×インテリアの可能性。原状回復を破格に実現。「Decor Interior Tokyo」はどこが凄いのか

賃貸経営/DIY ニュース

2020/08/24 配信

代官山にあった「Decor Interior Tokyo」が吉祥寺に移転、地元の老舗不動産会社リベストと協働を始めた。DIY賃貸の普及、啓蒙を行い、希望者をリベストの窓口に繋ぐなどしてDIY賃貸をてこにしたニーズの掘り起こしをしたり、地元の空き物件をモデルルームに造作、物件の魅力をアップする、物件を紹介したユーザー向けにインテリアの相談窓口を開催するなどが主な内容で、早々にその効果が出ている様子。話を聞きに行った。

5分の1の予算の改装で1週間後に入居者決定

取材に伺ってすぐに聞いたのは築15年、駅からは12分ほどと立地は悪くないものの、原状回復費用が障壁となり、1カ月ちょっと空室になっていたワンルームマンションを改装したところ、1週間とたたずに決まったという話である。

こちらは改装後。壁の棚は跡が残らないように細いピンを使用したもの
こちらは改装後。壁の棚は跡が残らないように細いピンを使用したもの

クリーニングを入れたものの、家具の跡があり、壁に汚れがあり、さらにエアコンが15年物で黄ばみがあるという物件で、不動産会社はこのままでは決まらないと判断するものの、予算が不足している。そこで「Decor Interior Tokyo」の坂田夏水氏が提案したのは予算を掛けずに汚れを目立たなくする改装である。

元々の室内はこの通り。ごく普通の、競争力があるとは言いにくい部屋
元々の室内はこの通り。ごく普通の、競争力があるとは言いにくい部屋

まず、壁についての改装では壁紙を貼るか、塗装をするかが常道だが、そのうち安価に済むのは塗装である。そこで同室では塗装を選択したのだが、なるほど!と思ったのは黄ばんだエアコンのある壁一面を黄色で塗ったという点。

白い壁に黄ばんだエアコンがあれば黄ばみは目立つが、黄色い壁がバックならさほどには目立たない。もう一面はブラウンになっており、事情を知らなければかっこよく塗り分けられた部屋としか思えない。

白い壁の上ではエアコンの黄ばみは目立つ。だが、トップの写真で見るとさほどではない。目の錯覚は偉大
白い壁の上ではエアコンの黄ばみは目立つ。だが、トップの写真で見るとさほどではない。目の錯覚は偉大

さらにどうしても汚れが目立つ洗面所の壁のうちの一面には蔦の柄の、かなり目立つ印象のある壁紙を貼った。キッチンにもタイルステッカーを貼り、トイレには原状回復が容易なピンフックを使った棚を設置。総額で材料費は5万円ほどという。

工務店などに頼んで原状回復を行ったら13〜15万円、エアコン交換で10〜12万円はかかろうというものである。それが5分の1ほどで済んだのである。

人間の目の錯覚を利用、汚れたところに目がいかない工夫

壁以外の点での改装のポイントは人は目立つ柄や強い色に目がいきがちだということ。たとえばキッチンの壁にタイルが貼られているとして、築年が古くなれば、どうしても全体に薄汚れた感じになる。特に下部には油はねなどもあるはずだ。

築30年超のアパートのキッチン。改装前
築30年超のアパートのキッチン。改装前

その場合、普通には全体をなんとかきれいにしようと考えるはずだが、上記の強い柄、色に目が行くということを考えると、全部をやる必要はない。

下部の汚れをタイルステッカーなどで見えなくすれば、そして、その強い柄に目が行くようにすれば、上部のぼんやりした汚れは目立たなくなるはず。実際、他の部屋での改装ではそうした例があり、汚れはほとんど意識できなかった。面白いものである。

改装後。壁の部分とキッチン全面の色を揃えて濃い色を配して目がそこに向くように。もうひとつ、キッチンのタイル下部にはシートを貼って汚れを見えないようにしている
改装後。壁の部分とキッチン全面の色を揃えて濃い色を配して目がそこに向くように。もうひとつ、キッチンのタイル下部にはシートを貼って汚れを見えないようにしている

その事例以外でも同社はリベストが管理する空室を改装、モデルルームにしているのだが、そのうちには前述の部屋同様に改装後すぐに決まった部屋も多い。ツボを押さえて改装すれば予算を掛けずに済むのである。

築古物件をインテリアのプロと組んでDIY賃貸に

また、同社が手を入れて改装せずともDIYしたいという入居者があれば、同社がアドバイスをして、本人に手を動かしてもらうという手もある。素人が勝手にDIYしたいという話には不安を覚えるかもしれないが、インテリアのプロが一緒に作ってくれるなら問題はないはずである。

吉祥寺は古くから住宅街として人気のあったエリアで築30年、40年などと古い賃貸住宅も少なくない。人気があるだけに更新をしてこなかったオーナーも多いようだが、これからはさすがにそうはいかない。

ただ、すべての更新を自費でとなるとなかなか予算がないオーナーもいるはずで、そこで考えたいのはDIY賃貸の仕組みの導入。

ある程度の家賃減額あるいは材料費等の支給は考えるべきだが、それでもすべてを自分で負担するよりは多少は安くつく。さらに自分で手を入れた物件には長く住む人も多いという。古い物件をオーナー、入居者、不動産会社の三者がハッピーに使うためにもDIY賃貸は利用価値大なのである。

設備の不備は家賃減額に繋がる

ただ、エアコンなどの設備については今回は予算が本当にないためにこうしたやり方をしたが、本来は避けたほうが良いとリベストの山田妙子氏。というのは4月からの民法改正では「一部滅失等による賃料の減額」が明確に定められており、これは簡単に言うと「設備の故障などで部屋の一部が使用できない時にはその分だけ家賃を減らす」ことを求められるというもの。

実際の条文で見ると以下の通り。

(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)

第 611 条 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。

旧民法では

第 611 条 賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、 その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。

となっており、違いは明らか。エアコンも含めて大体の設備機器類は10年を過ぎた辺りからモノによっては作動がおかしくなることがあり、15年超となるとかなりの割合で故障が発生するように。

この物件の場合はすでに15年というから、近いうちにダメになる可能性はあり、今回の措置はある意味時間稼ぎ。今交換しても、壊れてから交換しても費用自体はそれほど変わらないとしても入居者がいる時点での故障は出費も含め、入居者の心証を悪くする結果にもなりかねない。

プロの技は多くのマイナスをカバーするが、設備の機能だけはカバーできない。その点はよく理解しておき、あまりにケチり過ぎないようにしたいところである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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